保安職に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説

保安職に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説

私たちの命や社会を守る「保安職」は、警察官や自衛官、そして警備職などが属しています。今回は「保安職」に転職を考えている人向けに、仕事内容、平均年収・給与、この仕事に向いている人、向いていない人について解説いたします。ぜひ転職活動の参考にしてください。

「保安職」とは

「保安職」とは社会・個人・財産の保護、法と秩序の維持などの仕事で働く人で、陸海空の自衛官や防衛大学校・防衛医科大学校学生の「自衛官」、警察官、海上保安官、その他の司法警察職員の「司法警察職員」、看守、消防員、警備員など「その他の保安職業従事者」に分類されています。「その他の保安職業従事者」には、海水浴場やプール監視員、ライフガード、自然保護官(レンジャー)、児童交通擁護員、入国警備官、列車見張員(保線工事)なども含まれます。
この職業の場合、大半が国家公務員、地方公務員ですが、警備職のみ民間企業で働く人が多くなっています。

中分類 小分類
自衛官 陸海空の自衛官や防衛大学校・防衛医科大学校学生
司法警察職員 警察官、海上保安官、その他の司法警察職員(漁業監督官、狩猟取締特別司法警察官、麻薬取締官など)
その他の保安職業従事者 看守、消防員、警備員、その他海水浴場やプール監視員、ライフガード、自然保護官(レンジャー)、児童交通擁護員、入国警備官など

「保安職」で働く人は全体の1.8%

「保安職」とは「保安職」を仕事としている人はどれくらいいるのでしょうか。
「平成24年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)によると、「保安職」に従事している人は、全国で約115万人となっており、男女の割合では男性が約108万人、女性が約7万人となっています。働く人のほとんどが男性という職業です。
職業全体の割合は1.8%と、おおよそ100人に2人で、すべての職の中でもっとも少なく、特殊な職業であることがわかります。

なお個別にみていくと
「自衛官」の人数は、陸上自衛隊が約15万人、海上自衛隊、航空自衛隊が約4.5万人、統合幕僚監部等が約4,000人で、合計約25万人となっています。
「警察官」の人数は、都道府県全体で約25万人となっています。「自衛官」と「警察官」を合わせて合計約50万人となります。
なお「警備員」として働く人は全国で約15万人、守衛は1.3万人となっています。

保安職で働く男女比

保安職で働く男女比
「保安職」に従事している人は、全国で約115万人、男性が約108万人、女性が約7万人

   男性 女性 合計
保安職で働く人 約108万人 約7万人 約115万人

「保安職」の平均年収・給与

それでは次に「運保安職」の平均給与、平均年収をみてみましょう。

「保安職」の平均年収・給与「自衛官」の場合、一般の自衛官の士長(20歳)で年収が約305万円、2曹(35歳)で年収が約520万円、中隊長 3佐(45歳)で約767万円となっています。陸・海・空自衛隊や性別、年齢による給与額の差異は無く、あくまでも階級と号俸によって給与が決まります。

「警察官」の場合、日本の代表的な県として長野県の警察職の給与モデルを引用しました。一般の警察官の場合、巡査(25歳)で年収が約386万円、巡査部長(35歳)で年収が約514万円、警部補(45歳)で年収が約658万円となっています。ここには載せていませんが、所属長(7級・56歳)の場合の年収は865万円です。

「平成24年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)をもとにみると、以下の通りになっています。

男女合計の場合の平均年収・給与

自衛官モデル給与 年齢 年間給与
一般の自衛官 士長 20 305万円
一般の自衛官 2曹 35 520万円
中隊長 3佐 45 767万円
幕僚監部課長 1佐 47 1,248万円
方面総監 将   1,883万円
統合幕僚長 将   2,293万円
警察官の年収モデル 年齢 月額賃金、手当含む 年間賞与
その他特別給与額
警察職 警部補 45 31.5万円 189.3万円
警察職 巡査部長 35 30.8万円 144.7万円
警察職 巡査 25 23.5万円 103.9万円
男女合計の場合 年齢 月額賃金、手当含む 年間賞与
その他特別給与額
警備員 50.2 23.1万円 26.5万円
守衛 55.8 23.8万円 44.4万円

※自衛官データは防衛省自衛官モデル給与例をもとに作成
※警察職データは「平成28年 職員の年収モデル(警察職)」(長野県)をもとに作成
※警備員、守衛データは「平成24年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)をもとに作成(企業規模計(10人以上)

「業界別の平均年収」「年齢別・男女別の平均年収」も合わせて参考にして下さい。自分の立ち位置がおおよそ理解出来ると思います。

「警備職」に向いている人、向いてない人

「自衛官」と「警察官」は公務員であるため、今回の解説では社団法人全国警備業協会のデータを参考に、どのような人が「警備員」に向いているのか、「求められる資質、向いている人」について解説いたします。

警備員に求められるもの、向いている人は、
警備員に求められるもの、向いている人警備員が自衛官や警察官と同じ保安職に属しているのは、人の生命や財産を守る仕事だからです。そのために、誰しも転職できる訳ではなく、成年被後見人や破産者で復権していない人、禁固刑などを受けて執行を受けることがなくなってから5年を経過していない人、暴力団員、アルコール・麻薬中毒者などは警備員になることができません。

仕事内容は、会社の事務所、ビルなどで警戒をおこなう「常駐警備」、交通誘導やお祭りイベントなどの雑踏警備をおこなう「交通誘導警備」。この2つが多くを占めますが、そのほかにも金融機関の現金を運搬する「貴重品運搬警備」
、要人の周辺を警戒する「身辺警備」、セコムのような建物内センサーからの侵入や火災発生などを遠隔で警備する「機械警備」などがあります。
人の命や財産と直結する仕事のため、高い公共意識と責任感が求められます。

最後に 「保安職」に転職を考えている方へ

保安の職業は高い求人倍率が続いています
厚労省発表の今夏の求人倍率は6倍以上を記録し、6社が募集を出しても、1社しか採用できない状態になっています。
この数字はすべての職業の中でもっとも高く、いまもっとも人手不足の業種が警備業でしょう。仕事はあるけど、人がいないから、受注できないという虚しい状態が続いていることになります。
5、6年前の求人倍率が 2倍程度だったことを考えても、保安業界がいかに人手不足で苦しんでいるかがわかります

これらは、アベノミクスによる景気の回復で工事や建設警備が増えていること、セキュリティ意識の高まりでオフィスや学校、イベント会場などからの需要が増えていることなどが需要増の理由だと考えられます。

警備職の正規雇用率(正社員の割合)は、管理職、専門的技術的職に次いで高く、75%以上が正規雇用となっています。とにかく正社員として働きたい人には狙い目の職業かもしれません。

転職体験談(成功・失敗)

  1. 食品専門商社へ転職
  2. [転職体験談] クレジットカード会社に転職したY.Sさん(男性)のケース (内定辞退の話も)
  3. [転職体験談] 美容卸業界から飲料卸会社に転職を決めた愛知県のS.Nさん(男性)
  4. [転職体験談] 実務翻訳者から南の島で念願の広告代理店に転職(沖縄県R.Nさん女性)