転職者は就職をするためにどうやって仕事を探しているのでしょうか。
トントン拍子に転職をしてしまう人もいれば、良い会社が見つからずに失業手当を受けながら懸命に探している人もいます。
昔と違っていまは、ハローワーク以外にもリクナビNEXTやDODAなどの転職サイト、転職エージェント、新聞折込の求人情報などいろいろな情報が手に入りますので、特にどのような方法で活動した結果、転職に成功したのかが気になるところです。
ここでは厚労省がまとめた「平成27年転職者実態調査」をもとに、転職者が現在の勤め先に就職するためにどのような方法で転職活動を行ったか(複数回答)を解説いたします。
転職活動の方法、もっとも多いのはハローワーク
調査結果によると、「公共職業安定所(ハローワーク)等の公的機関」が 41.4%と最も高く、次いで「縁故(知人、友人等)」が 27.7%、「求人情報専門誌・新聞・チラシ等」が 24.2%となっています。
やはり国の機関ならではの安心感と老若男女問わず多数の求人情報が集まるハローワークが1位になりました。全国各市町村に設置されていることや、失業手当などの申請業務をおこなっていることから、一度は足を運ぶ人が多いことも影響しているでしょう。
次いで多かったのは意外にも「縁故(知人、友人等)」の27.7%でした。この調査は複数回答OKではありますが、ほぼ3人に1人が縁故を活用したことがわかりました。コネクションで入社まで辿り着くには、なかなか大変なことですが、有効な手段であることがわかります。
3番目4番目は民間の求人情報や職業紹介機関
3番目は特に20代~30代に圧倒的な支持を得ている「求人情報専門誌・新聞・チラシ等」、4位は「民間の職業紹介機関」でした。
以前「転職活動はハローワークだけでおこなうのは危険!転職サイトやエージェントも活用しよう 」でも解説いたしましたが、民間企業のメリットは、無料で求人募集ができるハローワークと違って、比較的採用に熱心な企業が集まっていることも大きいでしょう。あとはビジネスでやっているため、サービスやスタッフの質が高い、WEBサイトが使いやすいなどの理由もあると思われます。ちなみに今回は紹介していませんが、最終学歴別にみると、「民間の職業紹介機関」及び「企業のホームページ」は、おおむね、学歴が高くなるほど利用した転職者割合が高くなっていることがわかっています。
転職活動の方法(複数回答)
単位% ※出典:厚労省 平成27年転職者実態調査
男 | 女 | |
ハローワーク等の公的機関 | 38.4 | 45.6 |
民間の職業紹介機関 | 18.9 | 18.7 |
求人情報専門誌・新聞・チラシ等 | 21.1 | 28.6 |
企業のホームページ | 13.7 | 13.4 |
企業訪問 | 2.2 | 1.9 |
出向・前の会社の斡旋 | 7.9 | 3.7 |
縁故(知人、友人等) | 29.7 | 24.9 |
その他 | 11.1 | 11 |
不明 | 1.4 | 1.4 |
ダイナミックなのは「企業訪問」
調査結果でダイナミックだと感じたのが「企業訪問」です。割合は多くありませんが、これは転職したい企業に直接訪問して、募集の有無を確認するということなのでしょうか?
とてもアクティブな方法ですね。企業側も「直接来ないで欲しい」と思う企業もあるでしょうが、それほど弊社に興味を持っていただけるのなら・・ということで、悪い気はしないかもしれません。「募集を出していない企業、受付(応募)は不可なの?」でも解説いたしましたが、きちんとしたマナーとステップを踏めば、案外有効な方法かもしれません。
最後に
数十年前の転職と言えばほぼハローワーク(職業安定所)だけでしたが、リクルートが中途採用のマーケットを切り開いてからというもの、いまでは数多くの企業が進出しています。特に近年はインターネットやスマートフォンの普及で、自宅にいながらいろいろな仕事を探すことができる時代です。民間企業の求人情報にはハローワークには出ていない求人情報も多数あります。パソコンが苦手でアナログな人もさまざまな方法で就職活動をしてみることをおすすめいたします。この調査は転職に関する有益な情報が手に入ります。前回の「転職をして給料が増えた人、減った人、変わらなかった人」もぜひご覧下さい。参考になると思います。