今回登場していただくのは、結婚を機に関西の実務翻訳者から南の島の広告代理店に転職をしたちょっと変わり種のR.Nさん(女性)。さて彼女の転職活動と転職後の仕事はどのようなものだったのでしょうか。可愛いお子さんの写真をお送りいただいたR.Nさんの転職体験談をご覧下さい。
「結婚で転居」は非の打ちどころのない転職理由!?
英語が好きな私は、海外滞在経験もあり、新大阪にある半導体設計の会社で実務翻訳と事務を兼ねたような仕事をしていました。転職の理由は…主人と出会ってしまったから…でしょうか。主人は沖縄出身で、出会った頃は大阪勤務でしたが、沖縄に帰りたいと言いだしたのです。見知らぬ土地に行くことは不安でしたが、「沖縄」には、何か私を惹き付ける、不思議な魅力がありました。(あ、主人にも。笑) 当然仕事は辞めねばなりませんでした。専業主婦に対し、憧れも少しありました。ただ、実をいうと結婚は転職のいい口実でもありました。実務翻訳の仕事は派遣社員勤務でしたので、やはり任される仕事に制限があり、正社員になりたいとずっと思っていました。年齢的にも34歳で、正社員として転職するにはこの辺がリミット…との焦りもありました。また、面接時には必ず退職理由を訊かれます。「結婚で引っ越しました」ですと、絶対的に丸く収まると思いました。
沖縄で転職活動-新卒時に憧れていた広告業界へ
転職活動は、引越し後、まずハローワークへ行きました。次に、enジャパン、indeed、リクルート系など、いくつかの転職サイトに登録しました。転職サイトのメールサービスは、希望条件を登録しておくと、志望に応じた会社をピックアップして送ってくれるので便利でした。紹介されるものや英語が活かせそうなものに、積極的に応募しました。ですが…結果は連戦連敗。「英語」にこだわり過ぎていたのかも知れないと、職種をもう少し広げてみました。自分を過去から見つめなおし、どんな能力があるか、何に興味があるかを書き出しました。すると、「イベントが好き」、「人と接するのが好き」という要素も見つかり、それまでは除外していた「営業」の職種にも応募してみました。
それが良かったと思います。「営業」も「広告業界」も全く未経験でしたが、「染まっていない人が欲しかった」と採用していただけました。しかも広告業界は、新卒時に憧れたものの、就職が叶わなかった業界でした。紆余曲折のすえ、一番希望通りの業界に入れたのです。
広告代理店の正社員に転職してみて
沖縄の広告代理店で正社員になってみて、派遣の仕事にもいい面があったと思いました。責任が少ない分、時間通りに帰れますし、残業代もきっちりつきます。正社員はサービス残業が多く、責任も重くのしかかります。でも、仕事のおもしろさは、全く違いました。広告代理店の仕事のおかげで世界が広がり、沖縄のことも深く知ることができました。
全く英語は必要がないと思って入社したのですが、英語でのプレゼンを任されたときもありました。イベントを実施するにも企画書を書くにも、情報収集にプラスして「過去の経験」からアイディアを引っ張ってくるので、人生に無駄な経験なんて、ひとつもないのだと思いました。
未経験ということは、新しい視点で業界を見ることができるということだと思います。いろいろと勉強しないといけないこともありますし、失敗もしてしまいますが、好奇心と向上心を忘れずに頑張ったせいか、周りは意外と温かく見守ってくれました。
転職希望者へのアドバイス
転職希望者へのアドバイスポイントとしては、「今の自分を卑下しない」ということでしょうか。
年齢は若いほど、経験はあるほど、有利だとは思います。でも、それが全てでもありません。私のように「未経験」が有利に働くことにありますし。それよりも、真摯に仕事に向き合う姿勢があるかどうかや、上司や先輩の話を素直にきいて行動できるかなどを見られていると思います。就職は、縁によるところが大きいです。「縁」と言っても「運任せ」という意味ではなく、良縁をつかむために自分を磨いておくことが大切です。転職は、自分の能力の棚おろしをできるいい機会です。自分の良い面もダメな面も認識して、「貴社に貢献できるのはこんな部分です」と、照れずに言えたら合格だと思います。必ず、あなたに似合う場所に、縁がつながっていくと思います。実際、数々の不採用だった会社より、唯一合格した会社が一番、私に合っていたと思います。
いつでも「今」が自分のベストな時 (年齢的にもっとも若く、経験値がマックスの状態) です。そのままで素晴らしいのだと自信を持ちたいものです。(自分にも言い聞かせています)
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