事務職に転職-仕事内容や平均年収・給与、事務に向いている人を解説

事務職に転職-仕事内容や平均年収・給与、事務に向いている人を解説

数多くある職業の中でもっとも一般的なのは「事務職」でしょう。会社の裏方として支える重要な仕事です。今回は事務職に転職する人向けに、事務職の仕事内容、平均年収・給与、また現在働いている人から事務職に向いている人向いていない人について解説いたします。ぜひ転職活動の参考にしてください。

事務職とは

女性ならではの面接準備「事務職」とは、一般に課長以上の職務にある人の監督を受けて事務をおこなう仕事です。
ひとくちに「事務職」と言っても、その業務内容は多岐に渡っており、大きく分けると、庶務、企画、人事、秘書、コールセンターオペレーター、カウンター受付などの「一般事務職」、経理、現金出納、預貯金窓口など「会計事務職」、生産現場や出荷受荷での「生産関連事務職」「営業・販売事務職」、旅客・貨物係や運行管理などの「運輸・郵便事務職」、パソコン操作や電子機器オペレーターなどの「事務用機器操作職」などのほか、集金人や調査員などの「外勤事務」も事務職に含まれます。つまり世の中の企業が事業を営むにあたって必要不可欠な職業、企業のバックヤードで製造や営業、販売などを支える仕事なのです。

中分類 小分類
一般事務職 庶務事務、人事事務、企画事務、受付・案内、秘書、電話応接、医療・介護事務
会計事務職 現金出納事務、預・貯金窓口事務、経理事務、その他物品購入調達事などの会計事務
生産関連事務職 生産・工程管理事務や建設工事現場事務などの生産現場事務、クリーニング等受入や検収・検品係、保管・管理係などの出荷・受荷事務
営業・販売事務職 外注係、商品仕入係や宴会係事務、結婚式予約係・コーディネーター、信用調査事務、旅行会社カウンター、貿易事務、金融・保険事務、その他中古自動車査定員、店舗巡回指導など
運輸・郵便事務職 駅務員、航空券販売員、有料道路料金収受員などの空港旅客係旅客・貨物係事務、貨物や旅客自動車の運行管理事務、郵便局窓口係
事務用機器操作職 パソコンオペレーター、PCオペレーターなどの操作員、キーパンチャー、データエントリー係員、データ入力オペレーターなどのデータ入力係やコンピュータ操作員
外勤事務 集金人、訪問調査員、メーター検針員などの外勤事務

仕事内容も単なるデスクワークのみならず、他部署や外部取引先との応対役、パイプ役になっていることも多く、人から好かれやすい性格であることはもちろん、コミュニケーション能力、調整能力、正確な業務遂行能力などが求められます。

事務職で働く人-全職業の中でもっとも多い

「事務職」として働く人は、すべての職業の中でもっとも多く全国で約1,240万人以上、割合にして19.3%を占めています。世の中の職業の5人に1人が事務職になりますので、その多さが理解できると思います(平成24年就業構造基本調査)。ちなみに2番目は「専門的・技術的職」の約870万人、3番目が「生産工程職」の約780万人となっています。
また男女別では、やはり女性の方が多く約740万人、男性が約500万人となっています。女性が多いのは、比較的オフィス内での仕事であること、力仕事ではないこと、非正規雇用での募集が多いこと、なども影響していると思われます。
事務職で働く男女人数の割合

   男性 女性 合計
事務職で働く人 約500万人 約740万人 約1,240万人

事務職の平均年収・給与

それでは次に事務職の平均給与、平均年収をみてみましょう。
データは人事院「平成27年職種別民間給与実態調査」をもとに作成しました。比較したのは事務職の一般職員と主任職で男女計の平均です。これ以外に係長、課長などのケースも出ているのですが、転職する人の大半は20代30代なので、今回は2種類のみで掲載しています。

それによると事務職(一般職員)の平均月額給与・年収は、24~28歳で平均年収が3,678,284円、28~32歳で4,252,472円となっています。国税庁が出した全職種の平均給与・年収より若干高めになっていることもわかります。

ただこの調査結果は時間外手当、いわゆる残業代によって大きく左右されそうです。業種によってはほとんど残業の無い仕事もありますので、一概に事務職全員の平均と考えるのも早計でしょう。

結果を見ていて少しユニークに感じたのは、主任になると28~32歳の場合で、固定給が一般職より月に約13,000円アップするのですが、同時に残業も5,000円程度増えていることです。やはり役職が就くと、それなりに責任も重くなり、仕事量も増えることが読み取れます。
事務職(一般職員)の場合の平均月額給与・年収

事務職(一般職員)の場合の平均月額給与・年収

基本給 時間外手当 月の支給給与 平均年収
20~24歳 200,000 26,992 226,992 約312万円
24~28歳 230,062 38,118 268,180 約367万円
28~32歳 264,466 45,829 310,295 約425万円
32~36歳 282,328 45,813 328,141 約450万円
36~40歳 294,288 43,153 337,441 約463万円

事務職(主任職)の場合の平均月額給与・年収

基本給 時間外手当 月の支給給与 平均年収
20~24歳 230,585 42,536 273,121 約373万円
24~28歳 247,507 39,050 286,557 約393万円
28~32歳 277,801 50,635 328,436 約449万円
32~36歳 298,822 52,129 350,951 約480万円
36~40歳 313,482 52,387 365,869 約501万円

※データは人事院「平成27年職種別民間給与実態調査」をもとに作成
※平均年収は固定給×14ヶ月+時間外手当×12ヶ月で算出したものです

「業界別の平均年収」「年齢別・男女別の平均年収」も合わせて参考にして下さい。自分の立ち位置がおおよそ理解出来ると思います。

事務職に向いている人、向いてない人

「事務職」は、一見、デスクワークのルーティンばかりで単調に見えがちな仕事ですが、実はそうではありません。総務は会社のさまざまな業務を取り仕切るセクションとして、社内の他部署や外部取引先との折衝や調整をおこないますし、人事や会計もそれぞれ会社の根幹を支える仕事ばかりです。
ここでは実際に事務職で働いている人に「事務職に求められる資質、事務職向いている人、向いてないと思う人」を尋ねてみました。このページでは2件だけですが、こちらの「一般事務職に向いている人、向いていない人-性格、能力、適職性」ページでは多数の考えを載せていますので一緒にご覧下さい。

事務職に必要な能力は、
事務職周囲の状況に合わせて業務に優先順位をつけて処理をしたり、電話などを含む直接的な対応が出来ることです。こまごまとした雑多な仕事が多いので、ひとつひとつを確実にこなすスキルも必要です。
事務職は自分で確認しながら進めていく必要があるので、丁寧な性格の人が向いていると思われます。また、長く事務をやっていたという人はもちろん、他業種からの転職組であったとしても、丁寧な仕事が出来る人、几帳面な面をもつ人であれば可能な仕事だと思います。そして、事務職に一番大事なのは、周囲とのコミュニケーションを通して、スムーズに仕事を進められる能力だと考えます。

反対に向いてないと思うのは、雑な人、面倒くさがりの人、他の職員とコミュニケーションを取らない人は事務職には向かないと思います。自分の仕事を振り返らないような人も不向きです。男性と女性の差ですが、男性の方が比較的論理的に仕事を進められるのでデーター作成などの構築向きで、女性はコミュニケーション能力を活かした応対を中心とした作業に従事すれば良いような気がします。
年齢の差は一概には言えませんが、どうしても、年とともに物覚えは悪くなると思います。それを上回るやる気があれば、下手な若い職員よりもよほど有能な職員となり得ると思います。
(神奈川県 女性 35歳)

事務職で求められる資質は、
「丁寧で人当たりの良い人」
事務職社内スタッフだけでなく外部の人からの電話応対や来客対応もするので、会社・部署の窓口役として相手に不快感を与えないようにきちんと対応しなければいけないからです。
「責任感があり正確に物事を進める事が出来る人」
毎日・毎月のルーティン業務は慣れてくると怠慢になりやすいので与えられた仕事は確実にやり遂げる必要があるからです。
「人をサポートする事が好きな人」
営業部署や営業担当が少しでも良い成績を上げる為にサポートしなければいけません。自分が目立って仕事をするというよりは、人を陰で支える、縁の下の力持ちのような存在だからです。

反対に向いてないのは、
「敬語が使えない人」
電話応対や来客対応など外部の人と接する時に敬語が使えないと相手を不愉快にさせます。やはり若い年代は友達言葉や間違った敬語を使う人が多いです。
「強調性がなく自己中心的な人」
正確性やルールに忠実に従って業務を行うために周囲の人とのコミュニケーションは必要不可欠です。自分がこう判断した、自分さえよければいいと言うような事は許されないからです。しかし年齢の高い女性事務員は、上司よりも勤務年数が長かったり、上司の弱い点を知っている人もいました。自分が一番だと思ってるのか自己中心的な人が多かったです。
(福岡県 女性 32歳)

※このページでは2件だけですが、こちらの「一般事務職に向いている人、向いていない人-性格、能力、適職性」ページでは多数の考えを載せていますので一緒にご覧下さい。

最後に

数十年前と異なり、働く女性が増えて来た現在、特に事務職は就業者数からもわかるように、雇用の受け皿として重要な役割を果たしています。とはいっても、楽なデスク中心の仕事であるというのは妄想で、実際には企業の裏方を支える存在として、時には他部署の調整役を引き受けたり、外部取引先やお客さまののクレームの窓口となったり、開発部隊や営業部隊の仕事がスムーズにいくようにサポートする役目も求められます。
企業は家庭と同じように、全員が同じ事をやっていては成り立たず、お互いに得意な部分を後押ししてあげたり、不得手な部分を支援してあげたりすることで成り立っています。そのように考えると全国で約1,240万人以上が働く「事務職」は貴重な存在なのです。
転職にあたっては、エクセルやワードなどのパソコンのスキルを一通りこなせるのはもちろん、会計事務であれば簿記や税理士資格、総務系であれば社会保険労務士や衛生管理者など、自分の得意分野を突き詰めて勉強していくのもいいでしょう。きっと力強い武器になるはずです。

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