これから子どもが生まれる看護師や現在子育て中の看護師にとって、勤め先の職場環境の悪さやワークライフバランスがうまく取れないといった理由で、今の生活に不安や不満を抱いている人も多いのではないでしょうか。今回は結婚と出産を経験した看護師にとって働きやすい環境とはどういう職場なのかを考えてみます。看護師業界で働きたい人へ「看護師の転職」コーナーです。
子育て中の看護師が働きやすい環境とは?
子育て中の看護師(ママナースとも呼ばれています)が重要なことは、当然といえば当然ですが、なんといっても子育てに理解のある職場を選ぶことです。子育てに理想的な職場と聞くと、施設勤務やクリニック勤務、病棟勤務の場合は、亜急性や回復期、療養型やリハビリといった病棟をイメージする人も多いでしょうが、そうとも限らないのです。
残業がなく定時で帰社できる、休日をしっかり取れる、といったポイントだけでは子育て中の看護師が働きやすい環境とは言えません。子どもがいる家庭がもっとも慌てること、それは急な早退や欠勤をする可能性が高いということです。特に2人、3人いると壮絶なのです。
子どもは急に熱を出したり、怪我をしたりすることはザラです。保育園は子どもの熱が一定の高さを超えると、預かることができませんから、すぐに母親の携帯に迎えに来るように連絡が来ます。またノロウイルスなどの感染症に罹患した場合、長い時で10日前後は休まなければならない事もあります。そのほかにも参観日や運動会、遊戯会、発表会などの行事が多いときで月に2~3回はあるのです。
このような急な欠勤や早退をしても、嫌な顔をしないスタッフや上司がいる環境こそが子育て中の看護師にとって働きやすい環境と言えるのです。もちろん突発的な休み=代わりの誰かがシフトを調整してもらわなければいけませんので、常に感謝の気持ちが必要です。でも職場におおぜいの子育て中の看護師がいると「おたがいさま」という雰囲気が醸成されますし、仮にいなくても過去に多くの看護師がそうであれば、職場としても「そういうものだ」といった感じで慣れていますので、母親看護師としても大きなプレッシャーやストレスにならないのです。
子どものいる看護師が働きやすい職場を見分ける方法
子どものいる看護師にとって、転職先の施設が本当に働きやすいかどうかは、転職サイトやハローワークの求人票からはなかなかわかるものではありません。
いちど転職を決めてしまうと、思っていた雰囲気と違ったからといって、簡単にやり直せるものではありませんので、やはり事前にキチッと調べる、確かめることが重要になってきます。
もっとも大事なのは診療科や残業の有無だけで選ぶのではなく、自分以外にも子育て中の看護師(ママナース)が所属しているのかどうかです。
まず院内に入ったらしっかりとまわりを見渡して、いかにも子育て中の看護師さんが何人くらいいるのかをチェックしましょう。また面接の場で採用担当者に必ず聞くようにしましょう。
「現在、何歳の子どもがいて、急な発熱や怪我で早退したり、休まざるをえないことが、月に1回、2回あるのですが、大丈夫でしょうか?また職場には同じ子育て中のナースさんはいらっしゃいますでしょうか?」と、単刀直入に聞けばいいでしょう。(その時に回答を濁されたり、急に休むことに少し躊躇したように感じ取れたら、心の中でマイナス5ポイントを付けて、他の職場も探すようにしましょう)
次に大事なのは(特にあなたが女性の場合)、出産や育児に対する制度が整っている職場かどうかです。手当や昇給などの賃金制度、勤務時間の配慮は休暇、早退などの勤務時間制などです。制度は実際に利用できてこそ価値があるものなので、取得率や消化率などがわかるようであれば確認するようにしましょう。ただこのような制度を設けている施設は、往々にして子どもがいる従業員のことを真摯に考えているケースが多いものです。あまり取得率の高い低いだけに注視しないようにしましょう。
現在の職場が辛かったら
皆さんの働いてる環境は子育てに理解のある職場と言えますか?定時で帰れるだけではなく、急な欠勤や早退に対しても嫌な顔をせずに、笑顔で対応し、お互いを支えあって看護を行うことができていますか?残業もなく定時で帰れたとしても、嫌味をいわれたり、陰口を言われるような職場であるのなら、我慢せずに転職することをお勧めします。
子どもの病気は、親がいくら気をつけていても罹患しますし、そもそも子ども自身も罹りたくて罹っているわけではありません。急な発熱にイライラしてしまっては子どもが可哀想です。子供の成長過程で必要なものを、非難されてしまったら、とても辛くて働きにくいですよね。でもそのような子育てに不向きな職場だけではなく、ママナースに理解のある職場もたくさんあります。自分に合った職場を選ぶことが大切なのです。後悔しない転職を祈っております。
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