高度の専門的水準で日本の製造業を支える「技術職(開発・製造)」はどのような人が向いているのでしょうか、またどのような人が向いていないと思われるのでしょうか。ここでは実際に「技術職」として働いている人、働いていた人に必要な能力や性格、適職性など現場の生の考えを聞いてみました。いずれもなるほど確かにその通りと思うような意見ばかりです。「技術職(開発・製造)」へ転職を考えている人はぜひ参考にして、面接での質問回答の受け答えにお役立てください。
日本の製造業の根幹を支える「技術職(開発・製造)」
高度の専門的水準にて科学的知識を応用した技術的な仕事に従事する「技術職」には、日本全体では約278万人が従事していると言われています。
職業分類においては、大分類「専門的職・技術的職」に属し、その中でも、ものづくり日本の根幹を支える「開発技術者」と「製造技術者」は、食品や電気・電子・電気通信、機械、自動車、輸送用機器、金属製錬・材料、化学品、窯業など製造業のほぼ全ての分野において、原料・材料の加工や開発や設計から、生産管理や品質管理などを行っています。
日本の製造業は中国や韓国ほか新興国との競争でシェアを落としている産業もあるものの、自動車や精密機械、輸送用機器のように品質の高さで世界トップレベルのメーカーも数多くあります。
「技術職(開発・製造)」に向いている人、向いてない人
これら「技術職(開発・製造)」はどのような人が向いているのでしょうか。どのような資質や性格、能力が求められるのでしょうか。またどのような人が向いていないのでしょうか。
ここでは実際に技術職(開発・製造)として働いている人、働いていた人に考えを聞いてみました。現場の生の声をぜひご覧下さい。
●技術職(開発・製造)に向いている人は
金属部品の製造に関わる仕事をしており、主に金型設計を担当しています。ものづくりは常に安くつくることと、高品質を求められます。また、短納期で行う必要もあるので、スピーディな作業をしつつ、品質を下げない必要もあります。技術職は常に高い技術を求められ、同じ事をしていたのでは他社に遅れをとってしまい仕事も減少してしまいます。技術職に必要な能力は、常に向上心を持つことで、新たな技術を学んでいこうという姿勢が必要です。自分のやった仕事に対して責任を持つことも必要です。自己啓発をしていける人や人の意見を聞いて知識を学んでいける資質の人が向いています。
●技術職(開発・製造)に向いていない人は
技術職に向いていない人は、自分のやった仕事に対してチェックをしない人や、結果を確認しない人です。技術職は常に技術を高めていく必要があり、結果を確認しない人はさらに成長していくことができないです。結果を確認して反省をし、足りないことを学んだり、新たな技術の確立をしていくことが大事です。だからずっと同じ事をしていこうとする人は成功しないです。
設計をするような業務は、男女の差や年齢の差はあまりありません。肉体労働は別ですが、設計のような頭を使った業務は性別や年齢は関係なく、いろんな事を学んでいこうとする姿勢が求められます。
(男性 38歳 長野県)
●技術職(開発・製造)で採用されるには
製造業の生産技術職についてです。主に機械関係の仕事が多いので、大学で機械を専攻している人が多く採用される傾向があり、最近は大学院を卒業している方が有利になっています。
転職されてくる人は製造業を経験していることが多いのですが、近年は海外生産にシフトしていることが多いため、英語はもちろん中国語、ベトナム語に精通している人が求められています。工場も国内だけでは無く海外にも展開しているので長期間の出張だけではなく、出向や転勤も覚悟しておく必要があります。
技術の進歩が激しいのでスペシャリストと違って、大勢のスタッフと協調して仕事をすることが多いのでコミュニケーションがある人がより望まれています。
●技術職(開発・製造)に求められるもの
技術職の中でも生産技術職は特に専門となる資格はありませんが、機械、電気、情報など一通り経験している人が重宝されます。大きな事業を経験している人よりも今までの仕事で困難なことに直面したときにいかに工夫して乗り越えてきたか、限られた予算、人数、納期の中で目標を達成してきたかをアピールできれば採用される確率が高くなります。
生産技術職は設計や営業と異なり縁の下の力持ち的仕事なのでコツコツと真面目に取り組む性格で、関連する部門との交渉も多いので粘り強く仕事を着実にこなす人が求められています。
(男性 58歳 神奈川県)
専門職・技術職の仕事内容や平均年収・給与
「専門職」「技術職」は弁護士や医師、研究者、開発技術者、看護師、デザイナーなど自分の技術と知識、そして資格を最大限生かすことのできる仕事で、景気に左右されにくく、生涯に渡って働くことができるのも魅力です。専門職・技術職に転職する人向けに、専門職・技術職の仕事内容、平均年収・給与、また現在働いている人から専門職・技術職に向いている人向いていない人について解説いたします。
●専門職・技術職の仕事内容や平均年収・給与
製造業の良い点・良くない点
●「製造業(自動車関連)」の良い点・良くない点
製造の中でも、自動車製造業界は、品質に非常にシビアで、1つの不具合を徹底的に追求します。勿論、安全性や快適性を求められる商品を扱っているので、当然なことと言えますが。寝る間も惜しむという程、短時間に原因究明・対策の実施を求められる為に、一度不具合を生じてしまうと、その対応で帰宅が深夜に至ることも日常茶飯事です。 「製造業(自動車関連)」の良い点・良くない点を見る
●「製造業(食料品)」の良い点・良くない点
食料品製造会社の工場に勤務しています。良い点としては、やはり安定していることだと思います。各社の競争は熾烈ですが、食品という人間が生活する上で絶対に必要なものを作っているので、業界が著しく縮小するという心配はありません。会社に何も問題がなければ、長く続けることのできるやりがいのある仕事だと思います。 「製造業(食料品)」の良い点・良くない点を見る
最後に編集部から
「技術職」は日本が世界に誇る仕事です。たとえば自動車では世界トップクラスのトヨタ自動車や本田技研工業などを筆頭に欧米メーカーと激しい競争を繰り広げています。また精密機器分野でも計測機器メーカー、光学機械メーカー、時計メーカーなどがグローバル企業製品に数多く採用されるなど、ものづくり日本の品質の高さを見せています。
製造業は雇用者数も多く、いずれも従業員が数千人から数万人の大企業であることから、転職でも検討する人が少なくありません。
「技術職」で働く人は300万人弱、製品製造・組立・検査などの「生産工程職」の約915万人を含めれば、約1,200万人と日本の人口の10分の1が携わっていることになります。
仕事内容は各産業ごと、各企業ごとに幅広く、多岐に渡るため、一概に言えるものではありませんが、自動車における電気自動車やAI人工知能、精密機器のロボットなど新しい産業も生まれており、採用状況は今後も好調に推移すると考えられます。