今の時代、転職活動の際にリクナビNEXTやマイナビ転職などの情報サイトで調べるのはごく自然のことになりました。一昔前は分厚い転職雑誌を見ながら、一ページ一ページ探したものですが、現在ではインターネットの普及でパソコンやスマホから情報を取得する人が圧倒的になってきています。
前回は、転職活動の際にはハローワークだけをではなく、転職サイトや転職エージェントも活用した方が良い理由をご説明いたしました。
今回はさらに一歩進めて、ではその転職サイトは何サイトくらいに登録をしておいた方がいいのか?という点についてお話しいたします。
特徴がわかりにくい転職情報サイト
ひとくちに転職情報サイトといってもリクナビNEXTやマイナビ転職などの大手が提供する総合的な転職サイト、エンジニアや介護職、薬剤師、保育士など業種に特化した転職サイト、女性の求人に特化したサイト、各社の情報を検索テクノロジーで横断的に表示させるサイトなど実にさまざまです。
もともとは各社とも総合的な求人サイトから始まった訳ですが、競争の激化や求職者のニーズの多様化、さらに新しい求人ベンチャー企業が登場してくる度に、他社とはひと味違う、独自色を出したものを作ろうとカテゴリの細分化が進んできています。結果的に今日のように数百以上の求人サイトが世の中に存在するようになったのです。
サイトの数が膨大に増えてくると、世の中の常として、求職者(ユーザー)からは「どのサイトが良いのかわからない」「どこが違うのか理解出来ない」といった声があがって来ます。転職を考えている人というのは、当然のことながら転職が終われば、サイトを見なくなりますので、サイトに慣れていません。そのために食べログや価格コム、じゃらんなどの継続的に活用できるサイトと違って、情報の共有がおこなわれにくいという難点を抱えています。(不動産購入サイトや結婚式サイトなど一生に何度も利用しないものと同じですね)
また転職を考えている方というのは基本的に急いでいますので、とりあえずCMなどで有名などこかの総合サイト1つに登録をして、求職活動を始めるわけです。もちろんこのことは全く問題無いのですが、今回は一歩踏み込んで「転職サイトは少なくとも3~4サイトに登録をしておいた方が良い」という点について解説いたします。
転職情報サイトの掲載費用は意外に高額
採用側企業が転職サイトに募集を出そうとすると、1サイト約20万円~40万円(4週間)とけっこうな費用がかかります。1サイトでこの金額ですから、3サイト、4サイトだと100万円、200万円が優にかかってしまうわけです。しかも4週間でこの金額ですから、年間を通して募集すると軽く1,000万円を超えてしまいます。
事業規模の大きい企業であれば問題ないのかもしれませんが、中小企業やベンチャー企業にとってこの金額は少なくありません。全てに掲載すると支出が多くなるため、企業は募集を出す転職サイトの費用対効果を徹底的に吟味し、絞り込んで出稿するわけです。それは応募反響が大きいサイト、担当営業者が優れているサイト、比較的リーズナブルなサイトなどまちまちです。
だから転職サイトは載っている企業がバラバラになります。「リクナビNEXT」にも「マイナビ転職」にも載っている情報、「リクナビNEXT」にしか載っていない情報、「@type」にしか載っていない情報、第二新卒「Re就活」にしか載っていない情報など、みんな違うのですね。
自分に合った企業を見逃さないために少なくとも3~4サイトに登録を
このような背景を理解していないと、急いでいるし、登録が面倒だし、とりあえず1サイトだけで探せばいいか、となりがちです。でもあなたがぜひ入社したい思った企業は他の転職サイトにしか載っていないかもしれません。今の会社を辞めてぜひ働きたいと思う企業が急に出てくることもあります。
せっかくの転職が残念なことになってしまってはもったいありません。チャンスを逃さないためにも、少なくとも3~4サイトに登録をして、最新の求職状況を把握しておきましょう。