結婚、出産など女性ならではの仕事の悩みや課題を解説する「女性の転職ノウハウ」コーナーです。
限られた時間で仕事の成果を上げるには、計画性を持って行動することが大事です。
これは人生でも同じこと。特に、結婚や出産などで生活が大きく変わり、収入や自分の時間が変動しやすい女性にとっては、人生全般に計画性が必要です。
そこで、今回は『ライフプラン』について考えます。
ライフプランとは?
ライフプランとは、簡単に言えば、人生の計画表のようなものです。
『30歳までに結婚したい』『50歳で早期退職して旅行中心の生活を送る』という希望や目標ではなく、それを叶えるために必要な『お金』を中心としたプランニングを指します。
「保険の勧誘?」と思われるかも知れませんが、実際、人生のどの場面においても『お金』は必要不可欠です。
自分のライフプランをイメージしてみよう!
ある程度のライフプランは、自分で作成することができます。以下のイメージ図から、是非、自分でも作成してみてください。
今回は、『女性28歳。既婚。子1人(2歳)。昨年自宅購入。』と仮定したキャッシュフロー表(現在含め6年分)を用意しました。
本来は、毎月かかる家計の収支や、ライフイベント表(結婚や子の入学など)をひとつずつ作成する前提があり、それを含めてライフプランと言うべきですが、イメージを掴むことを最優先として、最終的に作成するキャッシュフロー表のみを見ていただきます。
キャッシュフロー表イメージ (単位:万円)
上段の表が現在~2年後、下段の表が3年後~5年後になります。
年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
経過年数 | 現在 | 1年後 | 2年後 |
夫 | 31歳 | 32歳 | 33歳 |
妻(本人) | 28歳 | 29歳 | 30歳 |
長男 | 2歳 | 3歳 | 4歳 |
ライフイベント | 妻短時間勤務終了 | 夫勤続10年休暇(海外旅行へ) | |
夫の収入 | 380 | 380 | 380 |
妻の収入 | 200 | 250 | 250 |
一時的な収入 | 10 | ||
収入合計(A) | 580 | 630 | 640 |
基本生活費 | 200 | 200 | 200 |
住居関連費 | 144 | 144 | 144 |
車両費 | 35 | 35 | 35 |
教育費 | 55 | 55 | 55 |
保険料 | 24 | 24 | 24 |
その他の支出 | 25 | 25 | 25 |
一時的な支出 | 60 | ||
支出合計(B) | 483 | 483 | 543 |
年間収支(A-B) | 97 | 147 | 97 |
貯蓄残高 | 100 | 247 | 344 |
年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
経過年数 | 3年後 | 4年後 | 5年後 |
夫 | 34歳 | 35歳 | 36歳 |
妻(本人) | 31歳 | 32歳 | 33歳 |
長男 | 5歳 | 6歳 | 7歳 |
ライフイベント | 長男七五三 | 車買い替え 固定資産税優遇措置終了 |
夫昇進 長男小学校入学 |
夫の収入 | 380 | 380 | 440 |
妻の収入 | 250 | 250 | 250 |
一時的な収入 | 5 | 10 | |
収入合計(A) | 635 | 630 | 700 |
基本生活費 | 200 | 200 | 210 |
住居関連費 | 144 | 150 | 150 |
車両費 | 35 | 36 | 36 |
教育費 | 55 | 55 | 60 |
保険料 | 24 | 24 | 24 |
その他の支出 | 25 | 25 | 30 |
一時的な支出 | 10 | 200 | |
支出合計(B) | 493 | 690 | 510 |
年間収支(A-B) | 142 | -60 | 190 |
貯蓄残高 | 486 | 426 | 616 |
※表の形は日本FP協会ウェブサイト( http://www.jafp.or.jp/ )を参考に作成しております。
※貯蓄残高の変動率などは考慮していない簡易的なものとなります。
表には、家族年齢、結婚・子の入学などのライフイベント、収入・支出といった項目があり、それが1年ごとにどう変化していくかの数値を入れていきます。
例えば2018年は、夫が勤続10年でリフレッシュ休暇とともに金一封(10万円)を受け取ることが決まっており、これを機会に家族で海外旅行に行く計画を立て、その費用として60万円を予定していることを記載しています。
2020年は、クルマの買い替えで200万円の出費を予測していること、2015年に購入した自宅の、固定資産税優遇措置期間が終了することを反映させています。
この表を20~30年を目安に作成することで、自分の将来にかかるお金や、どこに時間的余裕が生まれるかがわかり、その結果、『何歳から再就職するべきか』『転職するならいつがベストか』『早期退職は実現できるか』等の想像に答えを与えてくれます。
実際には、計画通りにいかないこともありますし、予期せぬ事態があって当たり前の人生ですから、ライフプランを人生とともに更新していくことで、常に自分の目指すべきところを把握するようにします。
「お金が必要だなぁ」「資格を取るには3年くらいかかるかなぁ」と漠然と考えるだけに比べて、はるかに計画的な行動ができるはずです。
プロを活用する方法も
「自分1人でライフプランを立てるのは難しい。」「もっと具体的に知りたい。」という場合は、自分で勉強もできますし、プロに相談するという方法もあります。
ファイナンシャルプランナー※は、まさに、人生にかかる『お金』について教えてくれるプロですから、年金の算出方法なども含めて相談すると、漠然と感じているお金の不安をしっかりと数値化してくれます。
また、今は細かいライフプランは立てたくない。老後の備えがどのくらい必要か知りたいだけ、という場合は、日本年金機構の『ねんきんネット※』や、様々なサイトでシミュレーションができますので、是非試してみてください。それだけでも、自分の経済的目標が以前よりハッキリしてきます。
※ファイナンシャルプランナー:家計管理や資産運用、税制、保険、老後の生活設計など、経済的な側面から人生設計をサポートする専門家。
日本FP協会 https://www.jafp.or.jp/
※日本年金機構『ねんきんネット』http://www.nenkin.go.jp/n_net/
ライフプランニングから始めよう
以上、ライフプランについて考えてみました。
人生において、希望や目標を持つことはとても大事ですが、お金なしには実現不可能なものも多くあります。
好きな仕事を好きなように続けていても、収入が少なくて生活を支えきれないのであれば、何かしらの工夫をする必要があります。それが転職なのか、今の職場でキャリアアップを目指すのか、全く別の目標を持つのかは人それぞれです。想像していたより余裕があるから、もっと自分の時間を持って趣味を楽しみたいという場合もあるでしょう。
ライフプランの作成は、そんな気付きを与えてくれます。
「ぼんやりとした希望や目標はあるけれど、結局何もしていない。」「転職したいけれど動き出せずにいる。」という方は、ライフプランニングから始めてみてはいかがでしょうか。
人生を『お金』と『時間』で表してみると、現実感がともなって、行動力が増してきますよ。
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