結婚、出産など女性ならではの仕事の悩みや課題を解説する「女性の転職ノウハウ」コーナーです。転職は人生にとって大きなもので、誰だって失敗はしたくありません。良い仕事、良い会社を選びたいものです。会社や仕事の選び方や探し方、面接の仕方、応募・面接対策など転職活動の進め方、ノウハウを「転職グッド編集部」が解説。あなたの転職活動の参考にしてください。
「入社する以上は長く勤めたい。」日本人の多くがそう考えます。
終身雇用制度を基本とし、転職回数に敏感な日本ならではの考え方とも言えるでしょう。
ですが実際には、『新規学卒者の30%以上が卒業後3年以内に退職している』というデータや、結婚や出産で多くの女性がいったん退職してしまう現実があります。今回は女性が一生働ける仕事・資格はどのようなものなのか、またずっと働ける会社を見つけるにはどんな点に注意して転職を考えれば良いのかを考えてみます。
業界で見る
まずは女性がずっと働ける可能性の高い業界からみてみます。業界とは「製造業」「小売業」「情報通信業」など「業種」のことをいいます。
【顧客年齢層の高い業界】
子育て世代の意見を反映させない育児用品の開発はあり得ません。
だとすれば、年配者向けのサービスを提供する企業に、年配者が存在しないのはおかしな話。
大人向け商品や、サービスを提供する業界であれば、その世代の戦力を必要とする企業も多く存在します。男女関係なく言えることではありますが、特にミドルエイジ以上の女性が興味を持ち、消費を考える商品・サービスを提供する企業であれば、長く活躍できる可能性が高いでしょう。
【成長の期待できる業界】
せっかく頑張ってきたのに、業界全体の縮小でやむを得ない転職となるのは残念ですよね。
成長企業・業界であれば、人件費もかけられるため、従業員のライフイベントなどによる休業や短時間勤務にもバックアップに力を入れることができます。
必ずしも「成長している業界」=「長く働ける」が成り立つわけではありませんが、働く上で伸びている業界を見極めることはとても重要なことです。雇用意欲が旺盛、給与が高いことが多いなど労働者にとって条件が良いことが多いので要チェックです。
具体的には、IT関連の「情報通信業」、高齢化社会を迎えニーズの高い「医療、福祉」などのほか、シニア世代を対象にした「金融業、保険業」「学習支援業」なども成長が期待できそうです。
→ 「産業・業種の分類一覧表」
→ 「業界別・年齢別の平均年収ランキング」
→ 「女性の雇用者数が多い業種ランキング」
企業で見る
次いで各企業ごとに女性がずっと働ける可能性の高さをチェック出来る指標を紹介いたします。
【従業員割合が細かく公開されている】
「定年まで勤務している方ばかりですよ。」と打ち出していても、女性は結婚・出産・介護を機に退職していて、実は男性ばかり…という企業もまだ多いのが現状。男女別の平均年齢や、男女別の従業員の世代割合が公開されている企業の方が安心です。
公開していなくても、実際の数字が良ければ問題ありませんが、公開しているということは、男女ともに定年まで働ける環境作りに力を入れている、あるいはその方向性を持っていると言えます。
厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」では、約8,000社の女性労働者の割合や男女の平均継続勤務年数の差異、男女別の育児休業取得率などを調べることができます(情報公開企業のみ)。おすすめですよ。
【制度が活かされている】
労働基準法や男女雇用機会均等法による制度はもちろん、企業独自で、女性が長く働けるための制度を設けている企業が増えていますが、形骸化していては意味がありません。
制度がきちんと活かされている証拠を公開できる企業であれば、自分が入社しても、その制度を利用できる可能性が高いと言えます。
例えば、
・過去の育児休暇の取得人数と取得率、男性の育児休暇の取得率を公開している。
・短時間勤務中の従業員のサポート業務について、評価ポイントが制度化されている。
・部下の育児休暇や短時間勤務について、上長がサポートできているかを評価対象のひとつとしている。
上記のように、制度を作るだけでなく、それを活かすための作り込みができている企業であれば、女性が安心して長く勤務することができると考えられます。
【女性管理職が多い】
同性であるからこそ理解しやすい面があるため、女性管理職の有無は重要です。ライフイベントを乗り越えてきた女性管理職がいれば、より安心ですね。「内閣府男女共同参画局」のホームページでは定期的に上場企業の女性役員の状況を発表していますから確認してみるといいでしょう。まだまだ女性の管理職比率は高くは無いものの、政府が「女性の活躍推進」を強力に進めていることもあり、徐々に増えつつあります。
【政府の推進する取り組みに名を連ねている】
一億総活躍社会を目指す政府の取り組みは、新聞やニュースで見かけることも多いですね。
この取り組みの一つとして、各省庁が推進する認定マークや企業100選なども参考になります。これらに名を連ねるには、計画だけでなく実績を要する場合が多いため、転職先として調べる価値があります。
→ 【女性管理職が多い】【政府の推進する取り組みに名を連ねている】については、『探そう!女性が働きやすい企業』もご参照ください。
ずっと働くために、今できること
長く働ける会社を探すことも大切ですが、自分自身が長く働ける人材であることも大切。そのためには何が必要でしょうか。
最近、『IT化やロボット導入によって、消える職業』というテーマをよく見かけるようになりました。将来的には医師や弁護士も数が減少するとの意見も出ていますが、現在のIT化やロボット導入によって縮小傾向にあるのは、やはり単純作業・ルーティンワーク等です。
誰にでもできる仕事であれば、若い世代に安い賃金で任せたい。機械化で対応したいと思うのは、ごく普通のことです。ましてや、途中で出産・育児休暇を取り、短時間勤務を必要とする女性が単純作業のみの職種であれば、簡単に職を奪われてしまう危険性はかなり高いでしょう。
この危険を回避するには、専門知識の習得や独占業務のある資格取得、指示されて動くのではなく、自分から案を発し、自ら仕事を選ぶ・勝ち取る立場になるなど、企業にとって欠かせない人材になる。つまり自分自身の価値を高める以外に方法はありません。
貴方が貴方自身の価値を高めるために、今できることを考えることが大切ですね。
●「女性の転職ノウハウ」コーナーは、女性ならではの結婚、出産後の悩みや課題からライフスタイルに合わせた会社の探し方、面接の乗り越え方まで詳しく解説いたします。ぜひ転職の参考にしてください。