「非鉄金属製造業」はどんな仕事なの?概要と特徴、転職のアドバイス [業界研究]

「非鉄金属製造業」はどんな仕事なの?概要と特徴、転職のアドバイス [業界研究]

「非鉄金属製造業」はどんな仕事なの?概要と特徴、転職のアドバイス [業界研究]

「非鉄金属製造業」はどんな仕事なの?

 「非鉄金属」という名称を聞いたことのある方も多いと思いますが、これはいわゆる鉄(鋼・metal)以外の金属全般を指します。アルミニウムやマグネシウムなどの「軽金属」、銅やスズなどの「ベースメタル」、ニッケルやクロムなどの「レアメタル」などに分類されます。金や銀、プラチナ(白金)を総称した「貴金属」もこの分類の1つです。
 それぞれの分類、種別ごとに様々な製品が作られていますが、ここでは「軽金属」に分類されるアルミニウム(アルミ)製品業界について説明していきます。

 アルミニウムで作られている製品といっても相当な種類があり、その多くは普段の生活の中で目にする物です。飲料などの缶やアルミホイル、自動車・自転車の部品、パラボナアンテナ、窓枠のサッシや各種建材、道路標識などがあります。1円玉もアルミ製品の一種といえます。こういったアルミ製品を製造しているメーカーには「アルミ圧延メーカー(押出メーカー)」、「アルミ加工品メーカー」があります。
 日本は世界的に見ても、これらアルミ製品の需要が高く(アメリカに次いで消費量は世界第2位)、製品の種類も多いことから企業も多く存在します。経済不況の影響で一時は厳しい状況となっていましたが、徐々に生産の盛り返しを見せています。
 シェアの大半は大手企業が担っていますが、下請けとなる中小企業や、外資系企業もあり、国内の全産業から見て比較的活気のある業界といえます。

 多くの製造業にも当てはまりますが、繁忙期を中心に残業が発生します。また、夜勤や3交替勤務制を採用している工場もあります。
 性別としては男性の多い環境ですが、アルミ製品の特性上、極端に重い物ではないので女性の職員が勤務している工場もあります。

「非鉄金属製造業」の現況-各メーカーとも輸出を強化

 アルミ製品は、鉄製品と比べるとまだ歴史の浅い材料ですが、他の非鉄金属製品を引き離し、鉄に次ぐ金属材料の地位を確立しています。重量にして年間約400万tの消費があり、様々な商品の軽量化にも貢献している現状から商品開発は今後も高まる見通しとなっています。
 国内の需要は現状では高いものの、少子化による将来の人口減が予想される中、各メーカーは外需に伴う輸出強化に力を入れ始めています。それに伴って海外に製造拠点を置く企業も生産量を増やしてきています。海外での生産活動としては、欧米の「アルミニウムメジャー」と呼ばれる大手メーカーとの関係性が課題となっており、開発力の強化がカギを握っています。
 その一環として、再生資源としての活用が注目されており、リサイクル技術も発展しています。これは日ごろの生活でも「リサイクル缶」などの日用品で目にすることができます。
 製造技術、外需に目を向けたグローバル化、再生資源を中心としたエコロジーへの貢献と、将来性のある施策に取り組んでいる実態から、非常に魅力のある業界といえます。経済不況や震災の影響などから厳しい時代も過ごしてきましたが、最近の円安と株価の推移から業界全体としては上昇気流に乗り始めています。

「非鉄金属業界」は定着率の高い業界

 非鉄金属業界の就職事情としては、採用の動きはありますが新卒者の定着率も高いことが特徴です。平均勤続年数は約15年と、基本的に「辞めずに長く続ける」傾向の強い業界です。これは裏を返せば、それだけ魅力のある業界ともいえそうです。とはいえ、同業他社でそれなりの実績を持った方でない限り、最初は製造ラインの一職員として勤務することになりますので、コツコツと実績を積み重ねていける継続性と、技術を吸収する努力を支えるための意欲や積極性が必要です。また基本的に立ち仕事ですので、ふさわしい体力や健康面といった部分では適性も存在します。スキルとしては、フォークリフトの免許や実務経験、ハンドリフト操作の実務経験などは有利に働く可能性があります。
 就業者の4割弱が他分野からの転職者で占めていますので、中途採用の下地はあります。また業界全体の平均年齢が約40歳となっており、若年層でなくても環境面で不利に立つことはありません。
 繁忙期を対象とした期間雇用職員や派遣社員も多いですが、そういった立場から評価を受けて正規雇用となるケースもあります。条件によってはそのような立場から仕事を経験してみるのも方法のひとつといえそうです。

 近年のアルミニウム製品では、自動車部品や電子機器部品に注目が集まっています。これらの製造過程ではある程度手先の器用さのある方が好ましいといえそうです。ただしこれは慣れの部分もありますので、さほど執着する要素でもないでしょう。業界の動向を知り、自分の現在地からどのようにステップアップしたいのかを伝えて、魅力ある業界への転職を勝ち取りましょう。

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