「ソフトウェア開発業界」の特徴
「ソフトウェア」という言葉は、いわゆるIT関連に詳しくない方でも聞いたことがあるでしょう。
あらゆる業界で、職場にパソコンが設置されているのは当たり前となった世の中ですが、「情報サービス」と呼ばれる業種において、その中核を成す存在が「ソフトウェア開発業」です。
ソフトウェアとは大別すると、WindowsやiOSなどコンピューターの基本となるオペレーティングシステム(OS)を代表とした「システムソフトウェア」と、WordやExcel、Outlookなどそれぞれの作業を目的とする「アプリケーションソフトウェア(アプリ、App)」で構成されます。スマートフォンの普及もあって、アプリという言葉もご存じの方は多いでしょう。
「ソフトウェア開発業」とは、このシステムソフトウェアとアプリケーションソフトウェアの製作や改修を行う業種で、世の中にある殆どの業界がその恩恵を受けています。アプリケーションは既に膨大な種類がありますが、今もなお次々に新しいアプリケーションが誕生しています。また、それぞれの業界特有のシステムにも需要が集まっていて、業務の効率化や高精度化などにつながっています。医療や金融、物流、製造、小売、アミューズメントなど、一定の業界で扱う固有のソフトウェアを専門に開発している企業もあります。
「ソフトウェア開発業」の求人募集は、当然ながら開発技術者が中心です。職種で言うとプログラマーやシステムエンジニアになりますが、実務経験のある転職希望者向けにプロジェクトリーダーやチームマネージャーなどの採用を行う企業も少なくありません。
「ソフトウェア開発業界」の現況
「ソフトウェア開発業」に属する企業の殆どは「受託型」と呼ばれる事業形式を採っています。これは、ソフトウェアを実際に使用するクライアントから直接受託するケースと、クライアントに委託された企業から更に請け負うという、いわゆる下請のケースとがあります。
開発するソフトウェアの規模にもよりますが、実態としては特に中小企業の多くが下請中心で事業を展開しており、競合を伴った重層的構造から受注の低価格化が問題となっています。
プロジェクト1件あたりの売上が下がると、利益確保のためには量をこなさねばなりません。そのため、特に複数のプロジェクトを進行させている時期には勤務時間が非常に長くなったり休日出勤が発生する傾向があります。それらに起因して良いスタッフが離職してしまったりと、人員の定着化にも課題が残っています。
技術面においても、プログラム言語の遷移などで分かるように業界全体で進化のスピードが速い、という特徴を持ちます。ソフトウェア開発業で実務経験をお持ちの方でも、ブランクを挟んで転職する場合には様々な技術の変化を目にすることになります。
2000年前後から日本でも一般に普及していったインターネットですが、現代のソフトウェアはインターネットと連動したものが中心になっています。今や社会に必要不可欠となったインターネットは、ソフトウェア開発の領域でも更なる可能性を示し続けています。
「ソフトウェア開発業界」に転職を考えている人へ
ソフトウェア開発業の求人で、最も多い案件はやはり開発技術者です。職種で言えばプログラマーやシステムエンジニアとなりますが、実務経験のある転職者向けにプロジェクトマネージャーやチームリーダーといった役職者を募集する企業もあります。こういった役職者は開発技術者としての知識や経験がある事を前提に、課員をまとめるリーダーシップや、目標を達成させるための計画性や判断力といったスキルを持ち合わせていることが必要です。また、打ち合わせや報告などで顧客と顔を合わせる機会もありますので、礼儀や説明能力、提案力なども求められるでしょう。顧客は必ずしもソフトウェアやITに詳しいとは限らないため、納期やコスト、商品の性能といった部分で無理な要望をしてくることもあります。顧客の立場も考慮しつつ、現実的に可能な要望なのかを適切にジャッジして交渉していくのも役職者の仕事になります。
近年はIT技術者を養成する機関も非常に増えました。大学や専門学校はもちろん、社会人向けのスクールや通信教育、ハローワークで行っている職業訓練、プログラミングを学べるアプリやインターネットサイトもあります。求人を行う企業では、実務未経験者は新卒者で採用し、中途採用は実務経験者を想定しているケースも多いですが、実務未経験で転職を目指すのであれば上記のような学習機会を活かし、基礎から最新の技術まで習得しておくことをお薦めします。また、SOHOで実務経験を積むのも良い方法となります。