「キャビンアテンダント転職物語」は、航空会社の客室乗務員(CA)に転職した女性の笑いあり涙ありの物語です。驚きの採用決定からワクワクの初出社、地獄の訓練を経て、大空に飛び立ち、一人前のキャビンアテンダントに成長していくまでが描かれています。前回の第1話は「航空会社から合格通知が届いた!そして引っ越し」、そして今回の第2話は「憧れの制服採寸とついに迎えた入社式」です。それではどうぞ!
憧れのキャビンアテンダントの制服採寸へ!!
第1話の「航空会社から合格通知が届いた!そして引っ越し」を終え、今までずっと憧れていた、あの制服に初めて袖を通す日が来ました。制服採寸です。もちろん制服にもサイズがあります。
入社前に全員の制服のサイズを決めるので、採寸は入社前に行われました。憧れていた制服ですから、同期みんなのテンションもマックス!
ですが、実際は驚くほど機械的な流れ作業でした。みんな順番に並び、採寸する人がだいたいの背丈や体形を見て、「何号を着てみてください。」と言われ、試着し違和感がなければそのサイズで決定という流れ。初めて袖を通す制服にうっとり…。する暇もなくすぐに脱がされ、次の人に着せるという感じなので何が何だかわからなかった。というのがあの時の印象です。
同期とはこれから始まる訓練や、色々聞く噂話などで話が盛り上がり、入社までの間何度も集まり話したりしていました。入社までに課題があったので、飛行機について学んだり、英語を覚えたり、毎日ドキドキワクワクで過ごしていました。
ついに迎えた入社式!テレビにも登場!
4月1日、入社式。私たちは既卒なので入社式に参加しないものだと思っていましたが、なんと新卒に混ざって入社式に出席することになりました。(既卒でも4月入社以外は新卒と一緒の入社式には出ないそうです。)
人生二度目の入社式。この入社式も前職と全く違い、とても楽しいものでした。前職は椅子に座って偉い方のお話しを聞いて、終わり。これが普通の入社式でしょう。ですが、航空業界の入社式はだいたい飛行機の格納庫で、飛行機をバックに入社式を行います。改めて飛行機を目の前にすると、いつも遠くからしか見ていなかったので、こんなに大きいんだ!と感動したことを覚えています。もちろんCAだけでなく、総合職、地上職、パイロット、などなど様々な職種の人が一同に集まるので、ものすごい人数です。
また、必ずメディアが入ります。次の日の新聞にバッチリ写っていたこと、テレビのニュースでも写っていたことは今でも良い思い出です。
そして、あの有名な紙飛行機を飛ばすシーンはご存知でしょうか?新入社員が一人ひとり紙飛行機を折り、どんな社員になりたいかをそこに書きみんなで一斉に飛ばすのです。社長も一緒に飛ばすので、社長の紙飛行機を拾った人は後から一緒に写真を撮ることができるそう。なんともお茶目な入社式です!。
臨時収入!? おこずかいがもらえる?
その後、少し今後の流れについて説明がありましたが、その中でかなりびっくりしたことがあります。
それは会社から10万円いきなり振り込まれるというものでした。
なぜなら、私たちCAという職業はフライト時の時給と地上勤務の時給が違います。もちろん、フライト時の時給のほうが断然高いです。ですが、最初の二か月は訓練しかありませんので、フライトの時給がもらえず、訓練中はとても給料が低いのです。それだけでなく、ほとんどが一人暮らしを余儀なくされているため、(詳しくは第1話を参照)家賃も払わなくてはならないという状況。そのため、最初に会社が10万円振り込んでくれるというものです。
そしてまた驚くのが、この10万円は返さなくてはならないのです。これは、退職する際に返すのだそうです。こんなシステム聞いたことないですよね。私は入社して何年も経ちますが、未だに会社から10万円を借りています。どうせだったらくれればいいのに!というのが、正直な私たちの意見ですが…。これは会社によって違いますので、どこの航空会社にも当てはまる話ではないでしょう。
ですが、今考えるとこのおこずかい(?)はかなり助かりました。当時は急な引っ越し資金が必要だったため金欠でした。特に地方から引っ越してきた同期はもっとお金がかかったようで、貧乏生活を余儀なくされていました。CAはこんな時代を乗り越え、どんどんたくましくなっていくのです。
そしてついに訓練が始まります!次回第3話は「憧れの訓練…のはずが、とてもつらい地獄の訓練に突入!」です。