介護福祉士になるには?求められる能力、資質は?(第2弾)

介護福祉士になるには?求められる能力、資質は?

前回の第1弾「介護福祉士に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説」ページでは、介護福祉士の仕事内容や平均年収(1ヶ月の給与)、国家資格の状況、職業分類について解説いたしました。
今回はその第2弾「介護福祉士に必要なスキルと適性、向いている人、向いていない人です。実際に「介護福祉士」として働いている人、働いていた人に聞いてみました。経験者ならではの率直な意見、ユニークなアドバイスが集まっています。介護業界へ転職を考えている人はぜひ参考にして、面接での質問回答の受け答えにお役立てください。

介護福祉士に必要なスキルと適性、向いている人

「介護福祉士」は身体障害者施設等の社会福祉施設の介護職員や訪問介護員として介護や指導、相談業務などをおこなう仕事と明記されています。「介護福祉士」はどのような資質や性格、能力が求められるのでしょうか。反対にどのような人が向いていないのでしょうか。ここでは実際に「介護福祉士」として働いている人、働いていた人に考えを聞いてみました。現場の生の声をぜひご覧下さい。

介護福祉士に一番大切なのはコミュニケーション能力

●介護福祉士に向いている人は
介護保険法についての知識も必要ですが、基礎的な身体介護の技術も必要になります。技術に関しては経験を積んでいくと、基本的な支援から何かあった場合でも臨機応変に対応していけると思います。でも、一番大切なのはコミュニケーション能力です。介護福祉士として勤めていると、たくさんの高齢者と話す機会があります。中には気難しい方もいれば中々心を開かない方もいますし、話すのが大好きな方も苦手な方もいます。そんな方々との会話を大切にしながら介護をしていくのが、介護福祉士です。他職種との連携も必要な職種で人との関わりが大切な仕事なので、コミュニケーション能力がある方は仕事も楽しく続けられますし向いていると思います。

●反対に介護福祉士に向いていないと思う人は
よく介護福祉士の仕事は「汚い」「臭い」「キツイ」と良いイメージはないと言われます。更に給料も安いとか過労働だとか人手不足も問題になっています。根本的なことだと高齢者を相手にする仕事なので、お年寄りが好きな人じゃないとこの仕事は続かないと思います。お年寄りに優しく出来ない、汚いとしか思えないような方は介護の仕事をしたとしてもストレスから虐待や身体拘束をする立場になってしまう恐れがあります。あとは給料が安いということもネックです。
(女性 29歳 愛知県 介護福祉士)

介護福祉士は観察力がある人が向いている

●介護福祉士に向いている人は
介護福祉士多くの人を見なくてはならないので、観察力がある人が向いていると思います。また、思ったことを口に出すのが苦手な方も相手にしなくてはならないので、状態の変化なども読み取ることが出来るような気配りが出来る方は最適だと思います。また、排泄介助や入浴介助なども行いながら、不安を取り除くよう、一人ひとりの心に寄り添ったケアを取り入れなくてはならないので、臨機応変に様々なことが出来ることと、小さな変化にきちんと疑問を抱いて追求する探求心が携わっていると、心の変化も体調の変化にも早期に気がつくことが出来るため、最良のケアを行うことが可能であると言えます。

●反対に介護福祉士に向いていないと思う人は
介護の現場には高齢者が多く、認知症などで同じ訴えを繰り返す方が大勢います。そのようなときに、介護福祉士は安心させるための嘘を言わなくてはなりません。施設に入居していて自宅に帰ることが出来ないような方が「いつ帰れるの?」と質問したとき、正直で真面目な人は「迎えは来ない」と真実を述べてしまいがちですが、これでは認知症の方などは不安で不穏になりかねません。介護福祉士の仕事は時には相手のための嘘をつかなくてはなりません。真面目すぎる方や、正直すぎる方は向いていないと思います。
(女性 33歳 熊本県 介護福祉士)

常に相手の立場に立って物を考えられること

●介護福祉士に向いている人は
保育士何よりもお年寄りが好きで、尊重した対応ができることが求められます。
現場では体力があって体を動かすことが好きな人が良いです。
また資質としては、細かいところに気を配ることができること、常に相手の立場に立って物を考えられること、お年寄りの日々の体調をしっかりと見ていて、臨機応変に対応できる人などが向いていると思います。
介護を行う上で、一番大事なのは知識でも技術でもなく、心持ちです。
常にお年寄りの立場になって考えることができないと、日々の業務が機械的になってしまうからです。ちょっとした気配りができると、利用者からの信頼が得られるので、こう言った仕事をする上で大事な要素だと思います。

●反対に介護福祉士に向いていないと思う人は
事務仕事や流れ作業を好むような人、またすぐに感情的になってしまうような人は特に向いていないと思います。。
日々の業務はある程度決まっているため、流れに任せているだけだと、お年寄りをモノの様に扱ってしまう人がいます。。
実際、介護職による高齢者虐待のニュースは後をたちません。お年寄りの立場にたって物を考えることができなくなり、また認知症のお年寄りだと、ついイライラとしてしまうこともあります。時には厳しい言葉を言わないとわかっていただけないこともありますが、言い方を考えずに感情的になってしまうようでは介護職として不向きだと思います。
(女性 30歳 大阪府 介護職)

介護福祉士は理解しようとする柔軟性が重要

●介護福祉士に向いている人は
保育士ちゃんと利用者の話が聞けて、なおかつその話から利用者が困っていること、して欲しいこと、求めていることを想像できる人です。病気や精神面などにより、思っていることを正確に伝えることが難しい利用者が多いので、表情や動作、生活環境などの少ない情報から、要望を導き出す力が必要だと思います。
杓子定規で無い人が向いていると思います。時には想像を超えた行動をする利用者がいるのですが、行動を否定せずに話を聞けるかどうかでケアの質が変わってくると思います。
あとは体力勝負の仕事なので、精神的にも肉体的にもタフな人が向いています。

●反対に介護福祉士に向いていないと思う人は
常に上から目線で相手に接する人です。たとえ社会的、常識的に正しいことであっても、それが利用者にとって正しいこととは限らないからです。時には常識的な正しさを超えて、理解しようとする柔軟性が必要な仕事だと思います。
あとは当たり前のことなのですが、ルーズな人は向かないと思います。
利用者のお金を預かったり、自宅でケアを行うこともあるので、信用されていなければ質の高いケアは行えません。言葉遣いや行動だけでなくある程度はちゃんとした身なりをしていないといけないと思います。
優しくない人も向いていません。人に対する優しさが根底にないとできない仕事だからです。
(女性 37歳 静岡県 介護福祉士&訪問介護ヘルパー)

嫌なことがすぐに顔に出てしまう人は向いていない

●介護福祉士に向いている人は
介護職施設で生活していらっしゃる利用者に「こうしてあげればよりよい生活を送れるのではないか」「利用者の方に今までと近い生活を送らせてあげたい」という気持ちが大事だと思います。
そのためには利用者の表情や仕草、コミュニケーションを図る中で利用者の思いをくみ取らなければなりません。少しの変化に気づくことのできる観察力やコミュニケーション能力が必要になります。利用者の生きてきた時代背景を勉強しておくとスムーズです。
また生活を支援していく上で、誤嚥や肺炎、褥瘡など高齢者に多い疾病についての知識も必要になってきます。突然急変することもあるので冷静な判断力も求められます。

●反対に介護福祉士に向いていないと思う人は
利用者に寄り添うことのできない人は介護職には向いていないと思います。排泄介助などお世辞にも綺麗な仕事ばかりではありません。嫌なことがすぐに顔に出てしまう方も、利用者の方と信頼関係を築くのは難しいかもしれません。
業務の中に記録が必ず出てきます。やはり医療職とも連携していますので、最低限の医療用語を知っておく必要があります。勤務していることで次第に分かってきますが、自分から学ぶことをしないと成長しないので日々勉強が必要に感じます。
(男性 26歳 青森県 介護職員)

ストレスに対しての耐性が強く我慢強い人が向いている

●介護福祉士に向いている人は
転職で注意すべきこと高齢者や障害者など対応する利用者(相手)の気持ちを理解し、程好い距離感を保ちながら相手と接することが出来る人が向いています。相手がどのような支援、援助を求めているか介助や接する中で察しなければならないこともただあります。相手によっては上手く事が運ばない事がただあるので、それらに対して冷静に解決策や相手を安心させられるような笑顔、態度、姿勢を見せなければなりません。ストレスに対しての耐性が強く我慢強い人が向いています。すぐイライラせずにいざとなった時に動ける人がこの業界では求められています。利用者の家族に対しても失礼のない態度でケアが出来る人が向いています。

●反対に介護福祉士に向いていないと思う人は
介護の世界に向いていない人は、イライラして自分の利益しか考えない人は向いていません。人によって悪い意味で態度を変えすぎる人も向いていません。何故ならば、人間と人間の関係の中で介護は成り立つので利用者(相手)が介護者を嫌がる、拒否することになれば成り立たないからです。仕事と言えど、気持ちに寄り添いすぎて一人一人の利用者に対して近すぎる距離感を持つのも向いていません。考えすぎたり悩みすぎたりすることによって、自分自身の身体や精神(心の状態)が持たずに燃え尽きてしまうからです。そういった「やりすぎ」によって、限界を感じ、辞めてしまわれる介護者も少なくはありません。
(男性 21歳 兵庫県 介護職員)

介護福祉士へ転職を考えている人へ編集部から

介護福祉士へ転職を考えている方、現在介護福祉士で勤務先を変えたいと思っている方、最後に大事な点をいくつか。

また介護職の中途採用面接にあたっては、これまでの実績や経験を聞かれるのはもちろんですが、人格、人となりも重要視されます。上記の皆さんのアドバイスの通り、介護福祉士の仕事は利用者、連携する医療技術職とのコミュニケーションが重要で、普段からの人間関係が円滑に仕事を進めるポイントだからです。採用されるには、自分の性格、考え方の特徴などを客観的に把握した上で、面接先の会社の社風に合わせた人物像をアピール出来るようにしておきましょう。
前回の第1弾「介護福祉士に転職-仕事内容や平均年収・給与、向いている人を解説」ページで、仕事内容は1ヶ月の平均賃金、国家資格の介護福祉士についてまとめてありますのでご覧下さい。

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