結婚、出産など女性ならではの仕事の悩みや課題を解説する「女性の転職ノウハウ」コーナーです。仕事に悩みはつきものとは言うものの、場合によっては退職にまで至ってしまう残念なケースも少なくありません。今回は給与が低い、育児と両立できない、人間関係が良くないなどの理由で、本気で退職を考えている人に、少し考え方や行動を変えて、自分を振り返ってみる簡単な方法をご紹介します。
退職を考える理由は人それぞれだけど
退職を考える理由は人それぞれです。
「ここでは成長できない」「給与が低い」そう思って退職届を用意する方。
「もっと顧客と真剣に向き合える会社に移りたい」と転職活動を始める方。
「育児と両立できない」「人間関係が良くない」と悩む方。
中には、退職届を上司のデスクに叩きつける日をぼんやりと想像する方もいるでしょう。
体調に異変をきたすこともあるため、無理にとどまる必要はありませんが、退職するか悩む要素があるのなら、それ以外の方法がないのか、考えてみてはいかがでしょう。
「成長できない・給与が低い」と思っている人は
「今の仕事から得るものは、もう無い。同じことを続けていても、給料は上がらないし…」そんな場合は、転職するつもりで、履歴書や職務経歴書を書いてみましょう。
簡単なものではなく、実際に転職するつもりで作成してみると、今の貴方の転職スキルがわかります。
実際に文字にしてみて、今の自分に魅力があるか疑問を感じるなら、「何をプラスすると魅力を感じるか?」を考えます。そのプラスする魅力が資格や免許であれば、取得してからの方が退職タイミングですし、「こういう業績があれば魅力的だろうなぁ」と思ったなら、それに向かって努力してみます。
「そんなことを言われても、ここじゃそんな業績は残せない。やりたいことをアピールできない」と思うかも知れませんが、「どうせ退職するのだから」という勇気を出してみてはいかがでしょうか。その勇気の結果、居場所がなくなったと感じるなら、それもまた、退職タイミングなのですから。
「もっと顧客と真剣に向き合える会社に移りたい」と思っている人は
「女性はルーティンワークが多く、日々の仕事をこなすだけ。自分の考えで仕事が進められない。もっと真剣に、取引先や顧客と向き合って仕事がしたい、自分の考えやアイデアを出したい…」そう感じている場合は、周囲に貴方の理想を実現できている人を探してみましょう。部署や支店を超えてでも構いませんし、必ずしも女性とは限りません。
コンタクトをとって、その人がどうやって今の仕事を獲得したのか、教えてもらいましょう。話を聞くだけでもヒントがあるかも知れませんし、自分のやる気を伝えることで、協力者になってくれる可能性もあります。
「アプローチなんて無理」などと思わずに、退職する勇気があるなら、チャレンジする価値はあります。
「家事・育児と両立できない」と感じている人は
休暇は、旅行などのリフレッシュに使用するのも良いですが、ここでのおすすめは、単独で動ける時間を持つこと。優先したいのは、『溜まっていた家事の消化』ではなく、今後の家事や仕事が、最短で済むように整理することです。
朝起きてから子どもを起こし、支度をして出社するまでの流れ、退社して帰宅するまでの流れや、帰宅してから就寝までの流れの中に、もっと時短できるポイントを見つけ、整理します。
例えば、冷蔵庫と食器棚に朝食専用コーナーを作れば、食材や食器を取り出す、片付ける手間が少なくなります。新しいタオルがどこにあって、洗濯するものはどこに入れるのかわかれば、家族も協力しやすいでしょう。
顔を洗った後に洗面台は軽く掃除、お風呂も入りついでに掃除してしまう。そのためには、どこに何を置けば良いかと考え、整理をするのです。
学校や自治会・マンション組合のお知らせなどは、わざわざ自宅で時間を作らずに、バッグに入れて通勤時間や休憩時間を利用して確認すれば、学校行事や自治会のイベントで必要なものを手帳やスマートフォンにメモすることもできます。
ひとつずつ見るとたいした時短ではなくても、日々の家事の手間がストレスになり、家族が協力しづらい環境を作り出している場合もありますので、試してみる価値はあるのです。これは仕事の取り組み方にも同じことが言えます。
そのうえで、やはり両立が厳しいのであれば、退職タイミングのひとつと言えるでしょう。
「職場の人間関係が良くない」と感じている人は
その人間関係は、どのように良くないのでしょう?渦中にいると見えないこともありますし、はたから見ると、「その程度で悩んでいるの?」という話もよくあることです。
試しに、全く無関係の友人に相談してみてはいかがでしょうか。実は、なんとなく巻き込まれているような雰囲気なだけで、貴方には全く関係ないのかも知れません。今の気持ちを話すだけで、自分自身で解決策が見つかることもあります。
会社は、人間関係を作りに行くところではなく、共に仕事をすることで、自然に人間関係が築かれていくところです。目的を見誤ると、好きで手に入れた仕事を手放すことになります。
もちろん、体や心に支障をきたすような人間関係に、我慢する必要はありませんよ。
「理由はハッキリしないけれど、会社がイヤ」な人は
「何が一番の理由かハッキリしないけれど、もう会社に行きたくない。あの席に座りたくない…」男女関係なく、そういう気持ちの日もあるでしょう。
ですが、それが毎日続いて、結局は退職につながることもあります。
少しでも『退職』『転職』という言葉が頭をよぎるなら、今の就業先の何に不満を感じているのか、単純ですが文字にしてみましょう。
できれば、『良い点』『悪い点』などを比較表にして、更にその内容を、同業界の実際の求人情報と比較してみます。もちろん、求人情報だけでは人間関係などはわかりませんが、通勤時間、給与や手当、女性が働きやすい制度内容などはわかるはずです。
この作業を進めることで、自分の感じている不満やストレスが明確になっていきます。明確になったものは、対処がしやすいものです。退職タイミングであるか否かも見えてきます。
最後に
以上、退職タイミングについて、自分を振り返ってみる方法をご紹介しました。
現実の退職問題はもっと複雑だとは思いますが、問題をひとつずつクリアにすることは、仕事においてもプライベートにおいても基本です。
少なくとも、冒頭に述べた『退職届を叩きつける』という衝動的な形にならないよう、今の仕事や自分の気持ち、体力、家庭と、きちんと向き合って考えたいですね。
「女性の転職ノウハウ」コーナーは、女性ならではの結婚、出産後の悩みや課題からライフスタイルに合わせた会社の探し方、面接の乗り越え方まで詳しく解説いたします。女性の方はぜひご覧下さい。