「鉄道業界」はどんな仕事なの?概要と特徴、転職のアドバイス [業界研究]

「鉄道業界」はどんな仕事なの?概要と特徴、転職のアドバイス [業界研究]

「鉄道業界」はどんな仕事なの?概要と特徴、転職のアドバイス [業界研究]

日本列島のインフラを担い、雇用や給与面の安定度も抜群の「鉄道業界」。近年では、鉄道業務のみならず、立地を生かした商業開発、不動産、ホテルなど多角経営を図っており、本業を上回る収益をあげている企業もちらほら。また日本画誇る鉄道システムの海外輸出にも官民一体となって力が入れられている。ここでは「鉄道業界の特徴や近況、転職あたってのポイントをまとめてみた。

「鉄道業界」の特徴 – 人々を安全に運ぶインフラ業

幼い子供たちが大好きな「電車の運転手さん」。鉄道が大好きな子供、いわゆる“子鉄”がそのまま大きくなり鉄道業界を志望する、というのは周囲をほのぼのとさせる話だ。とはいえ、鉄道業界=電車の運転手、だけではない。電車や鉄道を保守整備する技術者、運行の管理部門など、世界トップクラスの安全性とときには秒単位にもなる時間的正確性を守るため、昼夜問わず多くの人々が従事している。また鉄道や地下鉄の他にも、モノレールや山岳地帯のケーブルカー、ロープウェイにリフト、トロリーバスなどもこの業界に含まれる。つまり軌道や索道で人や貨物の運送を行う仕事、とイメージするとわかりやすい。

「鉄道業界」の現況 – 本業以外に商業施設や不動産などにも進出

景気低迷期には企業の出張控えや、各家庭の行楽費削減で落ち込んでいた鉄道界。それがここ2、3年、景気の回復により労働人口が増え、鉄道の利用客数は増加に転じた。観光・行楽が前年比プラス5%の伸びとなっているのも業界の好調ムードを後押しする要素となっている(公益財団法人 日本生産性本部 余暇創研「レジャー白書」より)。円安を背景にこの先しばらくは国内旅行志向が続く可能性も高く、さらには東京オリンピック前後に外国人観光客がどっと押し寄せることを考え合わせると、先行きはしばらく明るいといってよいだろう。
約14兆円ともいわれる鉄道界において、売上でも従業員数でもトップを走り、業界のけん引役となっているのがJRの東日本、東海、西日本。私鉄では近畿日本鉄道や東京急行電鉄、東京メトロなどが続く。こうしたビッグ企業が持つ路線間での相互乗り入れやICカードの共通化など、「鉄道が便利になった」と認知される努力を長年行ってきたことが、利用客増加という成果につながっている面もある。
そんな各トップ企業が現在力を入れ始めているのが、エキナカや構内ショッピングモールなどの商業施設、不動産、ホテルなどの他業種への進出。駅や高架下、周辺地域の活用といった関連事業を展開することで、線区価値のアップを図っているわけだ。「JR」「東急」「近鉄」などの知名度・ブランド力は絶大であり、今後もさまざまな分野への進出が予想される。
実際の労働環境を見てみると、月間の実労働時間では30人以上の事業所規模で170.9時間(厚生労働省「毎月勤労統計調査」より)。給与面では月平均現金給与額は35万5839円(平成25年 厚生労働省「産業、事業所規模、性、給与内訳別1人平均月間現金給与額」より。郵便業も含む)となっている。

海外にも打ってでる「鉄道業」-官民一体で首相みずからトップセールス

近年、官民が一体となったインフラシステムの輸出にも力が注がれる。鉄道業についていえば、日本の強みである世界一正確に運行可能な鉄道システムと車両のセット販売。2015年にはタイのバンコク・チェンマイ間高速鉄道事業が日本の新幹線方式での建設が決定。嬉しいニュースの一方で、インドネシア・ジャワ島、米ロサンゼルス・サンフランシスコ間の高速鉄道計画をライバルの中国に奪われるなど、営業力不足も指摘され始めている。すでに日本国内での鉄道網は完成形に近づいており、海外に打って出るのは至極当然のなりゆき。今後も各国で持ち上がっている高速鉄道の計画において、日本の鉄道システムをいかに広められるかは、ここ数年の動きがキーポイントになるだろう。

「鉄道業界」に転職を考えている人へアドバイス

安定感があり、なにより抜群の知名度がある鉄道業界は非常に人気がある。
例えばJR東日本の社会人採用の場合だと、線路や橋りょうなどの保守土木、車両エンジニア、ホームやみどりの窓口を担当する駅内業務、列車のシステムや情報通信、機械設備、技術事務、事業用地管理などを定期的に募集している。
同業経験者や機械系の技術者は優遇されやすい面もあるので、まずはアルバイトや契約社員などから経験を積み、正社員を目指すのも一つの方法かもしれない。安全と正確性を重視する業界柄、事務職系においても確実でミスのない仕事が求められるので、几帳面な性格やコツコツ仕事の実績はアピールポイントになるだろう。鉄道が単なる移動手段ではなく、JR九州の豪華列車「ななつ星」や足湯のあるリゾート新幹線「とれいゆ」、テレビで話題になった三陸鉄道など、鉄道に乗ること自体が旅の目的となる時代である。そうした新しい旅のスタイルやニーズに敏感であることも、今後ますます必要となってくるはずだ。

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