建設職に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説

建設職に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説

道路やトンネルなどの公共工事から高層ビル、マンション、戸建て住宅まで私たちの社会を支える「建設・採掘職」 現在では全国で300万人弱の人が働いています。今回は「建設職」に転職を考えている人向けに、仕事内容、平均年収・給与、この仕事に向いている人、向いていない人について解説いたします。ぜひ転職活動の参考にしてください。

「建設・採掘職」とは

「建設・採掘職」「建設・採掘職」とは、建設の仕事、電気工事に関わる作業を行う仕事、ダム・トンネルの掘削などの仕事、鉱物の探査・試掘・採掘・採取・選鉱の仕事で働く人をいいます。
総務省「日本標準職業分類」によると、とび職、鉄筋作業などの「建設躯体工事職」、大工、石工・タイル張従事者、左官、畳職、配管などの「建設職」、送電線、気通信設備、配電線などの「電気工事職」、土木や鉄道線路工事などの「土木作業職」、採鉱員や石切、砂利の「採掘職」の5種類に分かれています。
なお上記の「建設・採掘職」とは現場中心の仕事であり、建築設計や測量、現場監督などは「技術職」、販売を担当する「営業職」、「事務職」に分けられます。全体を合わせて「建設業」となります。

「建設業」は、1件あたりの事業規模が大きいため、建設工事をおこなう「総合工事業」、主に下請として工事現場にて一部工事を請け負う「職別工事業」、そして電気工事業、管工事業などの「設備工事業」が各工程ごとに下請け、孫請けとして携わります。多くの人を雇用する業界であることから、景気対策として公共工事が用いられることが多々あります。

中分類 小分類
建設躯体工事職 型枠大工、とび職、鉄筋作業
建設職 大工、ブロック積・タイル張従事者、屋根ふき従事者、左官、板金・金物、塗装、畳職、配管従事者、その他
電気工事職 送電線架線・敷設、配電線架線・敷設、通信線架線・敷設、電気通信設備工事、その他の電気工事
土木作業職 土木従事者、鉄道線路工事従事者、ダム・トンネル掘削従事者
採掘職 採鉱員、石切出従事者、砂利・砂・粘土採取従事者、その他の採掘従事者

「建設・採掘職」で働く人は7番目に多い

「建設・採掘職」「建設・採掘職」を仕事としている人はどれくらいいるのでしょうか。
「平成24年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)によると、「建設・採掘職」に従事している人は、全国で約285万人となっており、男女の割合では男性が約279万人、女性が6万人と圧倒的に男性の方が多くなっています。重い物を持ったり、高いところに登ったりする肉体労働が中心なので当然といえば当然かもしれません。

この数字はすべての職種職業の中では、「事務職」の約1,240万人、2番目の「専門的・技術的職」、3番目の「生産工程職」、4番目の「販売職・営業職」、5番目の「サービス職」、6番目の「運搬・清掃・包装職」に続く、7番目となっています。建設業界自体に携わる人は約500万人なので、半数以上がいわゆる現場の仕事である「建設・採掘職」に就いていることになります。

建設・採掘職で働く男女比

建設・採掘職で働く男女比
男性が約279万人、女性が6万人と圧倒的に男性の方が多い。

   男性 女性 合計
建設職で働く人 約279万人 約6万人 約285万人

「建設・採掘職」の平均年収・給与

それでは次に「建設・採掘職」の平均給与、平均年収をみてみましょう。
「平成24年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)をもとにみると、以下の通りになっています。

たとえば男性の場合、「発電・変電工」だと39.1歳で平均年収が533万円、「電気工」だと39.8歳で平均年収が454万円、「大工」だと45.8歳で平均年収が456万円になります。なお建設職の女性の平均年収は就労人数が少ないため省きました。

男性の場合の平均年収・給与

男性の場合 年齢 月額賃金、手当含む 年間賞与
その他特別給与額
発電・変電工 39.1 37.4万円 84.7万円
電気工 39.8 32.6万円 63.2万円
とび工 42.4 31.7万円 33.7万円
鉄筋工 44.6 29.6万円 31.5万円
大工 45.8 33.8万円 50.8万円
左官 48.6 30.7万円 9.6万円
配管工 42.1 32.4万円 41.9万円
土工(土木作業員) 48.1 29.2万円 25.6万円

※データは「平成24年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)をもとに作成
※企業規模計(10人以上)

「業界別の平均年収」「年齢別・男女別の平均年収」も合わせて参考にして下さい。自分の立ち位置がおおよそ理解出来ると思います。

「建設・採掘職職」に向いている人、向いてない人

では「建設・採掘職職」はどのような人が向いているのでしょうか。実際に建設・採掘職などで働いている人に「求められる資質、向いている人、向いてないと思う人」を尋ねてみました。
建設職は幅広いため、当てはまらない人もいるかもしれませんが、参考までにご覧下さい。

建設業で働くのに重要なのは
建設業建設業は現場労働者としての就労が多いので、体力はもちろん必要です。危険というリスクも必ずあります。高所作業も避けられないので恐怖症の人には厳しい業界です。高所作業車、移動式クレーン、玉掛け等の免許を持っている人は優遇されます。業種によって必要な資格は変わるので、採用されてから取らなければならないケースが多いです。
また、本当に健康である事が重要で、大きな建設現場では健康診断書の提示を求められる事もあります。建設業は経験が重要視されるので、業界に入る事よりも入ってからが大変な業種です。

大工に求められるもの、向いている人は
大工になりたい場合、必ず必要になる資格というものはありません。手先が器用な事、健康な事が重要になります。高所作業もありますので、高い所が苦手な人は難しいです。全くの未経験者の場合、20代までが採用対象になるようです。見習い期間が3年~5年という長期間で考える場合が多いので、若い人が欲しいという面はあります。就職後に、経験に応じて必要な資格などを取る事になります。肉体労働だけでなく、設計図を理解する計算能力も必要になるので、体力に自信があるだけでは到底続けられない業種です。

(秋田県 男性 40歳)

建設業の内装業の場合
建設職就職するには、必ず必要な資格はありませんが、空間を把握できる能力が必要です。立体を想像したり、ものの大きさを把握したりすることが大切です。法規や構造、材料、採光などたくさんのことを考慮しなくてはならないので柔軟に対応する必要があります。デザインだけを考えるのではなく、その他の業務にも興味をもち取り組むことが大切です。インテリアコーディネーターや二級建築士を取得していると有利です。

建設業のCADオペレーターの場合
業種によっては、使用するCADソフトも違うので、自分がやりたい業種でどんなCADソフトが使われているのか把握することも大切です。そして、空間を把握する能力が必要です。どんな種類の図面でも立体を想像する力がないと図面を読み取ることが難しいです。長時間パソコンに向かうので、集中力や忍耐力が必要になります。そして、作図指示を受けるのに、多少はコミュニケーション能力が必要になります。
(滋賀県 男性 31歳)

「建設業界」の良い点、悪い点

次に「建設業界」の良い点・良くない点を働いている人に答えてもらいました。
「自分の携わった建物を目にするたびに達成感が湧いてくる点」「補修などの仕事も行うので仕事としての安定性は高い」「今後人手不足やオリンピックなどの影響から需要が増えていく点」などの意見がありました。詳しくはこちらの「建設業界」の良い点、悪い点(その1) 、「建設業界」の良い点、悪い点(その2) をご覧下さい。業界のメリットデメリットの両方を見極めた上で、判断するようにしましょう。

最後に 「建設・採掘職職」に転職を考えている方へ

「建設職」は、東日本大震災やアベノミクス効果、さらにオリンピック景気などの効果で、どこの会社も人手不足が大きな問題になっています。したがって転職のハードルはさほど高くないでしょう。
そうなると、どれだけ良い条件の会社や仕事に就けるかどうかがポイントになってきます。
もしあなたが20代で業界は未経験、これから建築業に飛び込みたいという場合は、漠然と建設業から仕事を探すのではなく、総合的にさまざまな事業を取り扱う「総合工事業」なのか、それとも大工や内装、外装など特定の職業を極めたいのか、または電気工事業、管工事業などの「設備工事業」がいいのか、自分の考えをはっきりさせる必要があります。また建設職ではなく、設計や現場監督などの「技術職」、物件販売や受注窓口となる「営業職」という手もあります。

「建設職」は、1件ごとに完成がはっきりしているため、やりがいや達成感が得られやすい仕事です。また自分の携わった建物が、30年、50年と長きに渡って残る誇らしい仕事でもあります。
転職にあたっては、良い条件の会社を見つけるまで頑張りましょう。

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