キャビンアテンダント転職物語〈第12話・最終回〉 国際線デビュー、そして最後に

キャビンアテンダント転職物語〈第12話・最終回〉 国際線デビュー、そして最後に

「キャビンアテンダント転職物語」は、航空会社の客室乗務員(CA)に転職した女性の笑いあり涙ありの物語です。驚きの採用決定からワクワクの初出社、地獄の訓練を経て、大空に飛び立ち、一人前のキャビンアテンダントに成長していくまでが描かれています。

前回の第11話では憧れの国際線へ!国際線乗務の訓練開始の様子が描かれました。
今回の第12話はいよいよ最終回。いよいよ憧れの国際線乗務の話です。それではどうぞ!

国際線乗務へ

いよいよ、国際線デビューです。採用通知をもらってから約2年。ずっとこの瞬間に憧れていました。『やっと海外に行ける~!』という気持ちで喜びでいっぱいでしたが、国際線は実にやることが多いのでちゃんと仕事をこなせるか、不安も半分。ついに同期と二人で国際線OJT生として乗り込みます。はじめての国際線のフライトはロサンゼルスでした。行きは約8時間の飛行時間。一番初めはエコノミークラスを担当します。
ここからは、よく質問される国際線の主な仕事内容についてご紹介します。

お食事のサービス

ベルトサインが消えたら、まずはお食事を温めます。飛行機にはスチームオーブンというオーブンがあり、温かいスチームをつかって機内食を温めます。飛行して少し経つと機内食のいい匂いがしませんか?あれは、オーブンで温めているときの匂いです。
通常、2種類のお食事のメニューを用意しているので、どちらが良いかお客様にお尋ねしてからお出ししますが、よく和食が人気で洋食だけが残ったり、ビーフが人気でチキンが残ったりするなんてことがあります。だいたい私たちはどちらのお食事が人気かを予測して、(その日の客況からだいたい把握することができます。だいたい年配の日本人が多い時は和食が人気。外国人が多い時はビーフが人気といった具合です。)人気がなさそうな方をいかにおいしく説明できるかを考えます。後からどちらかがなくなって、お断りをした際にクレームになることもありますので、できるだけチョイスは最後まで残しておくためです。クレームになった時は本当に大変なので、最初からその状況を作らないようにすることも大切なのです。

お食事の後ってCAは何しているの?

この仕事をしていてよく『食事を出した後、着陸までCAは何をしているの?』という質問をよくされます。確かに、お食事が終わっても長いフライトだと10時間以上まだ残っていますよね。しかし、私たちは着陸までたくさんやることがあります。
お食事が終わった後、休むことなく次は機内免税品の販売が始まります。実は機内販売、売り上げ目標金額が設定されています。なるべくいろんな方に買っていただけるように、美しく商品をディスプレイしてお客様に見せるのもパフォーマンスの一つ。実際に機内の免税品はとても安く手に入れることが出来ますのでオススメです。わたしたちCAも買うことがあるくらいお買い得なのです!ほとんどのCAは機内免税品の化粧品を使っています。
その後は交代でご飯を食べます。もちろん私たちも皆さんと同じ機内食を食べています。そして、交代で休憩を取ります。飛行時間12時間のフライトの場合は長くて2時間ほど休憩をとることができます。ですが、その日のフライトの状況や客況などによって休める時間も変わってきます。他の人が休憩中の間、次のお食事の準備をします。また、保税品の管理や処理、お客様の中に体調の悪い人がいないか、のどが渇いている人がいないか、機内を循環してお客様の状況を把握しています。そして、2食目を出した後、着陸前は機内販売の集計をしたり、入国書類を全員が持っているかチェック、航行中の間に散乱したお客様の荷物を収納したりして着陸に備えます。すると、あっという間に着陸。長いフライトもあっという間に終わるのです。

フライト後、海外でCAは何をしているの?

『CAはフライトの後、海外でも遊べるの?』これも実に多い質問です。
答えは、帰りのフライトに支障をきたさなければ遊べます!といったところでしょうか。ニューヨークやパリなど、長いフライトの場合はあちらで2泊します。ですので、1日時間があるのでゆっくり観光をすることが可能です。逆にバンコクなどの近距離は1泊なので、気合いで街に遊びに行くこともあります。時差がないので、体はそこまできつくありません。
ただ、中国や韓国などの近距離は日帰りの場合もありますし、泊まったとしてもそこまで滞在時間がありませんので、次の日のフライトに備えています。
一番やってはいけないのは、現地で遊びすぎてフライトに支障をきたすこと。あくまでも仕事ですので、観光客気分で遊びまわっているわけではありませんよ。
ですが、この瞬間が国際線のCAになってよかった!と心から思う瞬間でした。とても特殊な仕事ですが、なかなか味わえない経験をすることもできます。

最後に…

いかがでしたでしょうか。小さいころから憧れていたCAという仕事。
まさか自分がなれるとは思わなくて、内定をもらったあの日から引っ越しをしたり、つらい訓練を乗り越えたり…笑いあり涙ありの毎日で人生が180度変わりました。
この仕事に就いたことで、たくさんの国に行くことができ、様々な文化やお客様と触れ合うことで豊かな感性が身に付き、視野が広がったと思っています。
特殊な仕事で女ばかりの職場ですが、とっても楽しい仕事です!また転職組が多いのもこの職業の特徴です!(会社によって違いますが、私の会社はなんと約半数は転職組でした!)
転職を考えている人、CAという職業も是非検討してみてはいかがでしょうか。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

キャビンアテンダント転職物語(全12話)
第1話 航空会社から合格通知が届いた! 第2話 憧れの制服採寸とついに入社式
第3話 とっても厳しい訓練がスタート! 第4話 教官が恐い!毎日テストで睡眠不足
第5話 怒涛の実践的サービス訓練編 第6話 毎日が叫びまくりの救難訓練
第7話 安全訓練の実践トレーニング開始! 第8話 涙の訓練所卒業!ついに制服授与
第9話 実機訓練で最初は小松空港へ 第10話 独り立ち!新人専門部署へ配属
第11話 憧れの国際線乗務開始! 第12話 国際線デビュー、そして最後に

転職体験談(成功・失敗)

  1. 食品専門商社へ転職
  2. [転職体験談] クレジットカード会社に転職したY.Sさん(男性)のケース (内定辞退の話も)
  3. [転職体験談] 美容卸業界から飲料卸会社に転職を決めた愛知県のS.Nさん(男性)
  4. [転職体験談] 実務翻訳者から南の島で念願の広告代理店に転職(沖縄県R.Nさん女性)