前回の「転職先を考える上でどのような職場を選べば良いのか」でも解説いたしましたが、看護師のみなさんは転職についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。どちらかというと転職については後ろ向きなイメージをお持ちの方もいるかもしれません。でも転職には多くのメリットもあります。前の職場よりももっとやりがいのある仕事に就けたり、給与や休日などの条件がアップしたり、また経験を生かしてより高度な内容の仕事を任せられるようになったり、キャリアアップしている人も多数います。
今回は、転職をするにあたってのメリットを4つご説明いたします。

転職のメリット1 ～新たな場所で新たな出会い

転職は、新たなスタートを切るためには絶好のチャンスです。新しい場所で新しい出会いが待っています。前の職場で人間関係で悩んでいたり、何か嫌なことを引きずっていたりしても、全てがリセットされるため、新しい道を歩み出すことができます。人生において人との出会いはとても大切なものです。前職においても嫌な辞め方をしなければ、人との付き合いは続いていくはずです。一つの職場にずっといる人には経験できない充実した人間関係を築くことができます。

転職のメリット2 ～給与や休みが増える

もしも日勤だけの職場で働いていて、夜勤のある職場に転職した場合、給与の中に夜勤手当が組み込まれることになります。
日本看護協会の「病院における看護職員需給状況調査（2010年）」によると、準夜勤手当（3交代制）は平均4,077円、深夜勤手当（3交代制）は平均5,033円、2交代制夜勤手当は平均10,745円がもらえるため、日勤だけの勤務よりも給与は確実に増えます。
また、2交代制勤務では、夜勤明けの日はほぼ1日自分の時間となるため、夜勤での拘束時間は長いものの、考え方によっては夜勤明けとその翌日の休みで遠出をしたり、自分の時間を有効に使うことができます。
看護師は、ストレスが溜まりがちな仕事です。ストレスを溜めすぎないためにも、休みが増えることは、とても有意義なことです。

転職のメリット3 ～前職の経験を糧にして新たな技術習得ができる

仕事をするということは経験を積むということです。
転職をするということは、その人がこれまで経験してきたものを糧にして、新しい職場で働くことができるはずです。
また、病院によって使っている器具や処置の仕方が違ったり、科が違えば患者の持つ疾患も大きく変わってきたりするので、新しい知識や技術獲得をすることができる良い機会になるでしょう。このように、以前の経験を活かしつつも新しい部署での経験を積むことでオールマイティーな看護師を目指すことができます。

転職のメリット4 ～キャリアアップが図れる

例えば、自分の興味のある分野があるとしたら、その分野で有名な病院や、その分野に特化している病院に転職した場合、その分野の最先端を学ぶことができます。
また、中途入職者用の教育カリキュラムを設けていたり、研修に力を入れていたりする病院も多くあります。今後もしっかりと学びたいと思っている人は、このような教育体制の充実している病院で働くことで、いっそうの自己研鑽の機会に恵まれるはずです。
また最近では、認定看護師や専門看護師といった看護師のキャリアアップに対し、費用の面で補助をしたり、それに伴う休職を研修扱いにし、給与を一定額保障するという病院も多くなってきました。
もしあなたが看護師を長く続ける仕事と考えているのであれば、現在の職場で経験を積むのも良いのですが、その分野での最先端技術が学べる病院やキャリアアップを支援してくれる病院に、転職するのがおすすめです。

最後に

看護師の転職におけるメリットはいろいろありますが、今回は代表的なものを4つ挙げてみました。
転職というと、職場が合わなかった時、人間関係で悩んでしまった時など、後ろ向きなイメージもありますが、世の中には新しい人生のスタートを目的にする人も数多くいます。
もしあなたが動きやすい若年層で、かつ現在の仕事内容や職場環境に悩んでいるのであれば、あれこれ考えずに、行動をしてみることをおすすめいたします。たとえば上長や同僚に相談や提案をして改善を試みたり、違う職場で働いている看護師学校時代の友達に相談したり、スキルアップのための資格取得にチャレンジしたり、出来ることは多数あります。
それでもうまくいかない時には転職という選択肢も考えるべきです。現在の看護師は人手不足の状態なので、すぐに新しい職場も見つかるはずです。
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