「転職で注意すべきこと、気をつけること」を紹介するコーナーです。今回は「家族経営の会社は注意が必要」「内定をもらってもすぐに入社を決めないこと」「女性の数に気をつける(自分が女性の場合)」「必ず他人の意見を聞くこと」について紹介いたします。
多数のステップを踏む新卒採用と異なり、中途採用の場合は数回の面接で決まってしまうこともあります。いわば一発勝負です。その時に面接官にいかに良い印象を与えられるかどうか、不採用の要因を取り除くかが重要になってきます。
ここでは、転職を経験した人生の先輩から、転職活動で注意すべきこと、気をつけることを挙げてもらいました。また補足で転職グッド編集部のコメントも入れてあります。ぜひ参考にしてください。
家族経営の会社は注意が必要
会社が家族経営(社長が夫で、専務が妻など)や同族経営(ファミリー企業)の場合、働いていると急に家族間のケンカに巻き込まれたり、あきらかにおかしい事をしているのに、触らぬ神にたたり無しでみんな黙認していることがありました。
そのことを最初はわからず、奥さんなどに言うとなぜか逆に自分が注意されたりします。夫婦が同じ職場にいると、突然細かいことを言われたり、2人の言い合いを聞かされるので、精神的に疲れます。全ての家族経営、同族経営の会社に当てはまるわけではないと思うのですが、面接の時に会社の役員名簿を注意してみた方が良いと思います。
(事務職 女性 40歳 広島県)
【転職グッド編集部コメント】
日本の中小企業(というより世界の中小企業)の大半は同族経営で、親族が役員に名前を連ねているのは珍しいことではありません。
同族色が強い会社のデメリットは、会社の問題を一族の問題と考えがちで公私混同が起きやすかったり、血が繋がっていない人は役員になる(昇進する)可能性が低かったりします。これは人によっては耐えられないことかもしれないですね。
一方、メリットとしては、目先の経営ではなく長期的な視野を持って経営が出来る、経営者が借り入れの個人保証になっているケースが多いため常に真剣(サラリーマン社長のように数年で交代ではないため他人事にならない)、身内意識が強いため慣れてくると居心地が良いケースもある、などでしょうか。
あなたが性格的にビジネスライクの職場を強く望むのであれば、支店勤務などの可能性が高い(同族色が薄い)会社、経営者が創業者またはその一族ではない会社、比較的規模の大きな会社を優先的にピックアップした方が賢明です。
内定をもらってもすぐに入社を決めないこと
「内定を貰ったからといって、すぐに入社を決めないこと」がなにより重要です。
現在の仕事への不満や生活への不安などから、すぐに仕事を決めないとまずいと思っている人も多いと思います。特に新卒で入社したのに早期退職した人などは、焦りも人一倍だと思います(自分です)。
でもいったん冷静になって、内定を貰った企業は本当に自分の希望に合った会社なのか、面接官の印象がよかったから、業績も安定していそうだから等々、表面的な部分だけで評価していないかを、しっかり考えた方が良いと思います。
私自身、憧れの出版業界に内定をもらえた嬉しさから、すぐに入社の返事をしてしまったのですが、入社後、会社の経営状態の悪化と経営陣の不祥事も相まって、半年余りで人員削減の憂き目に遭ってしまいました。
いま考えれば、面接で会社訪問した時に、いろいろおかしいところがあったのですが、焦りと嬉しさのあまり、すぐに決めてしまったのが失敗でした。
新卒の就活とは違って、前職の仕事に不満があったから、転職活動をしているのだと思います。内定を貰ったらまず返事を保留にし、退職理由を思い出して、冷静に会社のことを調べ直した方がいいと思います。
(出版業 男性 25歳 東京都)
【転職グッド編集部コメント】
短期間の企業リサーチと数回の面接では、企業の本当の財務状況まではなかなか把握するのは難しいところがありますが、上場企業であれば財務資料の確認、中小企業であればネットの企業クチコミサイトなどで給与やボーナスの支払い関係を調べたり、以前も紹介いたしましたが、常に求人を出している会社ではないか(働いている人が希望を持てずに退職していく)を調べてみてもいいでしょう。
あとは日頃から日経新聞を読んでいて経済に詳しい人は、企業の名前や業界を聞けば、どのポジションにいる会社なのかは想像が付くはずなので、アドバイスをもらうと良いかもしれません。
なお中途採用の場合、内定と同時に入社の意志表示をしない人(上記のようにいったん保留にする人)は、あまり良い印象を持たれないこともあり得るので、何でもかんでも保留にはしない方がいいと思います。入社の気持ちが固まっているのであれば、変にもったいぶって先延ばしせず、気持ちよく即答すべきです。
女性の数に気をつける(自分が女性の場合)
私は、女性なので、特に女性の数に気をつけています。あと年齢です。女性がたくさんいる会社でも、部署によっては少数の所もあります。特に、女性が自分をいれて3人になる場合、最初の2人の信頼関係ができているので、いざその中に入ろうと思うと、それなりの労力が必要でした。女性は仕事上の問題より、性格が合うか合わないかなど人間関係の問題の方が重要なのでは?と思うこともしばしばです。
もしあなたが女性なら、面接の時に自分が働くことになる部署にはどんな女性が何人いて、その女性の下につくのかどうか、どのように仕事を進めていくのかをちゃんとチェックした方が良いと思います。また会社に入ってからも、まずは人物の見極めが大切だと思います。
(事務職 女性 40歳 広島県)
【転職グッド編集部コメント】
本来、仕事とはこのようなことが注意点となるのではなく、事業内容や自分の職務、キャリアの生かし方について悩むべきなのですが、女性同士の人間関係が原因で以前の職場を辞めた人にとっては切実な問題なのかもしれません。転職グッド編集部では転職者の声を数多く収集しているのですが、たしかに女性の人間関係の難しさに関する回答が一定の割合で見受けられます。
ただ女性同士の人間関係のトラブルは、感情的なところから来ていることが多いように思えます。両者でとことん話し合って解決して欲しい気がします。
企業を選ぶ時は必ず他人の意見・アドバイスを聞くこと
「企業選びの際は、必ず他人の意見を聞くこと」が大事です。
マイナビやリクナビなど、インターネットには転職サイトが数多く存在し、企業の情報も溢れかえっています。それを見て「いい企業だな」と思うと、すぐに飛びついてしまうかもしれません。
でも主観だけで企業を選んでしまうのは危険です。
転職をするということは、現在の仕事に何らかの不満があるということ。それを解消できる会社が魅力的に見えるのはもちろんですが、前の会社も不満ばかりではなかったはずです。
私自身、自分の拙い判断だけで会社選びをした結果、とんでもないブラック企業に入ってしまい、半年あまりでまた転職する羽目になってしまいました。
そういうわけで、企業選びの際には、専門のキャリアアドバイザーの力を借りるのが賢明です。一人より二人、会社を見る視点も広がりますし、さらにプロの目で見てもらうことで、今まで知らなかった自分の強みが見つかる可能性もあります。
実家暮らしの人なら、両親や兄弟に相談することも大事です。決して独りで決めようとせず、いろいろな人に相談してみてください。
(出版業 男性 25歳 東京都)
【転職グッド編集部コメント】
一生に何度も無い会社選びは、この方の言う通り、なるべく多くの人のアドバイスや意見を聞いた上で、最後に自分で決断する方がいいと思います。というのも、特に20代の方はさほど社会人経験が長くありませんので、過去数十年の経済動向まで理解している方は少ないはず。一方で両親はあなたより20年以上も長く世の中を見ていますので、良い会社や産業、職業についてそれなりに理解をしているはずで、あなたには気付かないアドバイスをくれるはずです。
また専門のキャリアアドバイザーなどは、何百社何千社の会社を見ているわけですから、(ビジネスということを抜きにしても)適切な判断をしてくれると思います。
もちろん相談したからといって、アドバイス通りにする必要は無く、自分自身で決めるべきだと思います。
この「転職で注意すべきこと、気をつけること」を紹介するコーナーは、この後も続いていきます。次回も楽しみにお待ち下さい。こちらのページに新着を掲載いたします。
また読者の方に「良かったと思ったこと」と「悪かったと思ったこと」を読者に聞いたコーナーも人生いろいろでユニークです。あわせてぜひご覧下さい。