「離職期間は何ヶ月までなら許されるの?」「6ヶ月以上のブランクがあると良くないって本当?」など離職期間(ブランク)の長さについて悩む方も多いようです。ここでは厚労省の「転職者実態調査」をもとに、直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に就職するまでの期間について解説をいたします。
離職期間(ブランク)とは?
離職期間(ブランク)とは、直前の会社の退職日から現在の会社の入社日までの期間です。
例えば、前の会社を5月31日に退職をして、3週間ほど転職活動をして、最終的に現在の会社に8月1日に入社した場合、離職期間は2ヶ月になります。なおこの期間中に生計を立てるためにアルバイトや在宅仕事をしたとしても離職期間は変わらず2ヶ月になります。
年代、性別の離職期間(ブランク)をみると
それでは、厚労省の「平成27年 転職者実態調査」から年代、性別の離職期間(ブランク)を見てみましょう。
それによると、全体では「離職期間なし」が 24.6%、「1か月未満」が 29.4%、「1か月以上4か月未満」が 12.5%となっています。期間無しと1ヶ月未満を合わせると5割以上となっており、ほとんどの人は1ヶ月以内に転職していることがわかります。
その一方で、6か月以上(10ヶ月以上を含む)かかった人の割合も約13%あり、決して少なくない数字になっています。これらの中には趣味やレジャーなどで自ら転職活動以外のことをやっていた人もいると思われますが、離職後すぐに活動していたにもかかわらず、良い仕事が見つからない、書類選考で落ちてしまうという人も多いはず。
転職活動にあたっては、事前に準備をしっかりとおこない、スピーディーに進めていくことが、成功の鍵を握っていることがわかります。
離職期間 なし |
1か月 未満 |
1か月~ 4か月 |
|
総 数 | 24.6% | 29.4% | 23.4% |
男 | 25.7% | 30.0% | 22.9% |
女 | 23.0% | 28.6% | 24.0% |
20~24歳 | 23.4% | 29.8% | 23.2% |
25~29歳 | 22.4% | 31.9% | 23.8% |
30~34歳 | 24.8% | 29.7% | 26.8% |
35~39歳 | 24.8% | 27.3% | 20.7% |
40~44歳 | 26.8% | 30.0% | 21.6% |
45~49歳 | 18.0% | 33.1% | 25.9% |
4か月~ 6か月 |
6か月 以上 |
10か月 以上 |
|
総 数 | 9.6% | 5.8% | 7.6% |
男 | 9.5% | 5.8% | 6.4% |
女 | 9.9% | 6.0% | 9.4% |
20~24歳 | 12.8% | 5.4% | 3.6% |
25~29歳 | 9.2% | 7.8% | 5.9% |
30~34歳 | 9.1% | 6.4% | 6.0% |
35~39歳 | 11.5% | 7.5% | 8.7% |
40~44歳 | 8.9% | 3.7% | 8.8% |
45~49歳 | 9.1% | 4.2% | 9.2% |
※出典:厚労省 平成27年 転職者実態調査
離職期間(ブランク)が長くなるとどのような影響があるのか
離職期間(ブランク)が長すぎることは転職活動において、あまり良いことではありません。
本来、転職活動のスケジュールは人それぞれのはずなのですが、採用側企業からすると、なぜ何ヶ月も空いているのか疑問に感じるのです。この人は就労意欲が低いのではないか、職業意識をしっかり持っていないのではないか、といったネガティブなことをどうしても考えてしまうのです。面接官も人間ですから仕方ありません。また本人自身も不採用が続くと、転職活動をあきらめがちになっていることもありえます。
離職期間(ブランク)が長くなった時に答え方
離職期間(ブランク)が長くなってきた人は、「なぜそうなっているか」を明確に答えられるようにしておきましょう。または筋の通った答えのために、後付けでも良いので理由を確保した方がいいかもしれません。
- 例:資格、知識等を取得するため学校等に通っていた
これから働こうとしている業界の仕事に役立つ資格を取得するのはおすすめです。転職をしてからだと時間も取れなくなると考え、離職期間中に動くことは筋の通った行動だと思います。
近年は民間の資格学校のほかにも、ハローワークなどでも再就職に必要な技能及び知識を習得する「公共職業訓練」を実施していますのでチェックしてみるといいでしょう。
- 例:親族の看護や介護をしていた
両親や親族の看護や介護も筋の通った理由です。もちろん就職後に、介護の件はどうなるのかも答える必要があります。
- 例:希望する会社がどうしても見つからなかった
最後の転職と考えて、就職ガイダンスに参加したり、キャリアコンサルティングを受けたりしながら、自分の希望する業種と職種のみ、絞り込んで面接を受けているのも、企業側からすると比較的、安心できる回答です。
などが挙げられます。なおこの長期の離職は求職者側が考えているほど致命的な問題ではありません。もちろん採用側は、離職期間(ブランク)が長いことは気になりますので、その理由を確認しますが、話しの筋が通っていれば(回答に納得できれば)、さらに掘り下げていろいろ聞かれることもないでしょう。だから理論武装やシミュレーションに多くの時間を費やすのは無意味です。それよりも転職先企業業界の経緯や立ち位置、自分の職業意識や就労意欲など前向きな情報収集に時間を掛けましょう。
転職活動は前職在籍中におこなうべきか、退職後から始めるべきか
転職活動を前の会社の在籍中からおこなうべきか、それとも退職後からおこなうべきか。この問題はその人の退職理由(自己都合か会社都合か、職場閉鎖や転勤なのかなど)によってさまざまなので、どちらが正解ということはありません。でも編集部としては、出来ることなら在職中から転職活動をした方がいいと考えます。
理由は離職期間のタイムラグが出れば出るほど、求職者にとってどんどん不利になっていくからです。実家を継ぐなどすぐに次の仕事の当てがある人やしばらく長期旅行に行く予定の人なら良いのですが、退職時点で次のことは全く白紙なのは、引退したスポーツ選手や解任された経営者が言うことです。一般に雇用されて働いている人が全くの白紙ではリスキーなので、面接を受けて内定をもらうところまで行っていないにしても、調査や勉強や応募企業のリストアップなどをおこない、すぐに行動に移せるように準備をしておきましょう。