結婚、出産など女性ならではの仕事の悩みや課題を解説する「女性の転職ノウハウ」コーナーです。
面接時間の中で、大きな割合を占める質問時間。どんなことを聞かれるだろうと、ドキドキしてしまいますよね。
自分の魅力を最大限に伝えるためには、伝え方も大切です。今回は、定番でも、意外性のある質問でも、面接官に「能力あり」と思わせる回答方法をご紹介します。
ほとんどの質問に使える、3つの方法
1.まず答えを述べる(結論から述べる)
例えば、応募の理由を聞かれ、「販売商品の魅力」を回答とする場合です。
「コストパフォーマンスに突出したものや、個性を前面に打ち出したものなど、数ある〇〇商品の中でも、貴社の商品は質と安全性を重視し、長く愛用できる商品開発を心掛けているところに惹かれました」
「商品力です。コストパフォーマンスや個性を重視することが多い業界の中で、貴社の商品は、質と安全性を重視し、長く愛用できる商品開発を心掛けているところに惹かれました」
次に、成功体験を質問された場合です。
「〇年に販売スタートした〇〇について、初年度の営業成績で30名中トップとなり、社長賞を受賞しました」
「社長賞を受賞したことですね。〇年に販売した〇〇という商品ですが、営業30名の中でトップとなったことが受賞理由です」
内容は同じですが、面接の回答として好ましいのは「B」です。
面接は、双方の会話で成り立つもの。相手が必要としている答えを最初に発することで、答えの背景についても耳を傾けやすい環境を作り出しています。面接官がメモを取りやすい面でも、「B」が優勢でしょう。
2.回答の数を述べる
「昨年、昇格されていますね。その理由は何だと思いますか?」
この質問に対する回答が、任されたイベントの成功と、新顧客層の獲得だとします。これもA、Bで比較してみましょう。
「部の目標であった、〇〇イベントを成功させたことにあると思います。また、この成功によって、新たな年齢層の顧客を獲得することもできました」
「理由は2つあると思っています。ひとつは、部の目標であった〇〇イベントを成功させたこと。もうひとつは、この成功によって、新たな年齢層の顧客を獲得したことです」
これも同内容ですが、面接であれば、「B」がより魅力的な回答方法と言えます。
違いは、最初に理由の数(回答数)を述べたところです。
『2つ』と表現したことで、2つ分の聞く耳を面接官に用意してもらえます。しかも、数字はメモを取りやすく、かつ記憶に残りやすい情報です。
回答が複数でないにしても、イベントの規模、目標数値、新たな顧客年齢層を具体的数字で表現することで、魅力が増します。簡潔で具体的な回答に、数字は欠かせません。
ちなみに、これは逆質問でも有効です。
「それでは2件、質問させていただきたいのですが~」と始めることで、面接官に心の準備をしてもらい、おおよその終了時間まで見込ませる、ちょっとしたコツなのです。
3.時事ネタを盛り込む
時事ネタや当日のニュースになぞらえた回答は、相手に「意識が高い」と思わせる要素のひとつです。なにも、高度に社会的・経済的である必要はありません。
「今回、女性、特に主婦層をターゲットとした商品開発ということで募集をしている訳ですが、貴方ならどんな貢献ができると思いますか?」
こんな質問が投げかけられたとします。
「女性ならではの視点を活かして…とお答えしたいところですが、私1人分の女性の視点よりも、より多くの女性の視点や意見を取り入れるところから、スタートを考えると思います。本日の日本経済新聞にも、主婦が集まってひとつの商品についておしゃべりをするうちに、本当に欲しいと思えるものを自分達で作り始め、起業に至ったという記事が掲載されていました。この主婦力を導入する仕組みを作ってみたいですね。」
「仕組みとはどういったものでしょう?」
「例えば、貴社の従来商品について、意見交換や試作品を試していただく場を設け、それによって完成した商品についての口コミにも協力していただきます。主婦のスマートフォン所有率が7割に達したことを考えると、SNSによる情報発信には期待が持てます。私も結婚・出産を経て初めて体感したことですが、主婦のネットワークや情報発信力は想像を超えるものでした。」
上記は理想的な問答で、そう上手くいくものではありませんが、時事ネタや最新データを盛り込むことで、自分の意識の高さを感じてもらえる回答となっています。
ただし、時事ネタは旬がポイント。
業界に関連したニュースや、新聞の一面に出るような情報には敏感でいることが大切です。特に女性の場合は、女性ならではの視点を求められることが多いもの。自分なりの意見を持って、その情報を頭に入れることをおすすめします。
伝え方の重要性
これら3つの方法の共通点とは何でしょうか。
それは、上述していますが、「聞く耳を持たせる」「メモの取りやすい会話」であるということです。
せっかく準備した弁論も、その場で閃いた回答も、相手の耳を通り抜けてしまっては意味がありません。
「耳を傾けさせ、注力すべき内容が何点あるのか準備をしてもらい、記録しやすく情報を提供する」
これができれば、貴方の持つ魅力をしっかり伝えることができます。
「伝え方」は、社会生活のどの場面においても必須な「仕事力」です。能力の有無を判断される、面接時の重要項目であることを肝に銘じましょう。
「ねえ、聞いてる?」
会話相手に、一度でも言った覚えのある方は、要注意ですよ!
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