製品製造・組立・検査職に向いている人、向いていない人-性格、能力、適職性など

生産工程職(製品製造・組立・検査)に向いている人、向いていない人-性格、能力、適職性など

製品製造・組立・検査などの「生産工程職」に就いている人は約915万人。製造業の現場を支える「製品製造・組立・検査職」はどのような人が向いているのでしょうか、またどのような人が向いていないと思われるのでしょうか。ここでは実際に「生産工程職」として働いている人、働いていた人に必要な能力や性格、適職性など現場の生の考えを聞いてみました。製品製造・組立・検査職に転職を考えている人はぜひ参考にして、面接での質問回答の受け答えにお役立てください。

製造業を支える「生産工程職(製品製造・組立・検査)」

「生産工程職」は、オペレーターや監視など「生産設備の制御・監視の仕事」、「原料・材料を加工する仕事」、「機械器具を組立・調整・修理・検査する仕事」、「製版・印刷・製本の作業」など、生産工程で行われる仕事などをいいます。
例えば、生産設備オペレーターや監視員、製品製造・加工処理工、機械組立工、機械修理工、自動車整備工、製品検査工などがあります。
「生産工程職」で働く人は約915万人(「平成24年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)による)、さらに小分類は就労者数は以下の通り、製品製造・加工処理の職業(金属製品以外)の約364万人などになっています。

生産工程職 生産設備制御・監視の職業
製品製造・加工処理の職業(金属製品)  約128万人
製品製造・加工処理の職業(金属製品以外)  約364万人
機械組立の職業  約131万人
機械整備・修理の職業  約114万人
製品検査の職業  約50万人
機械検査の職業  約31万人
生産関連・生産類似の職業  約65万人

年々、人手不足が進む「製品製造・組立・検査職」

ここ数年の有効求人倍率をみると、製品製造・組立・検査などの「生産工程職」は、年々、人手不足が進んでいます。
平成25年には倍率0.72%と求職希望者全員が働くことができなかったのですが、平成26年には0.99%、平成27年には1.10%、平成28年夏には1.27%と明らかに倍率が高くなっていることがわかります。徐々に売り手市場(求職者にとって有利な状況)が進んでいます。

生産工程職(製品製造・組立・検査)の仕事内容や平均年収・給与はこちらをご覧下さい。

「生産工程職(製品製造・組立・検査)」に向いている人、向いてない人

これら「生産工程職(製品製造・組立・検査)」はどのような人が向いているのでしょうか。どのような資質や性格、能力が求められるのでしょうか。またどのような人が向いていないのでしょうか。
ここでは実際に生産工程職(製品製造・組立・検査)として働いている人、働いていた人に考えを聞いてみました。現場の生の声をぜひご覧下さい。

集中力と冷静に判断できる能力が必要

●生産工程職(製品製造・組立・検査)に向いている人は
●技術職(開発・製造)に求められるものは「生産工程職」には集中力を持続させ冷静に判断できる能力を必要とします。ライン作業では特に、一つ一つの製品に細心の注意を払わなければ不適合品を流してしまう可能性があります。同じ作業だからといって身体は同じ動きをしていても、脳が働いていなければ不適合品を認識できません。ライン作業でなくとも、それぞれの工程の知識と技術を要するので作業工程ごとに頭を切り替えることが重要です。
生産工程職は物作りが好きな人はもちろん、アイディアに溢れた人、手先の器用な人、何か一つの事を時間も忘れて没頭できる人が向いているといえます。また不適合品を出さない為にも真面目で正直な人であることも求められます。

●生産工程職(製品製造・組立・検査)に向いていないと思う人は
「生産工程職」では常に冷静さが求められる為、落ち着きのない人やおしゃべり好きな人は向いていないでしょう。また製品品質上衛生面が厳しい所が大半です。おしゃれが好きな人には制限が多いので向いていないかも知れません。
工場では大半が立ち作業です。女性は脚がむくみやすいので辛い方が多いようです。しかし女性は繊細な作業が得意な方が多く女性のみの工程も数多くあり、女性が活躍できる職種といえます。一方男性は向上心が高く、一つの工程ならず幅広い分野を任されている人が多いようです。的確な状況判断やトラブルシューティングに強い方が多いようです。
年齢の面でいえば、一つは老眼がネックになるでしょう。生産工程職では目を酷使する作業が多いので辛いかもしれません。特に検査工程では品質にも関わってくるので注意が必要です。
(女性 26歳 宮崎県)

几帳面な人、地味な作業でも根気よくできる人が向いている

●生産工程職(製品製造・組立・検査)に向いている人は
製造業(樹脂加工メーカー)の生産工程職電気制御関係の仕事(主に検査など)です。
細かいところまできちんと目を通せる几帳面な人、また地味な作業でも根気よくできる人が向いていると思います。
図面に沿って一つずつ整合性が取れているか確認を取ったり、動作の確認などの過程で同じような作業を繰り返すこともあります。ですが、すべて意味のある作業なので、これらの1つでも省略してしまうと後で大きなミスにつながる可能性があるからです。このような作業をコツコツと最後まで積み上げていくことが必要な仕事だからです。忍耐力、几帳面さは欠かせない資質だと思います。

●生産工程職(製品製造・組立・検査)に向いていないと思う人は
大雑把で何事も大体で済ませてしまうような人は向いていないです。また、自分の考えを伝えられない人も難しいかもしれません。
きちんとした結果が求められる仕事なので、自分で一から十まで目を通すことができないような人は難しいと思います。自分で確認した検査の結果や不審な点への質問・連絡などもこなさないといけないので、それらをまとめ伝えることができない人も向かないと思います。
それ以外では男女の差・年齢の差はないように感じます。ですが、電気を扱う仕事なので、個人差はあると思いますが苦手意識は出てくると思います。
(女性 33歳 徳島県)

単純作業が苦にならない人

●生産工程職(製品製造・組立・検査)に向いている人は
生産工程職(製品製造職)業務内容は食品の製造です。
重いものを運んだり体を使う仕事なので、ある程度の力があり体力に自信がある人は向いていると思います。
その日によって製造量は変わりますが、作業自体は同じことの繰り返しなので、単純作業が苦にならなければ楽に感じると思います。
基本的に人不足でいつも忙しいため、余計なおしゃべりをせず黙々と作業できる人にはぴったりだと思います。
仕事内容は一度覚えてしまえば簡単にできることばかりなので、あまり頭を使いたくない、体を動かしながら働きたいという人はぜひ一度この業務に就いてみて欲しいです。

●生産工程職(製品製造・組立・検査)に向いていないと思う人は
同じ作業の繰り返しとなるので、自分のアイディアを実現させたい人、毎日変化に富んだ仕事をしたい人には向いていません。
始業から終業までずっと立ちっぱなしとなるので、座り仕事がしたい人ももちろん向かないです。
完成させなければいけない時間が決まっているので、マイペース過ぎたり仕事が遅いと他の人に迷惑がかかるので辞めた方がいいです。
1年のうちで暇な時期が少ないので、簡単に休みを取ることができません。プライベートを充実させたければ事務など他の職種をおすすめします。年末年始や土日祝日はほぼ出勤なので、暦通り休みたい人は向かないと思います。
(女性 30歳 北海道帯広市)

●生産工程職(製品製造・組立・検査)に向いている人は
生産工程職大型製品鍛造工場での製造職です。職業柄危険な作業が多く、人の気性も荒く大きな声を出せないと自分含む作業者が怪我等起こしてしまう可能性が高いです。具体的には100~600トンを超える鉄の塊を、加熱炉で1000度以上に熱しクレーンで運搬し、鍛造装置にて製品成型を行います。
どうしても気が荒くなってしまう昔気質なところのある職場なので、負けじと声をだせる負けん気や、明るく元気よく、細かいことでくよくよしないタフな心や、製品運搬を失敗等しないような高い集中力も必要になってきます。
また製品を成型するうえでの細かな計算もあるので、ある程度の数学力も必要になります。必要とされる資格はクレーン運転工・玉掛作業者などです。

●生産工程職(製品製造・組立・検査)に向いていないと思う人は
向かない人は、気が小さい人・元気が出ない人・コミュニケーションの取れない人・大きな声の出せない人・集中力のない人・良く計算を間違う人・頭の固い人・体の弱い人等です。
理由は、超重量物を運搬から鍛造・ガスでの加工作業等を行うため失敗は災害につながります、高い集中力で失敗のないよう作業が必要なため、怖がってもダメ・熱材のそばで作業のため熱中症もあります。また他の社員と連携を取りながら行う作業なので、言いたいことをきちんと話せるコミュニケーション能力が大事になります。女性の活躍はまだないです。年齢が高くなってからはじめるときつい汚い等で相当厳しい仕事になります。
(男性 36歳 北海道)

●製造業(樹脂加工メーカー)に求められるもの
生産工程職樹脂加工メーカーに勤めています。
就職するには、樹脂の知識はもちろんですが、加工技術(マシニング加工・旋盤加工)の知識が必要です。金属と樹脂では要求される寸法精度や、加工後の歪みが全く違います。樹脂の特性を知りながらの加工技術が大切になってきます。
メーカーのお客に関しても、加工については素人知識であり、無茶な図面を書く人も多くいます。私たちに求められているのは、加工知識をもって提案し、加工しやすい図面にしていくことが必要になります。

●生産工程職の品質管理職に転職する場合
品質管理知識(QC検定・統計手法)が大事になります。一昔前とは違って、大量生産から多品種小ロットに移行しました。ただ作るだけではなく、品質を前段階でつくりこみ、不適合流出を図る事で顧客満足が必要となります。
また、品質保証(顧客対応)・品質管理(社内品質)にて協力する事で、設計へのフィードバックも必要になります。過去不具合が確実に対策に落とし込まれているかをチェックするのも大事になります。
(男性 31歳 滋賀県)

●「製造業(食料品)」の良い点・良くない点
「食料品製造業界」の良い点・良くない点を働いている人に答えてもらいました!(転職の参考にどうぞ)食料品製造会社の工場に勤務しています。良い点としては、やはり安定していることだと思います。各社の競争は熾烈ですが、食品という人間が生活する上で絶対に必要なものを作っているので、業界が著しく縮小するという心配はありません。会社に何も問題がなければ、長く続けることのできるやりがいのある仕事だと思います。 「製造業(食料品)」の良い点・良くない点を見る

最後に編集部から

日本が大きく経済発展したのは、トヨタ、日産などの自動車メーカー、ソニー、パナソニックなどの家電メーカー、そして関連するさまざまな部品製造業によるところが大です。近年では中国や韓国などのアジア勢、イノベーション部分では欧米勢に押され気味ではありますが、まだまだ高品質=日本ブランドは健在です。今後はさらに付加価値のある製品づくりが求められるでしょう。

製造業は雇用者数も多く、いずれも従業員が数千人から数万人の大企業であることから、転職でも検討する人が少なくありません。
「生産工程職」で働く人は約915万人、「技術職」で働く人は300万人弱を含めれば、約1,200万人と日本の人口の10分の1が携わっていることになります。

こちらの製造業の記事もどうぞ

転職体験談(成功・失敗)

  1. 食品専門商社へ転職
  2. [転職体験談] クレジットカード会社に転職したY.Sさん(男性)のケース (内定辞退の話も)
  3. [転職体験談] 美容卸業界から飲料卸会社に転職を決めた愛知県のS.Nさん(男性)
  4. [転職体験談] 実務翻訳者から南の島で念願の広告代理店に転職(沖縄県R.Nさん女性)