「転職で注意すべきこと、気をつけること」を紹介するコーナーです。今回は、「今の仕事からの現実逃避になっていないか考えて」「転職はすべてがゼロからのスタートになります」「目的意識を持って面接に臨むこと」「中途採用は即戦力の実務経験者を求めています」について紹介いたします。
転職とはついつい勢いで進めがちですが、いちど立ち止まって、冷静になって、間違いを犯しやすい点を再確認してみましょう。失敗した人の事例を学び、轍を踏まないようにするのはとても大事なことです。
目的意識を持って面接に臨むこと
正社員の転職で特に注意するポイントとしては、いかにして面接時に明確な目標を持って臨めるかです。
はっきりとした目的意識を持たずに面接に臨んでしまうと、途中で答えに詰まってしまったり、曖昧な回答をしてしまう場合があり、面接官にあまり好印象を持たれないため、そういったマイナスポイントはできる限り避けるべきです。
自分の中に仕事に対する一貫した目標があれば、どのような質問にも的確に応えることができるようになります。
(出版業 男性 42歳 静岡県)
【転職グッド編集部コメント】
以前、「面接でよく聞かれる「職業意識」とは?どのように答えれば良いのか」で、企業はなぜ明確な「職業意識」を重要視するのかを解説しました。
仕事や職業に明確な「職業意識」を持った人は、入社後に降りかかってくる様々な困難や不条理に対して、容易にめげることなく、解決しようと頑張るはずです。そして会社の「理念」を前向きに理解し、会社の重要なスタッフとして活躍してくれる可能性が高いのです。
転職にあたっては、会社に入社したい理由、この仕事で働きたい理由を何度も自問自答して、明確な答えを出しておきましょう。
今の仕事からの現実逃避になっていないか考えて
今まで積み上げたキャリアと経験を転職先でちゃんと生かせるのか、また転職の目的が今の仕事からの現実逃避になっていないか、客観的に考えてみましょう。
転職は、求職者、企業側のお互いがWin-Winでなければなりません。企業は新卒者には無い、あなたの経験とノウハウを会社で生かしてくれることを求めています。
一方の転職者は、今の勤務先以上に働きがいがあるところ、雇用条件の良いところを求めています。お互いの求めているものが一致した時に転職は成功になるのだと思います。
嫌だからといって逃げるように退職しては次もうまくいきません。新しい会社では今まで積み上げたキャリアと経験を生かせそうなのかを冷静に考えましょう。
(住宅メーカー 男性 44歳 東京都)
【転職グッド編集部コメント】
転職メディアでも「現実逃避の転職はあとで後悔する」「やってはいけない現実逃避型転職」などの記事を目にします。
確かに現在の仕事が単に嫌だからといって辞めてしまうと、次回の仕事でも失敗する可能性は高くなるのですが、だからといって現実逃避が駄目かというと一概にそうとも言えないように思えます。
というのは、転職する理由は大半の人が、給料が安い、上司が嫌、残業が多すぎる、先行きが位、社内の雰囲気が悪いなど、今の仕事や会社に耐えられなくなったからであって、むしろヘッドハンティングや順調なステップアップで前向きに転職する人の方が少ないのです。
ただ仕事とは(転職とは)、ゲームのように何度もリセットしてやり直せる訳ではありません。人生においてせいぜい3回4回ではないでしょうか。(もちろん例えば外資系のようにそれ以上の人もいますが)だから退職の直接の引き金は後ろ向きな理由であったとしても、転職活動では前向きな志望動機へと変えていくべきあり、ましてや新しい会社に入ったからには以前の職場のネガティブな要素は一切持ち出さない気持ちが重要なのです。
転職はすべてがゼロからのスタートになります
人間関係で悩んで転職を考えた、想像していた業務と違ったので我慢できなくなったなど転職を考える理由はさまざまだと思いますが、転職したからといってすべてがきれいに解決するとは限りません。目の前のことが嫌になって現状から抜け出したくて転職をしても、もしかしたら今以上に辛い現実が待っているかもしれないことを一度は想像してみましょう。
転職は、たとえ小さなことでも現在の会社で認められ褒められた事がゼロになること、一緒に頑張ってきた現在の仲間が誰もいなくなること、また実績を一から作っていく努力が必要なこと、すべてがゼロからのスタートになります。とても厳しい意見を言うようですが、その上で、それでも本当に転職をしたいのかを冷静になって考えるべきです。
(婦人服小売業 女性 34歳 福岡)
【転職グッド編集部コメント】
これはその通りだと思います。何かものごとを起こすに当たっては、成功のケースと失敗のケースの両方を考えた上で、仮に悪い方向に流れたとしても、最初の考えを貫けるかどうかを自問自答しながら進めていくべきです。成功のケースだけをイメージして行動するのは、少々脳天気だと言われても仕方ないでしょう。
仕事で成功している人は、先人の失敗例、歴史の失敗例を懸命に勉強して、轍を踏まないようにしていることが多いと言います。
みなさんも、転職に失敗した人の例を、徹底的に参考にしながら活動することをお薦めします。
中途採用は即戦力の実務経験者を求めています
転職で重要なポイントは、仕事における経験や知識をアピールすることに重点を置くことです。
会社にとって中途採用は、やる気や将来性よりも、即戦力の実務経験者を求めているので、その点をはき違えてしまうと痛い目にあってしまいます。
かといって、仕事に対するやる気をまったくアピールしないことも問題なので、仕事に対する意欲の高さやこだわりなどを交えながら、自身のノウハウや技術力の高さをアピールすることが大切です。
(出版業 男性 42歳 静岡県)
【転職グッド編集部コメント】
30代以上の転職者は「やる気や将来性よりも、即戦力の実務経験者」を求められていることが多いようです。また30代以上になると異業種への転職(未経験への転職)はあまり望ましいものではなく、これまでの業界でも経験を生かして、即戦力になる能力、会社を引っ張っていく能力を求められます。
この「転職で注意すべきこと、気をつけること」を紹介するコーナーは、この後も続いていきます。次回も楽しみにお待ち下さい。こちらのページに新着を掲載いたします。
また読者の方に「良かったと思ったこと」と「悪かったと思ったこと」を読者に聞いたコーナーも人生いろいろでユニークです。あわせてぜひご覧下さい。