非正規雇用労働者を採用する理由、1位は「賃金の節約のため」は企業としてどうなのか?

非正規雇用の労働者を活用する理由、1位は「賃金の節約のため」、では2位は?

今や企業にとって欠かせない存在となったパート、契約社員、派遣社員などの非正規雇用社員。飲食業や宿泊業、小売業などでは現場の大半を非正規雇用社員でまわしている会社も多く見られます。その数は年々増えており、昭和59年には604万人だったものが、平成11年には1,225万人を突破、平成27年には1,980万人が非正規雇用社員として働いています。

内訳としては、パートが最も多く961万人、次いでアルバイトが405万人、契約社員が287万人、派遣社員が126万人、嘱託が117万人となっています。(その他、不明は除く)

では雇用側の企業はどのような理由で非正規雇用労働者を採用しているのでしょうか?今回は厚労省がまとめた「平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査」をもとに、その実体について解説してみたいと思います。この統計は事業所規模5人以上の民営事業所から複数回答でまとめたものです。

企業が非正規雇用労働者を活用する理由

非正規雇用の労働者を活用する理由、1位は「賃金の節約のため」、では2位は?

もっとも多いのは「賃金の節約のため」

回答でもっとも多かったのは「賃金の節約のため」で全体の企業の中で38.8%を占めました。ここまで単刀直入に答えられると身もふたもない感じではありますが、世の中はグローバル社会の波に飲み込まれ、中国や韓国など比較的人件費の安価な国から多数の製品、サービスが押し寄せており、迎え撃つ日本企業としても様々な費用を抑えざるを得ない現状がわかります。
ですがこの「賃金の節約のため」は前々回の平成22年調査では43.8%でした。約5%ほど減少しており、非正規雇用イコール賃金を抑えられる存在という企業が少しずつ減ってきていることが伺えます。

近年、正社員と非正規社員の賃金格差が問題になっており、同じ仕事をしている労働者には同じ賃金を払うべきだという意見が強くなっています。政府も「働き方改革」推進のため「同一労働同一賃金」の実現を目指していますので、徐々に改善していくと思われます。

2番目に多かったのは「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」

次に多かったのが「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」の33.4%でした。これはパートやアルバイトを雇用する大きな理由の一つですが、飲食店が1日のうちで忙しいランチとディナーの時間帯のみ人員を増やす、小売業が週のうちで最も忙しい土曜日、日曜日にスタッフを増やすといった理由です。
短時間だけ働きたい、家計の足しにしたいなど自主的にパート、アルバイトを選んでいる人にとっては、むしろ企業側が積極的に人員採用、人員補充をしてくれることで、恩恵を受けている部分もあるかもしれません。

3番目は「即戦力・能力のある人材を確保するため」

3番目に多かったのは、「即戦力・能力のある人材を確保するため」の31.1%、4番目に多かったのは「専門的業務に対応するため」の27.6%でした。 これは派遣労働者(受け入れ)を活用する理由として多く挙げられるものです。社内には無いリソース(能力など)を、外部の優秀な人材で補うケースです。
派遣法改正でみられるように、まだまだ改善すべき点が多い派遣業界ですが、このように多くの企業(特に中小企業)の強いニーズの一翼を担っている点については、前向きに考えられる点も多いでしょう。

5番目は「高年齢者の再雇用対策のため」

5番目は「高年齢者の再雇用対策のため 」で26.6%でした。これは非正規雇用の中でも、嘱託社員(再雇用者)を活用する理由として多いものです。長寿社会になってくると60歳そこそこの定年ではとても短すぎます。ただ「再雇用対策のため」の「対策」というよりも、若手には無い優秀な技術や経験を持っている定年退職者や年輩者を雇って、サポートして欲しいという意味合いが強いように思えます。

6番目は「正社員を確保できないため」

6番目は「正社員を確保できないため」で26.1%でした。これは「賃金の節約のため」とは逆の理由ともいえます。ここ数年、「いくら募集を出してもぜんぜん人が来ない」という声も多く聞きます。特にあまり労働環境や雇用条件がよくないといわれる「建設業」や「飲食業」「福祉」では、切実な人材不足に悩まされているところも多いはずです。これは「働き方改革」で挙げられた保育士不足に悩む保育園も同様で、業界としての環境改善はもちろんのこと、国としても早急に取り組むべき課題といえます。

7番目以降は
「賃金以外の労務コストの節約のため」が23.0%
「正社員を重要業務に特化させるため」が22.8%
「臨時・季節的業務量の変化に対応するため」が21.2%
「長い営業(操業)時間に対応するため」が20.9%
「景気変動に応じて雇用量を調整するため」が20.7%
「育児・介護休業の代替のため」が9.3%
と続いていきます。

「賃金の節約のため」は社長としてどうなのか?

「賃金の節約のため」を大きな理由に考える企業がコストの低減を求め続けた結果、正社員と非正規社員の間にどんどん賃金格差が広がっています。「非正規社員と正社員の賃金格差を無くす「同一労働同一賃金」が実現?」でも解説しましたが、35~39歳の場合、正社員が309,700円に対して、非正規雇用者は204,800円と月に10万円もの差があります。

正規、非正規がまったく同じ仕事をしているとはいいませんが、10万円もの差がつくほど仕事の内容は違うのでしょうか。
賃金を安く抑えられる非正規雇用労働者を多く雇い、正社員とほぼ同じような仕事をしてもらうことで、わずかばかりの利益を出して、銀行や創業者一族、取引先に対して自分たちの代の面目を立たせているだけということはないのでしょうか。本来はもっと本質的な製品の再構築や再開発など、世界と対峙できる画期的なイノベーションを追求すべきなのに、です。

結局、車や住宅、家電が売れなくなってきている原因は、高額な商品やサービスを買えるだけの賃金を従業員に払わない自分たち企業にあるのかもしれません。

「努力をしたものが報われる」「頑張った人が成功する」ことは資本主義社会が誇るべき点です。ただ欧米諸国のように「成功したものだけが優位になる社会」に振り子が振れすぎてしまうと、格差が広がってしまい、平均的所得層から不平不満が渦巻いてしまいます。

「同一労働同一賃金」など国が取り組む「一億総活躍プラン」が一定の成果を収めると、「賃金の節約のため」など誰にでも経営できるような理由では企業としての利益を出せなくなっていくはずです。「自社にしかできないものは何か、簡単に真似されないものは何か」「世の中の人が求めている潜在的なニーズとは何か」を、このような時代だからこそ懸命に考えていく必要があるのではないでしょうか。

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