ネガティブな退職理由をポジティブな理由に変換する -その2 [転職のノウハウ]

ネガティブな退職理由をポジティブな理由に変換する -その2 [転職のノウハウ]

ネガティブな退職理由をポジティブな理由に変換するコーナーの2回目です。前回は面接で基本的に注意すべき点、退職理由を説明する時の考え方などを解説しました。(※このページに最初に辿り着いた方はまずこちらの「ポジティブ変換の考え方編 その1」から読んだ方がスムーズです。)

退職というものはもともとネガティブな点が多かれ少なかれあるものですが、面接においてそのまま否定的、消極的なことを話してしまうのは得策ではありません。面接官からは「この人は何か嫌なことがあるといつもこんな感じなのかな」と思われてしまいます。これは逆に皆さんが採用側の立場でも同じだと思います。公の場で堂々とネガティブ発言をする人を積極的に登用しようと思う人はあまりいないのです。

厚生労働省が実施している「若年者雇用実態調査」によると、若者が会社を辞めた理由として多いのは「労働時間・休日の条件がよくなかった」「人間関係がよくなかった」「仕事が自分に合わない」などが上位を占めています。やはり退職理由は後ろ向きな理由が多いようです。
では、ネガティブな転職理由をどうポジティブに変換させていけばいいのか?今回は具体的に例を一つずつ挙げていきたいと思います。

残業や休日出勤が多すぎて退職した場合

残業や休日出勤が多すぎて退職した場合毎日帰宅は終電で午前様、でも翌朝は8時からミーティング。たまの休日も上司から呼び出しで無理矢理出社。これでは辞めたくなるのも当たり前です。でも残業が全く無い会社はありませんし、新しい会社でも繁忙期や月末、納期の時には全員遅くまで仕事をしているのかもしれません。そう考えると時間外労働に対していきなり否定的な意見は控えておいた方が禁物です。
あなたが「残業や休日出勤が多すぎて退職した場合」は、「前の会社は「長時間働く方が仕事が出来る」ような雰囲気があり、仕事が終わった人もなんとなく全員が終わるまで残っていました。私自身、残業自体は全然問題無いのですが、仕事を語学の勉強や地域活動を人間性を高めていくことで、結果的に仕事もバリバリできると考え、退職を決めました」といった感じで、時間外労働を嫌っているわけではなく、仕事も私事も前向きに取り組んでいく姿勢をアピールしていくといいでしょう。ちなみに「労働時間・休日の条件」は若者(15歳~34歳)が会社をやめた理由の1位でもあります。一番多い退職理由ですので、ポジティブに変換することを、あまり気にしなくてもいいのかもしれません。

ノルマが厳しすぎて退職した場合

ノルマが厳しすぎて退職した場合社長が営業出身だったり、販売を営業マンに依存したりしている会社だと、必ずといっていいほどノルマが存在します。アポが取れるまで帰社できない、未達成者は全員の前で吊し上げ・・などもよく聞く話です。こういった会社は社内の雰囲気が悪いのはもちろん、体調を壊してしまう人も続出で、離職率も異常に高かったりします。
もしあなたが「ノルマがあまりにも厳しすぎて退職した場合」は、「前の会社では営業職としてお客さまが希望する商品やサービスを提供することにやりがいを感じていました。仕事も充実していました。ただ近年はお客さまが求めていないものまで販売しなくてはいけない雰囲気が出て来て、そのような営業方法ではお客さまと末長く円満な関係を続けることが難しいのではと考え、迷った末に退職を決めました」
ビジネスとはお客さまの要望するものを提供できてこそ成り立つものです。お客さまの視点を第一に考え、新しい職場でも仕事をしていきたいことを話してみてはいかがでしょうか。

給料が安すぎて退職した場合

給料が安すぎて退職した場合第1回のネガティブ理由をポジティブ理由にでも解説いたしましたが、あなたが「給料が安すぎて退職した場合」、まずはあまり長々とお金の話しをしないようにしましょう。給料やボーナスは労働の対価となる重要なものですが、最初からお金の話しばかりだと「この人はお金のことしか頭にないのかしら、入社しても給料が高い会社にまたすぐ転職してしまうのでは」と思われてしまいます。
そんな時は、「私はそれほど給与のことを気にしていないのですが、前職では年輩者も若い私も同じような給与体系で、個人の実績や実力が反映されていない気がしました。できれば個人の成果や貢献度が給与や社内評価に反映される会社で精一杯働きたいと思い、転職を決意しました」などがいいでしょう。ただ転職しようとする会社も、公平な実力主義制ではない可能性もあるので、話し方の強弱は会社によって調整すべきだと思います。

参考:若者の退職理由 上位表

転職グッド:若者(15歳~34歳)が会社をやめた理由、1位は「労働時間・休日の条件がよくなかった」
若年者雇用実態調査

仕事が自分に合わなくて退職した場合

「ものづくりの仕事が好きなことに気付いた」「外に出てお客さんと話す仕事が好き」など、「仕事が自分に合わなくて退職する人」も多いようです。この理由をポジティブに変換するには、新しい転職先が前職と同じ仕事内容なのか、まったく違う仕事内容なのかによって話し方が大きく変わってきます。
もっとも、「仕事が自分に合わない」が退職理由の人は、同じ仕事内容は選ばないと思いますので、ここでは仕事内容が異なる会社に転職しようとした場合をケースに挙げます。
もしあなたが「仕事が自分に合わなくて退職した場合」で、面接の会社は「前職と仕事内容が全く異なる場合」は、「前職では入社の際に製造部へ配置を希望したのですが、かなわず営業部に配属になりました。3年間販売の仕事を通して、お客さまと直接仕事ができる楽しさを経験し、とても充実していたのですが、ある時、製造の仕事を手伝う機会があり、入社時の思いがふつふつと湧き上がってきて、どうしても物を作る仕事をしたくなりました。配置転換希望を何度か上司に願い出たのですが、少なくとも数年は無理と言われてしまい、退職を決意しました」などはいかがでしょう。畑違いの仕事も好きでやりがいを感じていたが、それ以上に昔からの夢だった仕事がしたくなり、社内で配置転換などの努力を重ねたが、どうしても無理だった、という風に話すと、良いイメージで捉えられると思います。

今回は代表的な4つの退職理由を変換しました

今回は代表的な4つの退職理由を変換してみました。以前、元人事担当者による「ネガティブな退職理由を面接で聞かれたらどうする?」の記事でも解説したように、退職理由というのは、大抵ネガティブな要素が入っているものです。人事部も当然それを認識していますから、それほど深く気にする必要はありません。人事担当者も『退職はネガティブなのが当たり前。このネガティブな部分をポジティブにリスタートしたいから転職するのだ』と説明しています。

前の会社の悪口や不満を言わない、退職した理由を暗くグチグチ話さない、お金や勤務時間など条件ばかりを訴えない、ことに気をつけて、自分の言葉でしっかりと、新しい会社に入社したい理由、入社したらやってみたい仕事をアピールしましょう。

第2弾はここまでです。次回はさらに具体的な退職理由を挙げて、ポジティブ変換していきたいと思います。
※このページに最初に辿り着いた方はまずこちらの「ポジティブ変換の考え方編 その1」から読んだ方がスムーズです。 「転職のノウハウ」コーナーでは編集部の独自体験に基づいた仕事の選び方や探し方を解説しています。転職の参考にしてください。

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