「医薬分業率」の過去25年の推移-薬剤師・薬局の将来は?

医師と薬剤師がそれぞれの専門分野で業務を分担し、病院の敷地外に調剤薬局を置く「医薬分業」がいっそう進んでいます。厚労省の発表によれば現在、「医薬分業率」は70%を超えています。「医薬分業率」とは、わかりやすく言えば、医療機関の外来で処方箋を受け取った患者が、院外の薬局で調剤を受けた割合のことで、「処方箋受取率」ともいいます。算出方法は、処方箋枚数(薬局での受付回数)を、「医科診療(入院外)日数」×「医科投薬率」+「歯科診療日数」×「歯科投薬率」で割って、100をかけたものです。

下記のグラフは約25年前からの「医薬分業率」を表したものです。平成3年(1991年)には12.8%だったものが、平成15年(2003年)には50%を突破、平成27年(2015年)には過去最高の70%を超えています。その昔は病院の中で(長い長い待ち時間を経て)薬をもらっていたものですが、現在では処方箋だけをもらい、院外の薬局で薬を購入することが日常になりました。(年度別の詳細な表はこのページ下部にあります)
過去25年の「医薬分業率の推移」

「薬漬け医療」「リベート供与事件」を経て

そもそも「医薬分業」とは、医師と薬剤師がそれぞれの専門分野で業務を分担し、国民医療の質的向上を図ることを目的としたもので、その歴史は古く明治時代に制定された「医制」にまで遡ります(公益社団法人 日本薬剤師会)。とはいっても実際には有名無実状態で、医師が処方し、そのまま院内で薬を提供することが続いていました。これは患者からすれば一箇所で完結できることやかかりつけの医療機関から直接もらえる安心感などもありますが、一方で(薬剤料で生業を立てていた医師が多かったことから)過剰投薬などのいわゆる「薬漬け医療」の問題、また「医薬分業」であっても、大規模病院の敷地内や周辺に出店した新興調剤薬局などによる「リベート供与事件」などの社会問題も生まれてきました。
そのために、厚労省では平成5年(1993年)に「薬局業務運営ガイドライン(厚労省サイトへ)」を通達、医療機関などからの独立、薬局の名称、表示、構造設備、開設者など、薬局の役割や運営方法に厳格なルールを設けたのです。上記のグラフを見ても明らかですが、このガイドライン以降、「医薬分業」が急速に進むこととなります。

「医薬分業」

「医薬分業率」が70%を超えたものの、その実体は

急速に進み出した「医薬分業」によって、「医薬分業率」は平成21年(2009)には60%を突破、平成27年(2015年)には過去最高の70%を超えました。
たしかに重複投薬の減少や医薬品の減量、後発医薬品の使用促進、待ち時間の縮小など一定の成果を収めているものの、現実的には、医療施設の敷地内や近接地で営業する「いわゆる門前薬局」であることがほとんどです。病院の敷地外に、なかば無理矢理建てられたような薬局で、薬を受け取ることに違和感を感じたことがある人も多いのではないでしょうか。少し例えが悪いのですが、まるでパチンコの景品受け取りと同じようなものです。たしかに経営者も管理者も別で、資本関係もないものの、現在の「医薬分業」とは、このように医療機関と大手調剤薬局が、がっちりタッグを組み実現しているものなのです。その結果、今度は調剤薬局の儲けすぎに批判の声が上がるようになります。

新しい薬局と薬剤師のあり方を示した「患者のための薬局ビジョン」

今日の現状は、国が描いた本来の「医薬分業」の姿ではありません。これらの問題を受け、厚労省は平成27年(2015年)に新しい薬局と薬剤師のあり方を示した「患者のための薬局ビジョン」を発表しました。「かかりつけ薬剤師・薬局機能の強化」によって、本来の「医薬分業」である、患者の服薬情報の一元的・継続的把握や24時間対応・在宅対応、医療機関等との連携など「地域包括ケアシステム」の実現を目指しています。いわば、医療機関と薬剤師が地域医療社会の核となって、高齢化社会を支援する戦略です。

これからの薬剤師と薬局

この国の考える社会は、「「かかりつけ薬剤師」になるには?今後の新しい「薬局」の姿とは?」をご覧いただくとわかりますが、薬剤師と薬局が大きな鍵を握っており、医療機関とほぼ対等の位置づけで、患者に対して接することが求められています。これまでのどちらかと言えば、患者が持ってきた処方箋に沿って薬剤を提供する受け身的な職業から、患者ひとり一人の状態を把握し、服用薬の適切な管理やアドバイス、指導などコンサルティング的な攻めの姿勢に転換していく必要があります。顧問弁護士、顧問税理士のような存在に近いのでしょうか。同時に、この制度が進めば、薬剤師や薬局はこれまで以上に社会的地位も向上し、報酬もアップし、かつ「患者の生活を支える」という使命感、やりがいも大きくなるでしょう。
その一方で、薬局、薬剤師同士の競争も激しくなり、ついて行けない場合には淘汰されるでしょう。先に述べた弁護士、司法書士のようなプロフェッショナルな存在、患者ひとり一人を支援する個人事業主のような立ち位置で働くことを期待されているのかもしれません。「「かかりつけ薬剤師」になるには?今後の新しい「薬局」の姿とは?
実力のある薬剤師にとっては楽しみな世の中になってきたのではないでしょうか。

医薬分業率 全国平均 (%)
医薬分業率 (%)
平成3年(1991) 12.8
平成4年(1992) 14.1
平成5年(1993) 15.8
平成6年(1994) 18.1
平成7年(1995) 20.3
平成8年(1996) 22.5
平成9年(1997) 26.0
平成10年(1998) 30.5
平成11年(1999) 34.8
平成12年(2000) 39.5
平成13年(2001) 44.5
平成14年(2002) 48.8
平成15年(2003) 51.6
平成16年(2004) 53.8
平成17年(2005) 54.1
平成18年(2006) 55.8
平成19年(2007) 57.2
平成20年(2008) 59.1
平成21年(2009) 60.7
平成22年(2010) 63.1
平成23年(2011) 65.1
平成24年(2012) 66.1
平成25年(2013) 67.0
平成26年(2014) 68.7
平成27年(2015) 70.0

薬剤師に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説」 と 「薬剤師の平均給与・ボーナス・年収を年齢別に公開」もご覧下さい。前回の記事と合わせてご覧いただくことで、薬剤師に転職する際に必要な基礎知識を理解することができます。

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