「外構エクステリア工事業」に転職を考えている人へ – 業界概要と特徴 [業界研究]

「外構エクステリア工事業」に転職を考えている人へ – 業界概要と特徴 [業界研究]

「外構エクステリア工事業」の特徴

 住居の外構(敷地内で住居の屋外となる庭などのスペース)を彩るエクステリアも、近年はデザインから設置、施工まで様々な業者が対応するようになりました。かつての日本型とも呼ばれる「クローズド外構」は、門扉や塀で敷地の内と外を遮断し、住宅を含めた住まい全体の風格を誇示する役割を果たしてきましたが、現在は欧米の住宅に見られるような開放感のある「オープン外構」を施したものが増えてきました。門扉や塀ではなく樹木や草花が植えられ、外を歩く人も楽しめる開放的なデザインとなっています。それと同時に、町並み全体の景観向上にも一役買っています。「クローズド外構」と「オープン外構」それぞれの長所を取り入れた折衷型のスタイルとして「セミクローズド外構」というスタイルもあり、現在の日本で主流の外構デザインとなっています。

 外構には高い機能性と娯楽性が求められる傾向にあり、設置物は先述した門扉や塀、樹木、草花のほか車庫やカーポート、物置、アプローチやウッドデッキなどがあり、材質や色、デザインと多彩なアイテムがあります。
塀などの設置には土木や左官の技術が必要ですし、木や植物を取り入れるなら植物に関する知識もいります。また外構の構図を決定するにはデザイン能力も求められます。このように、エクステリアの工事に携わるには様々な知識や能力が必要です。それだけにやり甲斐のある仕事ともいえるでしょう。

「外構エクステリア工事業」の現況

 外構工事に関わる事業は、それ自体には長い歴史があります。近代日本の需要としては「クローズド外構」と呼ばれるスタイルが一般的で、敷地の境界となる高い塀や門がその象徴となる存在です。敷地の内と外を隔てる形式は、個性を反映したエクステリアを実現しやすい事と防犯上の有用性から支持されています。
一方、敷地内のエクステリアを地域の景観にも活かす考え方が「オープン外構」の基礎となっています。このスタイルは欧米で主流となっていますが、防犯技術の発達もあって日本でも取り入れられるようになりました。

 ただし、現在の日本で主流となっているのは「セミクローズド」という外構スタイルで、これは塀や門扉または樹木、物置などで敷地内のプライベート性を確保しつつ、周囲の景観と程良い調和も持たせたものです。

 通常、塀の設置には左官業者の工事が必要で、樹木を植えたり剪定するには造園業者への依頼が必要となります。物置やカーポートの設置も含め、それぞれを別業者に依頼しては手間がかかる上に費用も高額となります。そこで、総合的に外構工事を行う業者やハウスメーカーのエクステリア部門に一括で依頼し、コストを軽減させる方法が支持されるようになりました。外構工事を一括で行うため費用は割安で済みますが、個性は反映されにくく無難なデザインで施工される傾向となり、結果的に「セミクローズド外構」が日本で主流となった要因に繋がっています。

「外構エクステリア工事業」に転職を考えている人へアドバイス

 外構工事には土木、左官、造園など様々な施工技術が導入されており、それらの調和がエクステリアとしての完成度を高めています。
この業界への関心をお持ちの方には、まずご自身がどういう技術を身に付けたいのかを明確にしておく事をお勧めします。先述したような施工技術を身に付けるにはいずれも長い鍛錬を必要としますし、国家資格や技能検定も用意されています。
いわゆる「職人の業界」ですので、資格が万能とは言い難い面もありますが、技術を身に付ける指標として資格取得を目指すのも良い方法です。また資格を取得することで大手の工事業者やメーカーなどにステップアップを考慮できるようにもなります。
主な国家資格ですが、土木業界では「土木施工管理技士(1級・2級)」、左官業では「左官技能士」や「登録左官基幹技能者」、造園業では「造園施工管理技士」や「造園技能士」といったものがあります。

 エクステリアをデザイン面で支える存在としては、CADオペレーターの仕事があります。CADは建築や土木、機械など設計の対象によって種類が異なります。また近年は3D‐CADの注目度も高まっています。
CADオペレーターの技術取得を目指す方には、大学や専門学校の他、社会人向けの各種講座や通信教育、ハローワークの職業訓練といった学習機会が設けられていますので調べてみると良いでしょう。

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