「商社ウーマン転職奮闘物語」は、食品専門商社の営業職に転職した20代の女性が取引先や上司、同僚に揉まれながら、一人前の商社ウーマンへと成長していく物語(全17話)です。
記念すべき第1話の今回は「晴れて食品専門商社の営業レディーに転職!新しい業界でのお仕事がスタート!」。転職活動から面接を経て、未経験の業界に飛び込むまでが描かれます。それではどうぞ!
食品を通して人の役に立てるような仕事がしたい
昔から食べることが大好きで、料理や食べ歩きが趣味だった私。「食品を通して人の役に立てるような仕事がしたい」そう思い、25歳の時に食品専門商社の営業職に中途採用枠で応募しました。俗にいう“商社マン(私の場合ウーマンですが)”になろうと転職活動を始めたのです。
商社と言ったら“華やかで派手な業界”、“給料は良いけど飲み会が多くて激務”、“遊び人が多い”なんてイメージが強く持たれているかと思います。世間では華やかな印象を持たれている商社という業界。私からはそんな“商社マン(ウーマン)”と呼ばれる人達が、日頃どんな風にお仕事をしているのか。華やかなイメージを持たれている商社というお仕事が、本当に華やかなお仕事なのか。社会の厳しさを殆ど知らない私のような若手社員が中途で入社をすると、会社からはどう扱われるものなのか等、様々な角度でお話して行きたいと思います。
まずは私が商社の世界に足を踏み入れるまでのお話を簡単にしたいと思います。(注:詳しい転職活動の様子はこちら)前職では栄養調理製菓の専門学校職員として学生募集の仕事をしていた私。学生募集と言うとピンと来ないかもしれませんが、要は営業のお仕事と同じ意味合いになります。また、私の場合調理師免許を持っていることもあり、学生募集の他に人手が足りない時は授業の講師もやっていました。前職とは業界が違うとは言え料理の世界にはいましたし、営業と言えるような仕事も一応やってはいたので、「もしかしたら採用して貰えるかもしれない!」、そんな淡い期待を抱いて商社ウーマンになるべく試験に臨みました。
中途採用試験は200倍の高倍率
入社までの道のりは説明会+面接試験2回、筆記試験1回と極々普通の採用試験でした。どうやら200名近い応募者がいて、その内の1人しか採用しない予定でいると説明会の時に聞かされました。1/200名に入るための戦いだったこともあり、最終試験終了後から3週間程は何の連絡も来ませんでした。やっと連絡が来たと思ったら、「他者も含めて慎重に検討をしております。今しばらくお待ち下さい」、とだけ書かれていました。この連絡を見て初めて自分が補欠採用者であることを悟ったのです。
実は私25歳にして今回の転職が2回目だったのです・・・。恐らく年齢の割に転職回数も多く、前職も営業をやっていたとは言え業界が違ったため、色々な意味で本採用候補者ではなく補欠採用候補者だったのかもしれません。採用試験から約1ヶ月経った頃、ようやく合格の連絡を貰えました。ほぼ諦めモードに入っていたため、採用の連絡が来た時は本当に嬉しかったです!
商社の仕事はどちらかというと地味で泥臭いよ
早速正式採用者として入社前の説明会に呼ばれました。とにかく商社の営業レディーになれたことが嬉しくて、私は終始ニコニコしながら入社後の流れについての説明を聞いていました。そんな私の様子を見た説明会の担当者が、私に向かってこう言いました。
「君は商社という仕事に対してどういうイメージを持っているのかな?もしかすると君はとても華やかなイメージを持っているのかもしれないが、商社の仕事はどちらかというと地味で泥臭いよ。」
「メーカー営業のように自社の製品を売ることだけに専念出来ないのが商社の営業なんだ。メーカーと商社の違いは勿論分かっているよね?商社の営業ウーマンとして働くことの意味を、実際に仕事を通して君には理解して行って欲しい。」
「今の君は商社で働くということを甘く見ている気がするから、上司になる人達の話しを良く聞いて成長して行くように。」
何故このような話しを突然されたのか、この時は良く分かりませんでした。言われた内容を理解出来たのは、実際に働き始めて2年位経った頃だったと思います。
こうして晴れて“商社ウーマン”になれたのですが、後に補欠合格者であったことを痛感する出来事が沢山起こるとは、この時の私は思ってもいませんでした・・・。華やかなイメージのある商社ウーマンになれたことで、とにかく有頂天になっていた私。まさかここに来て転職を繰り返していたツケが回って来るなんて。どれだけ商社で働くということを甘く見ていたかなんて、少しも分かっていなかったのです・・・。
次回は「<第2話> 同期入社がいなかった私。中途採用者が1人だけという孤独 」に続きます。