前の会社にて転職を決意した理由(退職理由)と、新しい会社に入社できた(採用された)と思う理由を聞くコーナーです。今回はアパレル関連からフレンチレストランの調理見習いに転職した東京都の男性に話していただきました。
勤めていたアパレルがファストファッションに押され衰退傾向に
長い間アパレル関連の仕事に関わっていました。直営店もありましたが基本的にはオリジナルブランドの製品卸しがメインの会社で、私は企画デザインから生産までほぼ全般にわたり管理を担当していました。
ただ年々生産体制が国内から海外に変わっていったのと、グローバル化で企画が内容よりもスピード重視になってきたことに、ストレスを感じていました。ファストファッション全盛の現在、メイドインジャパンの品質が通用しなくなってきたのです。
もともとモノ作りをしたくて入った業界でしたから、企画内容は二の次という傾向は寂しいものがありました。好きでないものを作り続けることをこの先ずっとやっていくのか、そう考えると苦痛で憂鬱になってしまったのです。
一時期は独立を試みたこともありましたが、営業が苦手な上に、人件費を含めた大きな資金が必要になるため、結局、断念して転職しました。
いきなりフレンチレストランの調理見習いに
新しい会社はアパレルとは全く関係なく飲食業です。結構名の通ったフランス料理のお店です。
面接はそこそこで数日間の研修を経て何とか採用になりました。年齢的にはかなり不利だったのですが、たまたまタイミングが良かったのと、入っても辞めていく人が多い業界なのでいつも人手が足りないのが救いでした。
仕事の内容は調理場での作業、つまり調理の見習いからのスタートでした。飲食関係の職場は学生時代のアルバイト以来です。当然ながら技術や知識面では素人レベルでしたから、かなり苦労しましたが、その後別店舗への転勤を乗り越え、今では何とか中堅クラス的な存在までは扱ってもらえるようになりました。
レストラン業界というのはみんな最終的には独立が目標ですから、勤め人の現時点で転職が成功だったかは答えが出ていません。
個人的には以前の仕事とは内容があまりに違いますが、モノ作りという点で納得はしています。
成功だったかわかるのはまだ先になりますね。
「転職グッド」編集部からのコメント
アパレルの商品開発からほとんど未経験のレストランとはダイナミックな転職例ですね。思い切りの良い男性ならではです。
人間は誰しも1日に3回食事をします。人は食べなければ生きていけませんし、友人や家族といっしょに食事をすることで何物にも代え難い幸せを感じることもできます。食事は単なる生きていくための栄養補充というよりも、人生に豊かな彩りを与えてくれるものなのです。この方が、未経験で飛び込んだ世界は、人に幸せを与えることができる素晴らしい職業でした。
恐らく最初は年下の青年に見下されながらの調理の見習いだったことでしょう。プライドを傷つけられることばかりだったと想像します。でもそれを踏ん張って乗り越えて来たからこそ、中堅クラスの存在にまでのぼっていけたのだと思います。
この方がおっしゃるように調理人の方の大半が持つ夢は自分のお店を出すことです。ぜひ一国一城の主を目指して頑張って欲しいと思います。