面接対策、ネガティブな退職理由をポジティブな理由に変換する-初回編 [転職のノウハウ]

面接対策、ネガティブな退職理由をポジティブな理由に変換する-初回編 [転職のノウハウ]

転職の面接選考で避けては通れない質問、それは「退職した理由」です。以前、元人事担当者による「ネガティブな退職理由を面接で聞かれたらどうする?」の記事でも解説したように、退職理由というのは、大抵ネガティブな要素が入っているものです。人事部も当然それを認識していますから、それほど深く気にする必要はありません。人事担当者も『退職はネガティブなのが当たり前。このネガティブな部分をポジティブにリスタートしたいから転職するのだ』と説明しています。

とはいっても、スラスラ答えられる人ばかりではありませんし、緊張して変なことを口走って不採用になってしまっては、悔やんでも悔やみきれません。ここでは面接対策として、ネガティブな転職理由をポジティブな理由に変換する例を紹介いたします。転職理由は人によってさまざまであなたにしかわかりません。あくまでも例の一つとして考えて、当日は自分の言葉でしっかりと、臨機応変に回答しましょう。

その前に注意しておくこと

その前に面接で退職理由を答える際に、これだけは止めておいた方が良いということを念を押しておきます。

  • 嘘は絶対につかない

    あなたのついた嘘はその場ではばれないかもしれません。でもついた内容によっては入社後に発覚すると大きな問題になります。もしあなたが採用側だったら嘘をつく人を採用したいでしょうか?ばか正直で身もふたもない回答も考えものですが、それでも嘘はやめておきましょう。最初は小さな嘘でも、それを隠すためにまた嘘をついて、収拾がつかなくなった人は大勢います。結果的に自分が苦しくなるだけです。

  • 長々と話さない

    採用側はこの質問にそれほど深くこだわっている訳ではありません。それよりも入社して何をやりたいか、やってほしいか、どんな活躍が出来そうか、の方が重要なのです。まるで嘘の上塗りをしていくように、長々と話してしまうと「実は何かあるんじゃないのか?」と反対に勘ぐられてしまいます。よく犯人は自分を取り繕うために必要以上に長く話すと言います。簡潔にわかりやすく説明しましょう。

  • 聞かれたくないことだからと言って伏し目がちにならない

    聞かれたくないことや嫌なことを聞かれると伏し目がちに話す人がいます。自分では気付いていないのかもしれませんが、特に面接ではあまり良い印象を持たれません。いかに嫌な質問だったとしても、相手の目をしっかり見て(時折その向こう背景に目をそらしながら)、快活に説明しましょう。

  • 愚痴や悪口にならない

    愚痴や悪口はなるべく言わない方がいいでしょう。どんなにひどい会社だったかを説明しようとする人がいますが止めておくべきです。でも前職が札付きの超ブラック企業で、退職理由が「毎日残業終電で月の休みゼロ、毎日罵倒」などの場合は、むしろ正直に言った方がいいかもしれません。その場合も会社を悪く言うというより、事実として「前の会社がこのような環境で、周囲の人間も次々に辞めてしまい・・」という風にまとめていきます。

などです。これらのことは採用側からするとあまり心証のいいものではありません。止めておきましょう。

退職理由を説明する時の基本的な考え方

ネガティブな転職理由をポジティブな理由に変換するネガティブな転職理由をポジティブな理由に変換するといっても、ネガティブな理由をとにかくすべて隠そうと考えすぎて、あまりにも綺麗ごとすぎる答えを言ってしまうことがよくあります。
例えば単に上司とケンカして突発的に辞めた人が、「もっと自分自身を成長させたいと考えるようになり、自分に合った新しい職場でステップアップを目指し、退職を・・・」みたいな感じです。いくらポジティブに変換するといっても、ものには限度があります。

このような綺麗ごとすぎる回答は、数多くの退職者と面接をしている面接官からすると、すぐに建前で取り繕っているとわかってしまいます。自分の言葉になっておらず、上滑りしてしまっているからです。目の前にいる求職者の風貌や雰囲気、言葉の端々から出てくる考え方などとかけ離れているのです。あまりにも自分の本当の考え方とは違う、思ってもいないような理由を話すのは止めましょう。

ポジティブな理由に変換する時の考え方として
「退職理由を素直に認める」+「理由の変換(補足)」+「転職を前向きに考える」+「(軽く)志望動機へと繋げる」を頭に入れておくといいでしょう。(これは転職グッド編集部の考え方です)

退職理由をダラダラと言い訳がましく話さずに、素直に手短に述べ、そしてすぐにその補足として退職理由の変換をします。最後にスムーズにさらっと志望動機へと繋げていきます。このようにするとネガティブな部分を自覚していることを伝えつつ、ポジティブに未来を考えていることもアピールできます。志望動機をさらっと留めておくのは、今回、面接官から聞かれたのは「会社を退職した理由」であって「志望動機」ではないからです。

例えば、あなたが「給料が少なすぎることが理由」で入社3年目に辞めて、実績に応じた給料をもらえる会社に転職しようとしている場合、

「なぜ前の会社を退職したのか?」と聞かれたら、
「入社前から給与が多少低いことは覚悟はしていたが、先輩も私と給与がほとんど一緒で、(少し笑顔で)これでは結婚して家庭も持てないと思うようになった。会社選びが甘かったと感じている。」
「給与は業界平均である程度決まっているものだし、ボーナスは業績に応じて上下するのは理解しているので、無茶な高望みはしていないが、それでも自分の仕事の実績がある程度反映される実力主義の会社で働きたいと考えるようになった。仕事がシビアで厳しいのは承知している。その点、御社(面接を受けている会社)は給与面はもちろん、会社の仕組みも実績主義で、組織もフラット、風通しも良く思える。これから御社でバリバリ働いて、結婚して家庭を持って、公私ともに頑張りたい・・・」という感じでしょうか。これを15秒~20秒くらいで話します。

もちろん、転職しようとしているのがどういう業界で、その業界は景気が良いのか悪いのか、面接を受けている会社が何を売っていて、どのような社風でどこに強みがあるのか、自分が何歳なのかなどによって、盛り込む言葉や話しの持って行き方はぜんぜん変わってきます。特に給与や年収関連のことはあまり話しすぎると「この人はお金のことしか頭に無い」と思われるので注意が必要です。

でも「なぜ辞めたのか?」と聞かれて、単に「給与が安くて生活出来ないと思った」などと、ネガティブな雰囲気でシラーッと終わるのではなく、退職理由を変換させて、話しを前向きにポジティブに持って行き、さらに(聞かれてもいない)志望動機や自分の将来の展望までさらっと続けることで、あなたの印象はずいぶんと良くなるはずです。

「この人は前職の失敗を客観的に顧みているし、この若さで家庭を持ちたいなど、意外にも人生をしっかり考えている。当社では長く働いてくれるに違いない。それにウチの会社が実力主義でけっこう厳しい事もすでにわかっている、なかなか良さそうな人材だ」と感じてくれそうな気がするのではないでしょうか。

今回はここまでです。次回は、ネガティブな退職理由ごとに、どうポジティブに変換させていけばいいのかを具体的に例を挙げていきます。ぜひご覧下さい。

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