「自動車製造業(工場)」に転職を考えている人へ – 業界概要と特徴、仕事内容 [業界研究]

「自動車製造業(工場)」に転職を考えている人へ – 業界概要と特徴、仕事内容 [業界研究]

「自動車製造業(工場)」に転職を考えている人へ – 業界概要と特徴、仕事内容 [業界研究]

「輸送用機械製造業」の特徴

「輸送用機械」には自動車やオートバイ、船舶、航空機、電車の他、自転車や貨車、牛馬車など多様な種類がありますが、「製造業界」として一般に認知度も高い自動車の製造分野について説明していきます。
 トヨタ自動車や日産自動車、本田技研工業などの国内自動車メーカー各社は世界的にも有名です。特に品質管理や生産管理面では、日本人の特性とも言われる勤勉さや几帳面さ、きめ細かさがよく表れていて、他の業界からも「トヨタ方式」というキーワードで自動車メーカーの品質管理を参考にしているケースがあります。生産管理ではそのシステムを「リーン生産方式」または「JIT方式」という名称で世界に知られています。

 自動車の製造過程を映像などで見たことがある方もいると思いますが、専門性の高い技術を要する部分以外はライン作業で行われています。各生産ラインで1台の自動車に費やす時間は平均で約1分と、非常に効率よく作業が行われています。
 1日の生産台数は車種や工場の規模にも拠りますが、メーカーの工場で約1100台~1500台というデータがあります。それに対し、ここ近年で開発が進む燃料電池車は作業の殆どが手作業で行われており、現状での生産台数は1日でわずか3台と、量産体制の確立はこれからの状況です。

「自動車製造業」の現況

 国内自動車メーカーは他業種と比較してもその企業規模が大きく、部品の製造業者も含めると産業自体が非常に範囲の広い分野です。業界規模を表す年間取引額では60兆円を超え、日本の基幹産業として重要な位置づけとなっています。2008年に発生した世界的な経済不況により、以降の数年に渡っては業績の落ち込みもありましたが、ここ3年ほどで持ち直し経済不況前の水準まで戻しています。
 販売戦略としては、以前より北米とアジアの新興国を主要マーケットとしてきました。これらの地域で購買意欲が回復してきたことも、近年の業績が堅調に推移している要因となっています。

 将来的にも自動車製造業界のシェアは拡大の傾向にあります。地域的にはインド、ロシア、アジア諸国で成長が見込まれており、開発面ではハイブリッド車や燃料電池車、自動ブレーキシステム、自動運転技術の更なる発展が期待されています。

 また、自動車には専用部品の割合が多い製品という特性があります。例えば一般の家電製品には専用部品が20~30%の割合であるのに対し、自動車は70%が専用の部品で占められています。このことから、自動車製造業界の好況は自動車の部品製造業界の好況を呼ぶことにつながります。台湾や韓国などのアジア勢にシェアを奪われつつある日本のデバイス産業にとって、自動車製造業界が成長の局面を迎えていることは大きなチャンスといえるでしょう。

「自動車製造業(工場)」に転職を考えている人へ

 製造業で現場の製造工程にかかわる職種の全般にいえる事ですが、自動車製造も基本的にはライン作業となっています。転職をして、仕事に慣れないうちは緊張感を持って業務に取り組むことができても、慣れてくるにつれモチベーションが下がってしまう人も少なくありません。24時間稼働としている工場も多いためシフト勤務となり、時間の不規則さに不満を感じたり体力や体調を維持できなくなってしまいます。
 
 その対策としては2点をお薦めします。1つは、完成した自動車がディーラーに展示されたり購入したエンドユーザーがドライブに出かける場面などを考え、自分の仕事が人の役に立っていることを自覚することです。

 もう1つの対策は目標を持つことです。長期的に、自分はこの業界でどういう存在になりたいのかを明確にして、そこに辿り着くまでの途中目標(小目標)まで設定すれば、「今、自分は何をするべきか」がわかり意欲を持続できます。上司や部署が掲げる目標だけを追う毎日では主体性に欠け、モチベーションを維持できなくなる可能性もあります。部署の目標も大切ですが、ご自身の固有の目標も設定するべきです。また、ご自身で設定した目標を面接など選考の場で発表することで、その意欲を評価される場合もあります。
 設計や企画、開発など専門職への転職を希望する方々も、ぜひご自身の目標を設定し、有言実行でマンネリを打開していきましょう。

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