結婚、出産など女性ならではの仕事の探し方を解説する「女性の転職ノウハウ」コーナー。
就職活動において、ついこの間まで学生だった新社会人と、就業経験のある社会人では、企業の見る目が違います。
同様に、転職する本人も、学生時代とは企業に求めることが違うものです。
今回は、転職活動の結果、内定をもらったと仮定して、入社前に考えておきたい『転職の落とし穴』についてご紹介します。前回の「転職活動編」に続くシリーズになります。
雇用条件、確認しましたか?
「面接で条件を言われて、その条件で入社を決めたつもりが、入社してみたら条件が違う!」
これは、決して少なくないトラブルです。
主なトラブル要因は給与面ですが、女性の場合はこれに加え、勤務時間や休暇なども要因として挙げられます。
「子どもが小さいのだから、病気とかで早退しても良いし、勤務時間もこれで良いよ。」と社長や部署長が面接で言ったとしても、それが就業規則にない条件だとしたら、認めようがありません。
口約束はトラブルの元です。その場で採用と言われても、内定通知書や雇用条件の書類を確認しない状態で、安心することはできません。
雇用に関することは必ず書面での通知をもらい、条件を確認しましょう。
伸びしろを考えてみましたか?
「仕事内容も勤務条件も理想的。即採用と言ってもらえたし、すぐにでも転職したい!」
そう思っても、企業研究をしないまま臨んだ応募・面接なら、落ち着く時間を持ちましょう。
まずは業界・企業研究をして、仕事内容、その職種の伸びしろを考えてみてください。
例えば、
- 魅力的に語られた事業内容や仕事内容に、今後の成長があるのか?
- その仕事に就くことで、貴方の目指すキャリアアップは叶うのか?
- スピード採用には何か理由があるのではないか?
このような視点で再考してみましょう。
もしかすると、『業界として縮小傾向にある』『アウトソーシングが進んで、直接雇用の人材確保の必要が低くなる』『突発的な忙しさだけで採用を決めている』という可能性もあります。
もちろん、「それでも大丈夫!」と言える自信やその根拠があれば良いのですが、できれば家族や友人に相談してみてください。採用と言われた喜びで、気持ちが高揚していることに気付くかも知れません。
憧れや体裁に流されていませんか?
「有名企業なら希望職種じゃなくても良いし、転勤もOK。無名の中小企業なら、希望条件が叶わないとイヤ。」そんな条件を頭の中に描いている就活生は案外多いものですが、転職・再就職でそんな考えを持っているのは困りもの。
絶対に譲れない条件を無視して、皆が羨む有名企業に入社しても、長く続かずキャリアアップは望めません。
転職・再就職で大切なのは、今までの社会生活を振り返り、今後の自分をどう成長させ、どんな生活を送りたいのかを具体的に落とし込むことです。
ネームバリューだけで転職を考えていないか、少し振り返ってみましょう。
賞与の条件、忘れていませんか?
賞与の支給には、就業規則に記載された、勤務期間や支給日在籍等の条件をクリアする必要があります。
転職が決まったら、賞与条件を確認しておきましょう。入社が1日でも遅れると、支給金額が半減してしまうこともあります。
例えば、5/1~10/31の勤務と、支給日の12/1に在籍していることが賞与支給条件の企業の場合、GW明けの入社だと5/1には在籍していないため、就業規則に従い、在籍期間を半分(8/1~10/31)同等とみなし、賞与も評価決定額から半減されることになります。
就業規則によりますが、日数換算、月数換算する企業もあれば、寸志の支給のみ、対象外という企業もあります。給料や賞与については女性の方が質問し辛い傾向にあるようですが、収入は生活に直結する大切な条件。内定をもらっていても…と不安に思うのであれば、他の質問と合わせて目立たないよう確認してみましょう。
家庭との両立を甘く見ていませんか?
転職や再就職は、生活スタイルを変えるということ。
生活スタイルが変われば、家族関係にも変化があるかも知れません。今後の生活の変化に無防備でいると、入社初日から遅刻するような失敗を招きかねないため、出社時間の変更や残業の可能性を家族にきちんと伝え、今後の家事分担や家計の見直しなどを話し合っておきましょう。
【育児中の転職・再就職は特に気を付けて!】
育児中であれば、更に入念な準備が必要です。
子どもは小さな変化に敏感。何が起っているかわからなくても、体が素直に反応して、体調を崩す、今までとは違う個性を発揮する等、ママを悩ませることも十分に考えられます。シミュレーションを重ねて本番に備えた方が安心です。専業主婦期間を経て再就職する場合は、特に気を付けましょう。
※転職・再就職準備については、「採用決定!入社までに準備すべきことは?(仕事編)」「(家庭編)」もご参照ください。
短期戦のみ、長期戦のみで物事を見ていませんか?
今の条件に合う企業だから応募して、入社した…不正解だとは言いませんが、短期的な視野のみで見るのは危険です。長期的な視野で、自分の生活とキャリアアップを見ていますか?
その企業で活躍する、自分の10年後、20年後をよくシミュレーションしてみましょう。
また、長期的な視野を重視するあまり、結婚や出産の予定がないのに、将来を考えて条件のみで転職を考えると、自らキャリアアップにブレーキをかけてしまうこともあります。
人生、不測の事態だらけ。キャリアプランも、それに合わせて変える柔軟性が大切です。今のうちに自分を磨いて備えておくことも、ひとつの方法ですよ。
短期的な視野、長期的な視野、自分に足りない方の視野をつけ足して、今後のキャリアプランを描きましょう。
以上、入社準備編として、女性の転職の落とし穴をご紹介しました。
いざ転職活動に入ると、忙しさによる疲れや、緊張による気持ちの高揚で、入社に対して焦ってしまうことも考えられます。
1人で考え、頑張らなくても良いのです。
家族や友人に相談する。プロのキャリアアドバイザーと共に活動することも、現代女性の転職活動方法ですよ。
「意外に知らない女性の転職の落とし穴 -転職活動編」もぜひご覧下さい。
「女性の転職ノウハウ」コーナーは、女性ならではの結婚、出産後の悩みや課題からライフスタイルに合わせた会社の探し方、面接の乗り越え方まで詳しく解説いたします。女性の方はぜひご覧下さい。