以前の仕事は固定給+歩合制で不安定だった
私の以前の職業は、東京都内にある英会話教室での営業職です。営業といっても得意先を回るようなものではなく、有名書店や百貨店などの一角に設置してあるブースに立ち、道行く人にカタログを渡したり、教室の特長を説明したりして、教室への来店の約束を取るというものでした。来店した人にはさらに詳しいシステムを説明し、契約に結びつけます。いわば店頭でのデモンストレーターと店内でのカウンセラーを一人でこなすような、特殊かつ難しい仕事でした。
この会社は固定給+歩合制で、契約件数によって収入が変動します。調子がいい月には高い洋服を買ったり、高級レストランに出かけたりとプライベートも充実していましたが、調子が悪い月にはランチ代や交通費までも節約しなければならない始末。歩合を励みにして契約件数アップに燃える同僚もいましたが、私の場合は、贅沢はできなくても、もっと安定した収入が得られる職種の方が性に合うように感じ始め、転職を考えるようになりました。
安定した収入が得られる職種を目指して転職活動
転職先の第一の希望は、これまでの経験とスキルを活かせる職種であること。加えて、自分がもっと成長するためには営業的な業務だけではなく、新しいことにチャレンジできて、視野が広がるような業務内容の会社への転職を目標に設定しました。タウン情報誌やとらばーゆを中心に情報収集を重ね、良さそうなところに片っ端から応募をしていったのですが、最初のうちは履歴書を郵送しただけで不合格の通知ばかり。私はなんの資格も持っていないので、履歴書だけでは不利なのかな、と落ち込んだこともありました。
そこでひらめいたのが、自己PRの工夫です。「自分にはこんな素質がある」「御社でこんな仕事にチャレンジしてみたい」など、自己PRの書き込み欄からはみ出すくらいの勢いで猛烈にアピールしていきました。すると徐々に1次選考合格の通知がもらえるようになったのです。数社目の面接の時には私の自己PR文の話で盛り上がり、担当者と楽しく話をするような状態で、リラックスしたまま終了。この会社に、無事に採用となりました。
晴れて「イベントディレクター」に転職 – 給料も固定給に
私が入社したのは広告制作やイベント運営を行う会社で、「イベントディレクター」という職種です。これまで経験してきた職種とは業界がまったく異なりますが、前職でデモンストレーターのような業務に携わっていたことがイベントディレクターにも通じるとして、採用のポイントになったということでした。
中心になる業務内容は、家電量販店や秋葉原の電器店などの店頭で新商品のデモンストレーションが行われる際に、イベントコンパニオンやスタッフを統率し、管理する現場監督のような仕事です。加えて、イベントがない日には次のイベントの企画を立てたり、スタッフに業務内容を説明するための資料を作成したりといった仕事を担当しました。
それまでにまったくかかわったことのなかったパソコン操作を、独学や先輩の指導で一から学ぶことができ、数年後には後輩に指導できるほどのスキルを習得することができました。給与面は固定給なので安定しており、平均すると前職より若干アップ。本当に希望通りの会社が見つかり、大満足の転職でした。
転職を考えている人へアドバイス
今回、理想的な転職ができたのは、自分の経験が活かせるだけでなく、自分を成長させてくれる会社を貪欲に探した点が大きかったと感じています。「これまでの経験は少ないけれど、御社で成長させていただける期待を持っています」というような姿勢をアピールしたことで、将来有望でやる気があると感じてもらえたようです。
また、以前の多少の経験といえば、接客や販売のアルバイトだけでしたが、これらに共通するのは「人と接する仕事」だということに気付き、自分の得意分野として推していきました。新しい会社はこうしたアルバイトさえも経験として買ってくれ、私を「いろいろなシチュエーションを経験したコミュニケーション能力の高い人材」だと評価してくれたのです。
転職は自分と会社との相性が大きいと思いますが、自分の持ち味を自分でしっかり評価して、チャレンジしましょう。
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