営業・販売事務職に向いている人、向いていない人-性格、能力、適職性など

営業・販売事務職に向いている人、向いていない人-性格、能力、適職性など

営業サポートや受発注管理などの「営業・販売事務職」はどのような人が向いているのでしょうか、またどのような人が向いていないと思われるのでしょうか。ここでは実際に「営業・販売事務職」として働いている人、働いていた人に必要な能力や性格、適職性など現場の生の考えを聞いてみました。「営業・販売事務職」へ転職を考えている人はぜひ参考にして、面接での質問回答の受け答えにお役立てください。

顧客と営業職を繋ぐ「営業・販売事務職」

営業・販売事務職「営業・販売事務職」は、「事務職」とはいっても、お客や取引先など外部との対応が多くなる仕事です。デパートや量販店などで外注、商品仕入をおこなう「仕入事務職」、カウンター業務や結婚式予約・相談などの「販売事務職」、営業アシスタントや受発注管理事務などの「営業事務職」、通関業務係や輸出入事務などの「貿易事務職」、金融や保険での「金融・保険事務職」、店舗巡回指導などの「その他営業・販売事務職」に分かれています。

この中では 「営業職・販売職」をバックアップしながら、お客や取引先との対応をおこなう「営業事務職」が比較的募集の多い職種です。日中は外出がちな営業職に代わって、見積書や請求書、提案書の作成、案件の進捗管理、各営業職の顧客との対応などをおこないます。一般的には一人の営業事務で複数の営業職をサポートすることが多いようです。

「営業・販売事務職」の分類

「営業・販売事務職」には下記の仕事があります。

小分類 職業
仕入事務職 デパートなどの外注、商品仕入の仕事など
販売事務職 旅行会社カウンターや結婚式予約・相談係、ブライダルコーディネーター、信用調査など
営業事務職 営業アシスタント、受発注管理事務、商社営業部員など
貿易事務職 通関業務係、輸出入事務員など
金融・保険事務職 損害サービス事務、保険金支払事務、郵便局保険窓口係、貸付調査、貸付融資など
その他の営業・販売事務職 中古自動車査定員、店舗巡回指導員、チェーン店スーパーバイザー、労働者派遣コーディネーターなど

ちなみに「事務職」は下記のように総務や庶務の「一般事務職」、経理や会計の「会計事務職」などいくつかの職種に分かれています。求職にあたっても、各事務職の内容を理解しておくことが必要です。

大分類 中分類
事務職
「事務職」全体の平均年収や給与、解説はこちら
一般事務職
会計事務職
生産関連事務職
営業・販売事務職
運輸・郵便事務職
事務用機器操作職
外勤事務

求人数の少ない「営業・販売事務職」

女性ならではの面接準備やはり「営業・販売事務職」も人気がある仕事です。求人数については最近の有効求人倍率だと約0.76倍。他の事務職ほどの過当な競争率ではありませんが、それでも1倍を切っており、10人の就職希望者に対して、7.6人分の求人数しかありません。決して転職の簡単な職業ではないことを理解しておきましょう。

この職種の特徴は、他の事務職と違って、営業職の事務的なサポートの側面とお客や取引先との折衝など接客的な面の両方があり、旅行会社やブライダルのカウンターなど無形サービスの接客の仕事なども「営業・販売事務職」に該当します。「その他のサービス職」との境界があいまいな部分もありますので、転職にあたっては実際にどのような業務をおこなうのか確認した方がいいでしょう。特に対外的な仕事が苦手だから事務職を探している人は要注意です。
なお「事務職」全体の平均給与や年収、解説はこちらのページにまとめてありますのでご覧下さい。

「営業・販売事務職」に向いている人、向いてない人

「営業・販売事務職」はどのような人が向いているのでしょうか。どのような資質や性格、能力が求められるのでしょうか。またどのような人が向いていないのでしょうか。ここでは実際に事務職として働いている人、働いていた人に考えを聞いてみました。現場の生の声をぜひご覧下さい。
各事務職の職種と仕事内容はこちらをご覧下さい。

営業マンの代わりに臨機応変に対応

●営業事務職に向いている人は
事務職営業事務の仕事は、基本的に営業マンのサポート業務がメインになります。毎日外回りをしている営業マンに代わり、事務所に残って仕事をこなしていかなければなりません。簡単な帳簿付けはもちろんですが、一番大切なのは事務であれど接客なのです。営業マンの代わりに電話の取次ぎ、お客や取引先への対応などが、臨機応変に出来なければなりません。事務とは言っても、その事務員の接客一つで今後の売り上げを左右することもあるのです。
これは働いていくうちに少しずつ慣れていくこともできますが、働く前に出来ることは言葉遣いの見直しです。営業マンの顔に泥を塗ることのないよう、しっかりとした言葉遣いを身に着けておいた方が良いでしょう。秘書検定2級以上を持っていると尚良いと思います。

●営業事務職に向いていないと思う人は
人と接することが苦手という人はまず向いていないと思いますが、それ以上に大切なのが人間関係の構築です。営業事務というのは現場が特殊で、大体が男性の営業マンのサポートになります。ですので、その事務所には女性事務員が一人、という事も珍しくありません。この状況に慣れてしまえばとても良い環境なのですが、女性ならではの相談ができる相手がいないというのは辛いという人もいると思います。女性が多い職場で仲良くまったり仕事をしたいという方は向いていません。男性は仕事に厳しい人が多く、それなりの覚悟がなければ務まらない仕事だと思います。
それから、営業マンの代わりにハガキや手紙を代筆することがあります。その際には字が汚いと良い印象を持たれません。字の汚い人は残念という感じです。
(女性 29歳 長野県)

掘り下げタイプのアカデミックな探究心を持っている人

●金融・保険事務職に向いている人
損害保険業の営業サポート系の事務職(火災新種保険部)にて就業しています。営業現場が幅広い保険知識を必要とされるのに対し、自動車や傷害・火災新種など保険分野ごとに分かれてチームを組む事務職は、その分野に対する深い知識が要求されます。営業サイドでこれは複雑だという案件や、また、他分野の保険との包括契約などの特殊な案件に対し、照会を受け、策を練って回答します。ですので保険知識と業界情勢、法的根拠などへの理解が、当然ながら営業現場以上になくてはなりませんので、掘り下げタイプのアカデミックな探究心を持っている人が向いています。

●反対に金融・保険事務職に向いていないと思う人
上記の様な性質のため、座学が向いている印象の人間が向いていると思われがちですが、営業感覚も必要です。結局のところ、知識や契約につながる策を豊富に持ちながら、営業サイドの事情も理解できる人間に仕事は集約されていきます。 それは営業担当者からの指名の数に如実に現れるのです。従って、年齢の差というか、営業経験の有無で差が出てくることが多いです(提案の質、方法、スピード感、顧客自身も気付いていないニーズへの敏感さなど、また時にはこの契約は結んではいけないと気付く力も必要)。営業担当者や顧客の事情に寄り添おうとする気持ちが持てない(表現できない)人は向かないと言えると思います。また、顧客が社内の営業担当者、他企業の保険担当者となり男性率が高くはあるのですが、良くも悪くも営業ほどは露骨な性差を感じることはありません。
(女性 42歳 千葉県)

他の人が成果を上げることに喜びを感じるような人

●営業・販売事務職に向いている人は
営業事務営業事務ではExcelやPowerPointなどのOA事務のスキルは必須です。特にExcelでの売上や利益集計に必要な関数やピボットテーブルなどは使いこなせないと業務スピードに関わりますので必ず身につけておきたいスキルです。(この程度は解説本を買ってきて練習すればすぐにできます)
また、お客様と直接お話ししたり、電話対応したりなどの機会も多いので、接客スキルと電話応対スキルは必要です。お客様への対応がその後の受注に関わることもありますので、きちんとしたビジネス応対ができることは最低条件となります。
裏方に回ることの多い職種ですので、人のサポートが得意、自分の仕事で他の人が成果を上げることに喜びを感じるような人が向いていると思います。

●営業・販売事務職に向いていないと思う人は
営業事務では見積書や請求書といったお金に関わる数字を扱うことになりますので、ひとつひとつの業務を確実に慎重にこなすことができない人は向いていないと思います。
また、基本的にオフィスでの座り仕事がメインになる職種なので、それが苦になったり集中出来なかったりする人も向いていません。
営業事務では月末や年度末などの締日周辺や決算前など業務が立て込む時期があり、その時に自分の都合だけで動くような人や、周りの人の手助けか自然にできないようであれば向いていないと思います。
特にチームで働く仕事なので自分のペースだけで仕事がしたい、他の人の業務の進捗は気にならないというような方は営業事務はやめておいた方がいいと思います。
(女性 37歳 神奈川県)

営業の人達とのコミュニケーションも事務職の仕事

●営業・販売事務職に向いている人は
営業事務営業事務職の人は、直接営業に行ったり販売の現場に立つわけではないですが、そういう現場をちゃんと把握していることが、この仕事の大事なところです。
営業や販売の現場の人達とのコミュニケーションも事務職の仕事です。現場の人達とのやりとりがデスクワークでも必要です。
パソコンを扱うといっても専門の技術が必要なことはそれほど多くないので、パソコンの技術に優れていることよりも、現場のことを理解することのほうがこの仕事にとって重要です。パソコンに集中するだけでなく周りに気を配れる人が向いています。現場の人達とやりとりができないと、正確なデスクワークはできないのです。

●営業・販売事務職に向いていないと思う人は
事務職はひとつの仕事に集中してしまう人、パソコンの作業だけが良いという人には向いていません。もちろんPCでの事務作業も大事なのですが、この仕事はどちらかといえば、周りの人達の様子を見ながら、気配りをして、会話がしっかりできる人の方が向いています。現場で仕事をしている人と密な連携を作れる人です。
あとは、細かい入力ミスが多い人とか、やり直しを面倒くさがる人も不向きだなと思います。
(女性 41歳 千葉県)

豊富な知識でメリットやデメリットを伝えること

●店舗での販売事務職に向いている人は
カーテンやじゅうたんなどの装飾品の販売事務経験です。ただの販売ではなく、テーブルでお互い顔を合わせ、図面を見ながら、新築のお客様に商品の説明をして納得して商品を選んでもらうので、豊富な商品の知識を持ち、メリットやデメリットを伝えることが重要だと思います。
そのため、カラーコーディネーターやインテリアコーディネーターなどの資格を持っていると強みになると思います。あとは、どんな職種にもいえるかもしれませんが、笑顔で仲間やお客様と親しくコミニュケーションをとれることが大事です。信頼があって購入にもつなげていけると思うので、人間的なスキルも必要だと思います。

●店舗での販売事務職に向いていないと思う人は
何事も努力を嫌がる、避ける人は向いていないと思います。販売事務は、絶えず新しい情報を入手して、更新していく必要があります。不勉強な人、前向きでない人は、お客様に見透かされ飽きられ、他の会社に行かれてしまいます。
販売事務は、物を売ってお客様の情報を管理し、最後までアフターフォローもする点で、フローを把握する能力も必要です。お客様の情報資料をずさんに扱うのはもっての外、ペンで紙に字を書くのが下手な人でも、丁寧に書かない人、自分の引き出しの中もごちゃごちゃで整理できない人は片付けた方がいいと思います。
(女性 36歳 静岡県)

言われたワクの中でしか仕事が出来ない人には難しい

●営業サポート事務職に向いている人は
営業事務は、事務職ではありますが、外にいる営業さんのサポート業務です。どんなことに臨機応変に対応できるスキルは必須だと思います。
言われたワクの中でしか仕事が出来ない人、電話応対に苦手な人にも難しいと思います。営業さんは短気な人も多いので、怒られても耐えられるメンタルが必要だと思います。自ら考え、動くことができる人が向いていると思います。
あと、社内で好かれることも必要です。社内で好かれていると、お互いに助け合う雰囲気ができたり、応援してもらったり、仕事がやりやすくなります。人見知りタイプでもいいと思いますが、外のお客さんと話す機会がすごく多いので、きちんとあいさつの出来る人、礼儀やマナーのある人がいいと思います。
(女性 30歳 千葉県)

前向きなオーラがある人

●カウンターなどの販売事務職に向いている人は
営業事務カウンターなどの販売事務職について。きちんと商品説明や購入した際のメリットを説明できることは当然ですが、その人独特のオーラが「本当に明るい」「この人なら相談してもいいかも」という前向きなオーラがある人が向いています。
また、現場の営業担当者を褒めて前向きな気持ちにさせたり、注意・指導がしっかりできる能力も大事です。
PC入力の作業などミスが少なくて、数量や進捗具合の細かなチェックできる「几帳面さ」を持った人、また反対にある程度の「適当さ」もあったほうがいいかもしれません。作業の行程管理や進捗状況の管理などで、まじめすぎると精神的にキツくなっていくことも多いのです。
(男性 40歳 山口県)

最後に編集部から転職にあたって

「事務職」の仕事は特に女性にとても人気のある職業です。仕事の需要と供給の度合いを表す有効求人倍率でも約0.3倍~約0.6倍と、求職者一人に対して求人募集は一件未満、3人~2人に一人くらいの倍率になっています。
そのような厳しい状況の中で、どうやって採用面接を乗り越えて、入社まで持っていくか?を真剣に考える必要があります。
「営業・販売事務職」には、会計事務のように簿記の2級(1級ならベスト)などの差別化を図る資格が特にありません。
強いて言うなら売上や利益率集計用のエクセルやプレゼン用のパワーポイントの資格ですが、これも使いこなせるからといって面接ではさほどアピールになるとも思えません。(ほとんどの人がおおよそ操作できるからです)

むしろ「営業・販売事務職」では、販売事務にせよ営業事務、貿易事務にせよ、売上と利益などの事業用数値を直感的に捉えるセンス、またそれを踏まえた上で行動できる能力が大きくものをいいます。ただ漫然と数字を眺めるのではなく、今回の売上は大きい、仕入れ額が高い、利益率が低い、前年比より落ちているなどをすぐに理解した上で、先回りの行動ができるビジネス的センスです。さらには対顧客や対仕入れ先を味方に付ける(ファンになってもらう)応対力も身に付けていたいところです。営業職販売職の人間なら誰しも単に事務処理だけをおこなってくれる人よりも、自分のいない時に良い方向に話しを進めておいてくれる人の方が良いからです。

ただこれらのことは履歴書や職務経歴書上では推し量れるものではありません。やはり面接での受け答えが重要になってきます。言葉の端々(はしばし)に数値のセンスが伺える人だと、面接官としても採用しやすいはずです。
「営業・販売事務職」面接では必ず、自分の特徴や強みをしっかり説明できることはもちろんのこと、営業担当、販売担当、貿易担当の視点でどのような仕事ができるのかもしっかりとアピールしましょう。事前に準備をしておけばおくほど、他の志望者とはひと味違う点をわかってくれるはずです。

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