前の会社にて転職を決意した理由(退職理由)と、新しい会社に入社できた(採用された)と思う理由を聞くコーナーです。今回は新卒で入った会社の不明朗な社内体制に嫌気がさし、3年目に広告代理店に転職をした奈良県の女性に話していただきました。
不透明な社内体制が日に日に嫌になってしまった
新卒で入社したこの会社は、ワンマン会長、お飾り社長のいる会社でした。歯科医院への小売りや輸入代行、各種サービスを行う会社でした。有力歯医者とベタベタの関係で、社員は完全な小間使い状態でした。女子社員はコンパニオンと思っているように感じました。
入社二年はがむしゃらにがんばっていて、仕事を覚えるのに必死でした。経理や庶務関係を担当していたので、業務量も多かったですが、良い先輩がいて、厳しくも優しく仕事を教えてくれましたし、自分もそれに応えようとしました。同僚とも仲が良く、気持ちの良い人たちばかりでした。
三年目になって、後輩もできたのですが、会社の方針があまりにも行き当たりばったりなのと、経理面のグレーな部分がかなり見えて、後ろ暗いことをしていない会社に勤めたいと思うようになりました。その思いが日に日に増して、人の役に立つ仕事で、子供ができたときに胸を張って誇れる仕事がしたいと思い、20代での転職を決めました。
転職面接では前職の悪口を言わないように気をつけ、熱意をぶつけた
就職活動中は、自分の力ではできないことを人に代わってやってあげて感謝される仕事を探しました。その中に、再就職先である広告代理店がありました。高校生の進学先を決めるときに有益な情報を、高校教諭に代わって教えたり届けたりする仕事です。
面接では、前職の悪口を言わないように気をつけ、人様に恥ずかくない真っ当な仕事がしたい、そのためにはなんでもするし、努力もすると伝えました。また何も知らない高校生に正しい情報を伝え、自分の力で進学先をきめる助けができる仕事は誇りが持てる素晴らしい仕事だと言いました。社長が面接してくれたのですが、喜んでくださったようです。自分のできること、やりたいことを気持ちを込めて伝えることが内定をもらえた決め手だったと思います。
私は現在38歳ですが、結局、この会社には12年勤め、やりがいを感じていました。転職としては、ステップアップでよかったと思います。最終的に課長職まで務めさせてもらいました。
「転職グッド」編集部からのコメント
この方の場合は、新卒で入った会社が嫌になって3年目に転職をしたケースです。転職は人生にとって大きなもので、安易に行動に移すものではありません。でも中には耐えられなくなったり、新しいことにチャレンジしたくなったりで、転職する人も大勢います。
新しく入った会社はリクルート系、マイナビ系の代理店でしょうか?人生の進路に迷いがちな高校生に有益な情報を届ける、やりがいのある仕事だったようです。そのことは、この短い文章の中からも、転職して良かったこと、結果的にその後12年も勤めることができたことへの満足感がしっかり伝わってきます。
嫌になったからといってすぐに転職をするのはよくありません。でも半年、1年経っても気持ちが変わらない時は、思い切って転職を考えてみるべきです。転職によってもしかしたら給与は下がってしまうかもしれません。でもお金には代えることのできない「やりがい」「充実感」を掴むチャンスでもあります。
この方の「人の役に立つ仕事で、子供ができたときに胸を張って誇れる仕事がしたい」という言葉が印象に残ります。