「社会福祉・介護業界」に転職を考えている方へ。高齢化社会を迎え、65歳以上の高齢者人口は3,100万人を超え、日本の総人口の4分の1(25%)を占めるまでになり、2060年には総人口の40%に達すると見込まれています。「社会福祉・介護業界」の重要度は増しており、国もさまざまな施策を打ち出しています。一方でその業務の厳しさから、人手不足が慢性化、賃金の問題も大きな課題です。
今回は「介護福祉業界」で働いている人(働いていた人)に、業界の良い点と良くないと思う点をアンケートで答えていただきました。前回の「その1」に続く第2弾です。
「介護福祉業界」の良い点・良くないと思う点
介護福祉業界の良い点
私は医療福祉系の業種で働いており、介護老人保健施設で勤務しています。この業界の良い点は利用者様と密に接することが多く、楽しく会話をしながら働けることです。認知症の方は当然いますが、コミュニケーションが全くできないという方はそれほど多くはありません。少しボケている程度なら可愛く見えます。
介護福祉業界の良くないと思う点
人手不足は否めません。介護業界は3Kとよく言われており、そう言われるのも少し納得がいきます。汚い仕事も当然ありますし、夜勤などは体に負担をかけます。しかし給料に関しては介護職員の処遇改善というものがあり、少しマシになっています。しかし施設により極端に給料が安いところは依然あります。
(男性 32歳 香川県 介護老人保健施設 デイケア支援相談員)
介護福祉業界の良い点
介護施設で介護士をしています。介護が必要な方の身の回りのお世話をしていて、早番や遅番、夜勤があったりと不定期な勤務体制です。その為に大変なこともありますが、平日に休みがあるので、買い物や出掛けるのにも人が少ないので、スムーズに楽しむことが出来ます。あとは、やはり高齢者の方を相手としているので、今では聞けないような昔話を聞けるのが楽しくて、人の優しさに触れることで温もりを感じられて、遣り甲斐を感じられることです。
介護福祉業界の良くないと思う点
過労働のわりには給料が安いことと、高齢者の下のお世話や介護は思った以上に体力的にも精神的にも辛いことです。中には暴力をふるう方もいれば、認知症で徘徊する方は目が離せないし、介護が必要な方の身体を動かすのは結構力が必要です。この仕事が好きでなければ、続けられない仕事だと思います。
(女性 28歳 愛知県 介護福祉士)
介護福祉業界の良い点
通所リハビリの介護福祉士です。
日々の業務は朝夕の送迎業務、血圧体温の測定、入浴介助、食事介助、リハビリの補助、集団で行う体操やレクの進行及び補助などです。
私は中卒で無資格、無経験の所からの、入職でした。介護の仕事をしてよい点は、国家資格が実務経験3年で取れると言うところです。
専門学校もありますが学校に行かずとも、日々の業務のなかで学び、試験を受けられます。再来年度からは実務経験に加え、国で定められた講習を受けなければ試験には望めなくなりますが、それでも他の国家資格よりは、受験資格のハードルは低いと思われます。
そして、なんといっても人に感謝される事、人生の先輩から学ぶことも多く、自己啓発にも繋がります。
それから看護師や医師など様々な職種の方との仕事ですので、私生活でも役立つ、風邪予防や、怪我の手当てなどちょっとした専門知識が身に付きます。
介護福祉業界の良くないと思う点
まず、個人差が有るかとは思いますが、力仕事もありますので、腰や膝を痛めている方が多いです。
汚物の始末等の仕事も有りますので、無理な方には出来ません。それから資格があれば手当てなどもつきますが労働の割には賃金が安いです。
(女性 26歳 静岡県 介護福祉士)
介護福祉業界の良い点
介護業界は、人とふれあい関わる事の出来る仕事です。机に向かう仕事と違い常に周りに気を配る必要があるため、仕事が少ないときでも時間をもてあます事がほぼありません。お仕事の対象が書類や物ではなく人と接することなので日々新鮮な気持ちでに業務を続けることが出来ます。
介護福祉業界の良くないと思う点
職務にもよりますが、トイレの介助・おむつ交換等誰でも気軽にできるわけではない仕事も含まれています。そのことに嫌悪感を感じる方には日々ストレスの募る仕事となると思います。
また、お互い感情がありますから、不快な態度をとられることもあります。その気持ちの折り合い、切り替えが出来ることは大切です。
(女性 42歳 茨城県 製造業)
介護福祉業界の良い点
介護職の業界は他の業種に比べて離職率も多く人手不足のため、求人が多くあります。経験がなかったり年齢が高めの人でも採用されます。仕事柄、人間の体の仕組みや病気等についての知識が身に付きます。自分の親が介護状態になっても対応できます。人のお世話をする仕事なので、その経験は実生活で何かと役にたつ事が多いです(例えば周りの人が急に入院した時でも、更衣や食事介助、移乗の補助等の身の回りの世話が上手に手伝える)。何よりも一番おすすめ出来る点は、ケアした人から「ありがとう」と感謝されると、人として自分の仕事に誇りを持て、やりがいを感じられる所です。
介護福祉業界の良くないと思う点
介護職は仕事がきつい割に、給料も社会的身分も低いです。人の命に関わる仕事なので、責任も重大です。移乗介助やオムツ交換等で、体(特に腰)への負担がかかります。老人はマイペースな方が多く、忙しくてイライラする事が多い等ストレスがたまります。事業所への介護報酬が減らされ、今後も削減されていく方向の中、将来性や待遇面の良化はあまり期待できません。
(男性 43歳 北海道 介護職)
介護福祉業界の良い点
福祉:デイサービスでは、見守りや基本的な介護をやりつつ利用者さんと遊びながら働けます。特に人と話したり、楽しく盛り上げることが好きな方は毎日充実すると思います。デイサービスによっては、日曜日休みの所もあり、子育て支援も充実しています。
介護福祉業界の良くないと思う点
福祉:効率や売上をあまり重視しない。特にパソコンを使うことが苦手な方が多いせいか、なんでも手書き、口頭の伝言が多くて非効率的な事が多いです。チームワークが重視されるので、一人で行動することが好きな方には向いていないと思います。
(女性 37歳 福岡県 福祉)
介護福祉業界の良い点
介護業界の有料施設で働いており、資格習得やスキルアップなどの向上を目指すなど一つ一つやりがいがあります。また多くの入居者様やご家族の方と接する機会が有り、これまでの経験などのお話を聞いたりして勉強になります。
介護福祉業界の良くないと思う点
毎日忙しく人手が足りない上に長く続かない人が多いようです。また入れ替わりが激しく、新しく入って来た新人社員の育成が忙しく出来ないことなどで、辞めてしまう正社員も多くいます。
(男性 21歳 埼玉県 福祉)
介護福祉業界の良い点
今から高齢者がどんどん増えている事は分かっています。仕事上の対象となる人が増える業界で働き、スキルアップして行けば、収入もどんどん増えると思います。
資格取得も段々と厳しく難しくなって行くと思いますので、早い段階でこの業界に転職をした方が、明るい将来が待っていると思います。
介護福祉業界の良くないと思う点
介護報酬の引き下げによって、お金の出し惜しみをする事業者が多いと聞きます。本来なら介護職員の賃金アップ等に利用出来る制度で、離職率の高い介護職に歯止めを掛ける筈が実際の所は、違うようです。
(男性 46歳 大分県 介護職員)
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