接客業に向いている人、向いていない人-性格、能力、適職性など

接客サービス職に向いている人、向いていない人-性格、能力、適職性など

「接客業」にはどのような人が向いているのでしょうか、またどのような人が向いていないのでしょうか。接客サービス職は、飲食店やホテル、レジャー施設のお客応対のほかキャビンアテンダントなどの乗物客室係も含まれます。ここでは「接客・給仕サービス職」として働いている人、働いていた人に必要な能力や性格、適職性など現場の生の考えを聞いてみました。「接客・給仕職」へ転職を考えている人はぜひ参考にして、面接での質問回答の受け答えにお役立てください。

おもてなしの心「接客・給仕サービス職」

接客業に向いている人「接客・給仕サービス職」の仕事は幅広く、レストラン店長などの「飲食店主・店長」、ホテルや旅館で主に接客に従事する「旅館・ホテルの経営者・支配人」、ウエイターウエイトレス、フロアスタッフなどの「飲食物給仕職」、ホテルフロントや予約係、旅館客室係や仲居、キャビンアテンダントや船舶旅客などの「旅館・ホテル・乗物接客職」、クラブやバーなどの「接客社交係、芸者、ダンサー」、映画館や遊戯施設、スポーツ施設での接客をおこなう「娯楽場等接客員」、百貨店の案内係、接客係などの「その他の接客・給仕職」に分類されています。

「接客・給仕」とはお客をもてなすこと、食事の席で世話をすること。単にお客対応をしたりオーダーを取ったりしていれば言い訳ではありません。サービスという意味には、人のために尽くす、奉仕をするという意味があり、「接客・給仕職」においても値段以上のものを提供するこころがまえと、お客の満足度を高めるサービスの質が求められます。

「接客・給仕サービス職」の分類

接客・給仕サービス職職をおおまかに分類しています。

小分類 職業
飲食店主・店長 レストランや居酒屋などの飲食店店長で経営に携わらない人
旅館・ホテルの経営者・支配人 ホテル支配人、旅館支配人などでで経営職(管理職)に携わらない人
飲食物給仕職 飲食店や宴会場のウエイター・ウエイトレス、配膳係、ソムリエ
旅館・ホテル・乗物接客職 旅館・ホテルのフロント係、接客係、客室係、キャビンアテンダントや船舶旅客係
接客社交係、芸者、ダンサー クラブやバーなどでの接客社交係、コンパニオン、芸妓、フロアダンサー、舞妓
娯楽場等接客員 映画館やゲームセンターなど娯楽施設、遊園地などの遊戯施設、スポーツ施設の支配人や接客職、キャディ
その他の接客・給仕職 百貨店の案内係、接客係など

接客・給仕サービス職の就労者数は

接客業に向いている人平成27年国勢調査によると、接客・給仕サービス職で働いている人は全国で約159万人。内訳は「飲食物給仕職」が約97万人で最も多く、次いで「娯楽場等接客」の約44万人、「飲食店主・店長」の12.6万人となっています。約3分の2は飲食店や宴会場のウエイター・ウエイトレスということになります。
全国の飲食店の数は約67万店(平成24年経済センサス)。生きていく上で欠かせない食事を提供する飲食店は私たちの生活の中でもっとも身近な仕事の一つです。学生時代のアルバイトから始まり、誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。実に多くに人が就業していることがわかります。

接客・給仕サービス職の平均年収・給与

接客・給仕サービス職の平均年収・給与は、「飲食物給仕職」だと男性給与は37.1歳で26.1万円、女性給与が39.3歳で20.2万円、「娯楽接客」だと男性給与は34.1歳で27.0万円、女性給与が35.8歳で21.8万円となっています。
この平均給与は、すべての職業の中の平均年収ランキングでみると、サービス業は14分類中12位となっています。これはパートやアルバイトの数が多いことも大きく影響しています。

男性の場合 年齢 月額賃金、手当含む 年間賞与
その他特別給与額
飲食物給仕職 37.1 26.1万円 24.2万円
娯楽接客員 34.1 27.0万円 30.6万円

女性の場合

年齢 月額賃金、手当含む 年間賞与
その他特別給与額
飲食物給仕職 39.3 20.2万円 13.5万円
娯楽接客員 35.8 21.8万円 13.6万円

※データは「平成24年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)をもとに作成
※企業規模計(10人以上)

ちなみに「サービス職」全体の分類は

ちなみに「サービス職」全体は、職業の幅が広く、下記のように分類されています。この職業分類は定期的に見直されていますが、特にサービス業は新しい仕事が次々に誕生しており、今後も従事する人が増えると予想されている職業です。求職にあたっても、各サービス職の内容を理解しておくことが必要です。

大分類 中分類
サービス職全体
平均年収や給与、解説はこちら
家庭生活支援サービス職-家政婦、ベビーシッターなど
介護サービス職 施設介護員や訪問介護員
保健医療サービス職-看護助手、歯科助手、動物病院助手
生活衛生サービス職-理容師、美容師、美容サービス職、浴場従事、クリーニング職、美容師アシスタント
飲食物調理職-日本料理、シェフ、パティシエ、給食調理、バーテンダー
接客・給仕職-飲食店長や飲食接客員、娯楽・遊戯・スポーツ施設接客
居住施設・ビル等管理職-マンション・アパート、ビルや駐車場の管理人
その他のサービス職-添乗員、観光案内人、葬儀師、火葬係、アロマセラピスト、ビデオレンタル店員、レンタカー営業所員、カイロプラクター、整体師など

「接客・給仕サービス職職」に向いている人、向いてない人

これら「接客・給仕サービス職」はどのような人が向いているのでしょうか。どのような資質や性格、能力が求められるのでしょうか。またどのような人が向いていないのでしょうか。
海外から多くの旅行客が訪れるようになった現在、日本のサービス職の質の高さがあらためて注目されています。ここでは実際に接客・給仕サービス職として働いている人、働いていた人に考えを聞いてみました。現場の生の声をぜひご覧下さい。

爽やかな笑顔で、かつ全体への気配りを欠かさない人

●接客業に向いている人
接客業に向いている人レストラン接客業です。
レストランでありながら回転率の早さが求められるお店でしたので、スピードはもちろんオーダーとお会計時にミスがないこと、お客様を店内へ入れるタイミングに注意していました。
またレストラン内は空調が効いていてもパントリー(配膳室)内は非常に暑く、夏場は余りの過酷さに熱中症になってしまう人もいますので、体力があるのは勿論、パントリーを一歩でたら爽やかな笑顔ができる人、レジ打ち、オーダーをスピーディかつ正確にできる人、それに長時間お待たせしてしまったお客さまに対し、お詫びの言葉がきちんと言えて、出来る限りのフォローができる人(予備の椅子を持ってくる、待ち時間を見込んでお伝えするなど)が向いています。
さらにチームワークも求められるので、チームの和を乱さないこと、誰々が何番テーブルへお食事を提供している、誰々が何番テーブルを片つけているのでお客様を何人入れられる、という全体を見る目も必要です。

●接客業に向いていない人
全体を見てレストラン内のお客と仲間の状況を把握し、スピーディかつ正確に動けることが肝心なので、マイペースでひとつの作業に没頭する事が得意な人には向かないのではないでしょうか。体力に不安のある人も長続きはしなかったように感じます。男女の差は特にないように思います。年を重ねるごとに経験値もあがるでしょうから、仲間内やお客さまに対する接し方は上手な先輩が多かったです。何より1番向かないのは、お客様が何を必要としているかを考えられない人だと思います。
(女性 33歳 長野県)

体調が悪くても忙しくても明るく笑顔で接することの出来る人

●接客業に向いている人
接客業に向いている人接客の仕事は、お客に対して「サービス」を提供する仕事なので、体調が悪くても、忙しくても、どんな時でも明るく笑顔でお客様へ対応できる事が望まれます。
飲食店でお客が望んでいるのは「食事をする」事だけではなく、ホールスタッフの接客態度、お店の雰囲気、食事の質や見た目など付帯するサービスも求められています。
ただ食事をするだけなら自宅でも可能ですが、大切な人とのデート、家族一緒の休日の食事、たまには人の作った食事がしたい、など利用されるお客様は色々な用途やサービスを求めて飲食店を利用します。目の前のお客が何を求めているのかを、素早く察知し、サービスの提供ができる人が向いています。お客様をがっかりさせてしまうような人は、お店の評価を落とすきっかけにもなり兼ねません。

●接客業に向いていない人
サービス業は、お客と接しながら同時に他の仕事を行わなければいけない仕事です。機転が利く人というか臨機応変に対応できない人は難しいと感じます。また、同じお客でも利用した日によって求めている事が異なる事があります。お客の様子や反応を観察し、臨機応変な対応が求められる事があるので、男女問わず細かい気遣いができない方も不向きです。
(女性 36歳 宮城県)

全体の進行を把握する力、見通して動く力が必要

●ウェイターやウェイトレスに求められるもの
向いている人ウェイターやウェイトレスの仕事は多岐に渡ります。
来店したお客を迎えて、座席まで案内。水やおしぼりを提供し、頃合いを見計らってオーダーを取りに行き、時にはお薦めの料理やお客の質問にも答えます。
オーダーを調理場に伝え、テーブルセッティングの用意やアルコール、コーヒーやドリンクなどの提供をおこないます。
調理場から料理が出て来たら、スピーディーに運び、決められた通りにお客のテーブルに並べます。食事は見栄えが重要であり、和洋中によってセッティングの仕方が異なります。料理は調理場の事情によってはバラバラに出来上がることもあるので、一人の料理だけが出ていないことのないようにフロアに注意を図ることも必要です。
食事後は、適切なタイミングで、デザートやドリンクの提供、不要なお皿の改修などもあります。最後はレジでの精算やお見送り、そしてテーブルの片付けまでが一連の流れです。

これらウェイターやウェイトレスに求められるのは
全体の進行を把握する力、見通して動く力です。通常ウェイターは5卓10卓、時にはフロア全体を担当します。1卓だけに注意を向けていればいいわけではありませんので、各テーブルごとの進行状況、調理場との兼ね合いなどを常に把握しながら行動する必要があります。

このことが出来ていないと、ある一つの料理だけが出てくるのが遅い、飲み物を頼んだのに出てこないなど、もっともクレームの対象となる「遅い」状態が起きてしまうのです。
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●もう少し大きなくくりで解説した「サービス職に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説」もご覧下さい。

接客・給仕職に転職を考えている人へ編集部から

「接客・給仕職」の仕事は私たちにとても馴染みのある、イメージのしやすい仕事です。レストランや居酒屋、映画館、スポーツ施設で接客をされた経験の無い人はいないと思います。
そのお店や施設にもう一度行きたいかどうかは、その時の接客がどうだったかに大きく左右されます。誰しも、良い印象を持ったお店にはもう一度行きたいし、悪い印象のお店には二度と行きたくない訳です。接客・給仕職は、例えアルバイトやパートだとしても、そのお店が繁盛するかどうかの鍵を握っている仕事なのです。

「接客・給仕職」への転職は人手不足気味でさほど難しくはありません。最近の有効求人倍率をみても、「接客・給仕職」は3.55倍と、採用側企業が苦労している状態です。
これは反対に転職を考えている人からいえば、現在は条件の良い会社に転職しやすいということです。企業側も優秀な人に来てもらうために、以前とは比べて雇用条件を格段に良くしているところも多くあります。現在より給与の高いお店、休日シフトの恵まれた会社、勤務時間の短い会社を希望している人はチャレンジしてみる価値があるのではないでしょうか。

●もう少し大きなくくりで解説した「サービス職に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説」もご覧下さい。

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