精神保健福祉士に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説

精神保健福祉士に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説

「精神保健福祉士(精神科ソーシャルワーカー:PSW)」は精神障害者の社会復帰や円滑な日常生活をおくるための支援、相談をおこなう仕事です。今回は「精神保健福祉士」に転職する人向けに、「精神保健福祉士」の仕事内容、平均年収・給与、また現在働いている人から「精神保健福祉士」に向いている人向いていない人について解説いたします。ぜひ転職活動の参考にしてください。

「精神保健福祉士」は精神保健福祉分野の国家資格

「精神保健福祉士」は、精神科ソーシャルワーカー(PSW:Psychiatric Social Worker)と呼ばれる精神保健福祉分野のソーシャルワーカーの国家資格で、1997年の「精神保健福祉士法」ともに誕生、精神障害者の社会復帰や円滑な日常生活をおくるための支援、相談をおこなう仕事です。「社会福祉士」 「介護福祉士」とあわせて3福祉士と呼ばれています。( 3福祉士とは?
公益財団法人 社会福祉振興・試験センターによれば2016年3月現在、全国の精神保健福祉士登録者数は71,371人。おもな勤務先としては、医療機関や障害者福祉施設、行政関係、高齢者福祉などが多くなっています。近年ではストレス社会の影響からうつ病等の気分障害の総患者数も増加しており、厚生労働省ではこころの健康を保つための支援を推進、「精神保健福祉士」の役割も重要になってきています。
精神保健福祉士

精神保健福祉士 登録者数の推移

精神保健福祉士 登録者数(人)
平成12年 4,169
平成13年 6,655
平成14年 9,332
平成15年 12,666
平成16年 18,321
平成17年 21,911
平成18年 25,950
平成19年 30,326
平成20年 34,768
平成21年 39,131
平成22年 46,002
平成23年 49,545
平成24年 55,394
平成25年 58,770
平成26年 62,883
平成27年 67,896
平成28年 71,371

出典:社会福祉振興・試験センター

「精神保健福祉士」雇用形態の状況

雇用形態の状況
雇用形態を見ると、男女とも「正規職員」の割合が最も高く、男性が87.9%、女性が74.7%となっています。これは非正規雇用がもっとも多い「介護福祉士」と大きく違う点です。

「精神保健福祉士(精神科ソーシャルワーカー)」になるには

「精神保健福祉士(精神科ソーシャルワーカー)」になるには、保健福祉系4年制大学で指定科目を履修するか、年制大学の卒業後に精神保健福祉士指定養成施設を卒業した上で「精神保健福祉士国家試験」に合格する必要があります。
「精神保健福祉士国家試験」は年1回、1月下旬に筆記形式で行われます。筆記試験科目は17科目なのですが、うち11科目については「社会福祉士国家試験」との共通科目になっています。(社会福祉士資格保有者は11科目が免除になります)
平成28年の試験実施状況は受験者数7,173人、合格者数4,417人、合格率61.6%となっています。
内訳は男性が1,450人(32.8%)、女性が2,967人(67.2%)と3分の2が女性です。年齢別では30歳以下が47.9%、31~40歳が21.5%、41~50歳は17.7%と、約半数が30歳以下、20代になっています。

「精神保健福祉士国家試験」の結果
受験者数 合格者数 合格率
第18回(平成28年度) 7,173人 4,417人 61.6%
第17回(平成27年度) 7,183人 4,402人 61.3%
第16回(平成26年度) 7,119人 4,149人 58.3%
第15回(平成25年度) 7,144人 4,062人 56.9%
第14回(平成24年度) 7,770人 4,865人 62.6%

※数字は(公財)社会福祉振興・試験センター

「精神保健福祉士」の平均年収・給与

それでは次に「精神保健福祉士」の平均給与、平均年収をみてみましょう。
「平成27年度就労状況調査結果(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)」をみると、福祉・介護・医療分野で働いている人の精神保健福祉士の年収は男女計平均で 347万円となっています。男性平均は403万円、女性平均は321万円です。なお自治体勤務の場合は地方公務員になりますので賃金は各自治体規定に基づきます。

精神保健福祉士の平均年収(平成26年)
  雇用形態 平均年収
男性 正規職員 426万円
非正規職員(常勤) 274万円
非正規職員(パート等) 162万円
派遣職員 70万円
女性 正規職員 368万円
非正規職員(常勤) 239万円
非正規職員(パート等) 131万円
派遣職員 130万円
精神保健福祉士の平均年収(平成26年)
年代 平均年収
20代 255万円
30代 319万円
40代 380万円
50代 468万円

※データは公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「平成27年度就労状況調査結果」をもとに作成

「精神保健福祉士」に向いている人、向いてない人

では「精神保健福祉士」はどのような人が向いているのでしょうか。実際に「精神保健福祉士」で働いていた人に「求められる資質、向いている人、向いてないと思う人」を尋ねてみました。転職に当たっての参考にしていただければと思います。

●「精神保健福祉士」に向いている人
精神保健福祉士の仕事に向いているのは、第一に「冷静な頭を持つ人」であることだと思います。精神疾患を持つ方は色々な悩みや問題を抱えていますが、解決するのは精神保健福祉士でなく本人です。つい自分が何とかしなければ!と思いがちになってしまいますが、それでは本人の成長に繋がらないのです。関わりの中で自身の状況を本人に客観視してもらうよう働きかけることが大切です。そのためにも、精神保健福祉士は熱い心を持ちながらも常に冷静に判断していく必要があります。
第二に、「感情を大切にする人であること」。人には喜怒哀楽が存在します。患者さんの相談を受けるとき、職員はつい平和に沈静しようとしてしまいます。でも社会生活の中に戻ると喜怒哀楽とは付き合っていかなければいけません。そのためにも相談を受ける過程で、本人の喜怒哀楽を引き出し、それを自身でコントロールする力をつけてもらうことを意識することが大切です。
最後に、「好奇心旺盛な人」であることです。精神保健福祉士は本人へのアプローチとして色々な手段を持っていなければいけません。十人十色という言葉があるように、患者さんもひとりひとり異なった人生を歩んでいます。その人その人で問題を解決するための方法も違います。そのため色々な方面にアンテナをはり、解決方法のヒントを沢山持っていたほうが良いです。

●反対に向いていない人は
精神保健福祉士に向かない人の特徴として、まず「審判的な態度をとってしまう人」があげられます。職員という立場から患者さんを見て、(この人、このまま行くと必ず失敗してしまうなぁ)と思うような場面は度々あります。そこで審判的な態度をとり、自身の方法を押し付けてしまってはいけません。人は生きていると必ず失敗をするし、それも成長に繋がる出来事であることを心にとめておかなければいけません。本人が悩み、本人が解決方法を決め、本人が失敗しながらも問題解決していく道のりを応援するべきです。
そして「諦めが早い人」もこの仕事には向かないです。精神科病院の平均入院期間は他の科と比べても飛び抜けて長く、これは社会生活と離れている期間が長いことに繋がります。つまり、それだけ社会生活をしていくための能力が低下している可能性があることを示しており、施設症(病院や児童養護施設などで長期に暮らすことにより生じる心身の障害 ※大辞林)によって失われた希望や能力を新たに見つけ、また身につけていくのは容易ではありません。細く長く諦めずに関わりを持ち二人三脚で再出発していく必要があるため、諦めが早い人には向いていません。
(女性 26歳 香川県 主婦(元精神保健福祉士))

「介護職」は社会福祉の専門的職と介護サービス職に分類される

社会福祉専門的職「介護職」ならびに「保健福祉分野」は、国家資格やそれに準ずる資格を持ち、高度の専門的水準を要する老人ホームや介護施設での「ケアマネジャー(介護支援専門員)」や「介護福祉士」「医療ソーシャルワーカー(MSW)」「社会福祉士」「精神保健福祉士」「心理カウンセラー」などの「社会福祉の専門的職」と、介護サービス員などの「施設介護員」、ホームヘルパーなどの「訪問介護員」など「サービス職」に分類される「介護サービス職」に大別されます。「介護福祉士」や「社会福祉士」はさまざまな職種を兼ねている人も多く、職業として分類しづらいのが現状です。

大分類 中分類 小分類
専門的・技術的職 社会福祉の専門的職 保育士
ケアマネージャー(介護支援専門員)
介護福祉士
社会福祉士(ソーシャルワーカー)
精神保健福祉士(ソーシャルワーカー)
児童心理司、児童福祉司
その他
サービス職 介護サービス職 施設介護職(医療施設、老人福祉施設の介護サービス員)
訪問介護職(在宅の介護員、ホームヘルパー、訪問入浴介助員)

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