診療放射線技師に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説

診療放射線技師に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説

レントゲン技師、放射線技師など「診療放射線技師」は、医療現場において自分の技術と知識、そして資格を最大限生かすことのできる仕事です。今回は「診療放射線技師」に転職する人向けに、「診療放射線技師」の仕事内容、平均年収・給与、また現在働いている人から「診療放射線技師」に向いている人向いていない人について解説いたします。ぜひ転職活動の参考にしてください。

「診療放射線技師」とは

診療放射線技師「診療放射線技師」は、診療エックス線技師、レントゲン技師、放射線技師など、医療現場で医師の指示に基づき、エックス線のほか、様々な放射線を利用する撮影や治療に携わる仕事です。放射線撮影による体内診断、治療は現代の医療には欠かせないもので、医師や看護師、その他医療技術者と連携を取りながら、チームとして患者の治療に当たります。
ハローワークなどでの職業分類は、高度な技術、専門的な技術を要する「専門的・技術的職業」の中の、中分類「医療技術職」に属しています。
診療放射線技師になるためには、大学・短大・専門学校で放射線の課程を修了して国家資格である「診療放射線技師試験」に合格し、免許を取得する必要があります。

「診療放射線技師」で働く人

診療放射線技師「診療放射線技師」を仕事としている人はどれくらいいるのでしょうか。
「平成27年国勢調査」(総務省)によると、「診療放射線技師」に従事している人は全国で約4.8万人、そのうち正規雇用は約4.2万人、パートアルバイトなどの非正規雇用が約6,000人です。大半が正規社員、職員であることがわかります。
男女の割合では男性が約3.8万人、女性が約1万人となっており、看護師など他の医療技術職と異なり、8割近くを男性が占めています。
 

全就業者数 性別 人数

診療放射線技師全体で 4.8万人

女性 約1万人
男性 約3.8万人

診療放射線技師の男女の割合
診療放射線技師の男女の割合では男性が約3.8万人、女性が約1万人となっており、看護師など他の医療技術職と異なり、8割近くを男性が占めています。

「診療放射線技師」として働くには

診療放射線技師として働くには、大学・短大・専門学校で放射線の課程を修了して診療放射線技師試験に合格し、免許を取得する必要があります。診療放射線技師国家試験は毎年3月におこなわれており、平成28年の場合だと、受験者数約3,000人に対して、合格者が約2,370人、合格率は78.8%となっています。

「診療放射線技師」の大半は病院や診療所で働いており、専任の技師を必要とする比較的規模の大きい病院が多いようです。そのほかは保健所、企業の医務室、集団検診業で働く人も1割ほどいます。

「診療放射線技師」の平均年収・給与

それでは次に「診療放射線技師」の平均給与、平均年収をみてみましょう。
「平成24年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)をもとにみると、男性が42.1歳で38.3万円、女性が34.2歳で32.4万円となっています。他の医療技術職と比べても給与は高いのが特徴です。

診療放射線技師の平均年収・給与
性別 年齢 月額賃金(手当含む) 年間賞与、その他特別給与額
男性 42.1 38.3万円 93.1万円
女性 34.2 32.4万円 86.7万円

※データは「平成24年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)をもとに作成
※企業規模計(10人以上)

「業界別の平均年収」「年齢別・男女別の平均年収」も合わせて参考にして下さい。自分の立ち位置がおおよそ理解出来ると思います。

「診療放射線技師」に向いている人、向いてない人

では「診療放射線技師」はどのような人が向いているのでしょうか。実際に「診療放射線技師」で働いている人に「求められる資質、向いている人、向いてないと思う人」を尋ねてみました。転職に当たっての参考にしていただければと思います。

「診療放射線技師」に向いている人
「診療放射線技師」細かな画像を繰り返し確認することになるため、地味で緻密な作業がイヤではない方が向いていると思います。
また、胃透視(U-GI)検査などは、すぐにバリウムが十二指腸に流れて行ってしまうため、目が良く、注意力をキープすることも重要だと思います。
尚、これは学生時代についての話ですが、電気工学実験では電気回路を組んだり、3相交流について勉強する必要があります。3〜4年生では臨床実習も多く、物理学から生物学、関係法規、解剖学など、多岐に渡り学習する必要もあるため、幅広く学習することが得意な人は向いていると思います。
現場に出たら夜勤もあります。夜勤業務が苦にならない人がいいでしょう。

反対に向いていない人は
物理学、化学、生物学、数学などの理系科目が嫌いな人。普段の生活の中で、ちょっとした違いに気がつく事が出来ない人は向いていないと思います。
(理由)臨床現場ではCT撮影時など稀に、造影剤のアナフィラキシーショックも起きます。撮影室からガントリーを見てて患者様の咳や異変に気づけないようであれば、場合によっては死亡する事もあります。造影剤の注入量や電圧も、医師ではなく(技師が)自分で計算して決めるので、簡単な計算が苦手な人は、厳しいと思います。
医師も隣に居る事が多いですが、夜勤中は当然1人で業務する事が多いため、自分に厳しく無い方は、向いていないと思います。
また新人時代は、技術も無いため、安い給与となります。慣れてきて技術も伴う30代後半までは、経済的に厳しく、毎日夜中まで勉強することになるため、忍耐力が無い人も向いていないと思います。
(男性 39歳 海外 診療放射線技師)

「診療放射線技師」に向いている人
「診療放射線技師」医療の仕事はチームワークなので、周りと協力したり周囲に気を配る力が必要です。毎日、人と機械を相手にするので、機械を扱うのが好きな人、人と接する仕事が好きな人が向いていると思います。
ちなみに、私は機械が苦手ですが、毎日仕事をしているうちに得意になったので、多少の慣れはあると思います。診療放射線技師は老若男女とも個性的な性格の人が多く、女性は性格がサバサバして男っぽい人が多いように思えます。男女の比率としては年配者はほとんど男性のためか、女性の技師は患者からも必要とされ、技師の間でも可愛がられる傾向にあります。

反対に向いていない人は
すべての検査は病気に関わる事なので、まず医療に興味がないと診療放射線技師を続けるのはかなり難しいと思います。診療放射線技師が扱える検査はたくさんありますが、どれも技術職なので、常に向上心があり技術を磨こうという意識がないと、周囲から置いて行かれると思います。
ただ数をこなすだけの適当な気持ちで仕事をしたり、技師同士や他の職種間の輪を乱すような行動をする人は不向きです。なぜなら、患者にとっては命に関わる検査の場合もあるからです。医療もサービス業となってきていますので、接客が苦手な人、気が短い人はクレームなどに対処しなければいけない場合もあるので向いていないと思う。
(女性 36歳 福島県 医療)

医療技術職と医業関連職の分類

「医療技術職」は、医師、歯科医師、獣医師のほかにも、多くの職業があります。人の生命に直接関わる医療の仕事は、高度な技術と専門性が求められるため、そのほとんどは国家資格が必要となります。

中分類 小分類
医療技術職 診療放射線技師
臨床工学技士
臨床検査技師
理学療法士
作業療法士
視能訓練士、言語聴覚士
歯科衛生士
歯科技工士
中分類 小分類
医師、歯科医師、獣医師、薬剤師 医師
歯科医師
獣医師
薬剤師
保健師、助産師、看護師 看護師、准看護師
保健師
助産師
保健医療職 栄養士、管理栄養士
あん摩指圧師、はり・きゅう師
柔道整復師
その他の保健医療職

「診療放射線技師」に転職を考えている人へ

転職アドバイス「医療技術職」全体の有効求人倍率は約3倍と売り手市場(求職者有利)なのですが、「診療放射線技師」への転職は比較的ハードルが高くなっています。そもそも放射線技師自体の就業者数が全国で5万人弱と少ないこと、専任の技師を配置しているのは病院や診療所の中でも比較的規模の大きいところに限られることなどが主な理由です。
「診療放射線技師」のニーズとしては、「医療以外の分野でも放射線の利用が拡大することが予想されるので、専門教育を受けている診療放射線技師の需要は伸びると思われる」(厚労省ハローワーク)とあるように、高齢化社会を迎え、今後更に伸びていくと言われています。
転職にあたっては医療系転職サイトや各国立大学や大手病院などの公式ホームページをも随時チェックするほか、日本放射線技師会、各都道府県放射線技師会でも紹介をしてくれることがあります。

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