日本の有休消化率ランキングは世界26カ国中25位、取得に罪悪感を感じる人が圧倒的

日本の有休消化率ランキングは世界26カ国中25位 - 取得に罪悪感を感じる人が圧倒的

今回は有給休暇の消化率についてです。みなさんは自分の有給休暇が年に何日あって、いま何日消化しているかご存じですか。ひと頃と比べれば日本の有給休暇の取得率は改善してきていますが、いまだ職場によっては休みにくい雰囲気が漂っているところも多いのではないでしょうか。

少し前の記事ですが、オンライン旅行会社エクスペディアが2015年冬に発表した「世界26カ国 有給休暇の国際比較調査2015」から、世界の中における日本の有休消化率について取り上げてみます。

日本の有休消化率ランキングは世界26カ国中25位

この調査は、2015年10月6日~10月22日の間に、日本、インド、アラブ首長国連邦、オーストラリア、韓国、香港、シンガポール、マレーシア、タイ、ニュージーランド、米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、アイルランド、オランダ、フィンランドの世界26カ国の18歳以上の有職者男女(フルタイム、パートタイム、自営業)計9,273名を対象におこなったものです。

「有給休暇は何日間支給されますか?/何日間消化しますか?」という問いから、世界各国の有休消化率を算出したところ、日本は60%という結果で、世界26カ国中25位でした。ちなみに最下位は昨年同様、隣国韓国。東アジアがワースト1位、2位を占めるという少々悲しい結果となっています。
日本の有休消化率ランキング

有休を100%取っているのは

反対に与えられた有給休暇を100%取っているのは、ブラジルやフランス、スペイン、オーストリアなど5カ国で30日支給されて30日すべてを消化していました。パッと見るとラテン系が2カ国入っていますね。これらの国は前年も前々年もほぼ100%なので、有休を使うのは当然のことと考える風土が根付いていることがわかります。
少し意外だったのがアメリカで、15日支給で11日消化、消化率73%という結果でした。ロングバケーションをしっかり取るイメージがあるのですが、案外そうでもないことがわかります。

有給消化率最下位を脱出した日本

一方、少々良い傾向もあります。日本は調査を開始した2008年以降2013年までずっと消化率が最下位だったのですが、ここ2年は下から2番目に浮上しています。政府の取り組み、企業の取り組みが少しずつ改善していることの表れなのかもしれません。
日本の有休消化率ランキング

会社の有給休暇が何日あるのか知らないのはダントツ日本人

続いて「有給休暇は何日間支給されますか?」という質問に対しては、なんと半数以上の53%の日本人が「知らない」と答えています。この数字は2位の韓国23%をダブルスコアで引き離しての圧倒的な世界1位となりました。
自分の権利に対して無頓着なのか、そもそも全て消化する気が無いから調べないのか、いずれにしても世界の回答とは乖離していることがわかります。
会社の有給休暇が何日あるのか知らないのはダントツ日本人

休みが不足していると感じますか?

休みが不足していると感じますか?
次に「休みが不足していると感じますか?」という問いに対して、「はい」がもっとも多かったのはシンガポールの70%、香港、インドの65%、スペインの62%の結果でした。スペインは有休支給30日をすべて消化しているにもかかわらず、まだ少ないと考えている人が多くなっています。さすがシエスタの国ですね。

一方の日本は「はい」と答えた人が39%と低い結果になっています。勤勉勤労をモットーとするお国柄だからなのか、休みが少ないと考えている人もさほど多くないようです。だからすべてを消化しようとしないし、何日有休があるのか知らない人が多いわけですね。

有給休暇を取得するのに罪悪感を感じますか?

次に「有給休暇を取得するのに罪悪感を感じますか?」という質問に、日本人は18%の人が「はい」と答えています。こちらも世界ダントツナンバーワンです。また「後ろめたい理由」として挙げたのは「人手不足だから」という回答が一番多くなっています。自分が休むことによる仕事の停滞や、同僚への迷惑を懸念しているようです。
長時間労働や時間外労働も厭わない環境が問題となっていますが、やはり日本人は個よりも集団を重んじ、周りに気を配りながら生きていくことを、幼少の頃から教育されている国民なのかもしれません。
有給休暇を取得するのに罪悪感を感じますか?

「仕事に満足している」と答えた日本人は世界最下位

「あなたは仕事に満足していますか?」という質問に対して、「はい」と答えた日本人は17%と、世界26カ国中最下位となりました。満足していると答えた割合が高かったのは、メキシコの72%、インドの55%、アメリカの53%、ブラジルの51%と軒並み半数以上の結果が上位を占めています。
「仕事に満足している」と答えた日本人は世界最下位

日本人は本当にこれで大丈夫なのか?

仕事に満足している人が半数を超える世界各国に対して、日本人の17%とは大丈夫なのでしょうか。残りの83%が満足していない、またはどちらともいえないということになります。有休の取得率は世界26カ国中ほぼ最低の25位、それでいて有休が何日あるのか知らないし、休みが少ないとも思わない、そして休みを取ることに罪悪感を感じてしまう、仕事にもさほど満足していない・・・・。

なんとなく常日頃から集団の中で迷惑をかけないように、自分の感情を抑えながら生きているために、鬱屈したものを抱えてしまっている日本人、周りから白い目で見られないように生きている日本人、暗闇の中で日本の良くない点が浮かび上がってくるようです。

江戸時代の封建社会制度、それとも明治時代の家父長的家制度が良くなかったのでしょうか。このようなちょっとしたアンケートからも、今の日本が抱える集団主義の課題が見えてくる気がします。

少し大きな話しになってしまいますが、ひとり一人が自分の考えを持って、集団に極端に依存することなく、自信を持って生きていくことが出来る社会。そしてチャレンジしている人を尊ぶ社会、その結果失敗した人を讃える社会は難しいのでしょうか。一歩踏み出してみる勇気が、いまの日本人に一番必要に思えてなりません。

※このエクスペディアの調査結果はこちらにさらに詳しく載っています。ご覧下さい。https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2015/

※掲載画像はすべてエクスペディア社の出典です。

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