「今後3年間に転職者を採用予定」と答えた企業が5割超え -転職志望者に好条件

全企業の5割以上が転職者の採用予定あり

厚労省の「平成27年 転職者実態調査」によると、今後3年間に「転職者を採用する予定がある」と答えた会社は52.6%、「転職者を採用する予定はない」が11.4%、「未定」が34.2%、「不明」が1.9%となりました。
また「転職者を採用する予定がある」と答えた企業のうち、「転職者を優先して採用したい」と答えたのは約33%、「新規学卒者を優先して採用したい」は約12%、「どちらとも言えない」は約55%でした。
実に全企業の半数以上が「転職者を採用する予定がある」と答えており、景気が回復し、中途採用が旺盛になっていることがわかります。

今後3年間の転職者の採用予定

業種で一番高かったのは「情報通信業」

一番高かったのが「情報通信業」で70.5%、次いで「生活関連サービス業、娯楽業」が65.5%、「運輸業、郵便業」が65.1%、「医療、福祉」が56.6%、「建設業」が56.3%、「宿泊業、飲食サ-ビス業」が55.7%となっています。「情報通信業」はインターネットやスマートフォン関連、人工知能やIoT(モノのインターネット)などの成長が著しいからでしょう。「運輸業、郵便業」と「医療、福祉」は慢性的な人手不足によるもの、「建設業」は震災や東京オリンピック関連などの需要増が要因だと思われます。

なお今回は載せていませんが、企業の規模別に見ると、「転職者を優先して採用したい」では、会社の規模が小さいほど割合が高く、「新規学卒者を優先して採用したい」では、会社の規模が大きいほど割合が高くなっていいます。つまり中小企業ほど人手不足にも関わらず、新卒が採用できないため、即戦力としての期待がもてる中途採用を重視しているようです。

また採用予定の転職者の職種(複数回答)をみると、「専門的・技術的な仕事」が45.1%、「販売の仕事」と「サービスの仕事」がともに28%、「事務的な仕事」が23.6%、「管理的な仕事」が13%となっています。もっとも多い「専門的・技術的な仕事」の仕事とは、例えば、科学研究者、機械・電気技術者、一級建築士、プログラマー、システムエンジニア、医師、薬剤師、看護師、准看護師、栄養士、福祉相談員、保育士、介護支援相談員、公認会計士、税理士、教員、記者、編集者、デザイナー、写真家、速記者などをいいます。
詳しい「職種の分類表」はこちらをご覧下さい。

産業別 今後3年間の転職者の採用予定

産業分類 転職者 採用予定あり 転職者 採用予定なし
D.建設業 56.3% 8.8%
E.製造業 50.0% 14.0%
F.電気・ガス・熱供給・水道業 26.7% 13.2%
G.情報通信業 70.5% 8.7%
H.運輸業、郵便業 65.1% 8.5%
I.卸売業、小売業 48.9% 12.8%
J.金融業、保険業 37.6% 16.0%
K.不動産業、物品賃貸業 54.2% 12.2%
L.学術研究、専門・技術サービス業 52.8% 13.4%
M.宿泊業、飲食サービス業 55.7% 10.0%
N.生活関連サービス業、娯楽業 65.5% 6.6%
O.教育、学習支援業 34.0% 12.0%
P.医療、福祉 56.6% 10.2%
Q.複合サービス事業 30.4% 12.6%
R.サービス業(他に分類されないもの) 55.6% 11.7%
S.公務(他に分類されない)
A.農業、林業
B.漁業
C.鉱業、採石業、砂利採取業 42.0% 15.0%

今後、条件の良い転職企業が出てくる可能性大

今回おこなわれた「転職者実態調査」は、厚生労働省が、5人以上の常用労働者を雇用する事業所から約17,000 事業所、またそこで働く転職者から約 11,000 人を無作為抽出して2015年10月1日現在の状況について実施したものです。
その中で、半数以上の企業、2社に1社が「転職者を採用する予定がある」と答えていることは、現在、転職を考えている、または機会があれば転職をしたいと考えている人にとって希望の持てる結果になっています。

転職に当たっての優先事項は人それぞれです。「自宅から近い会社」「残業が無い会社」「休日出勤の無い会社」「人事評価がオープンな会社」など自分が希望する会社の募集がいつ出てくるかはわかりません。すぐに転職する予定はなくても、日頃から「転職サイト」をチェックしたり、「ハローワーク」に顔を出したり、事前準備をしておくことが重要です。

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