「飲食業(外食産業)」はどんな仕事?概要と特徴、転職アドバイス [業界研究]

「飲食業」はどんな仕事?概要と特徴、転職ポイント [業界研究]

「飲食業(外食産業)」はどんな仕事?概要と特徴、転職ポイント [業界研究]

「飲食業(外食産業)」はいつ頃からあるの?

 食材の高騰や輸入食材の安全性、不動産や人件費といった管理経費など数々の問題を抱え、市場は縮小傾向にあるといわれる外食産業ですが、それでも市街地や繁華街には依然として多様な飲食店が立ち並んでいます。また、郊外向けの大型ショッピングモールなどにも多くの飲食店のテナントが入っています。昨今は飲食業へ就職、転職をする人数も減少しているといわれますが、この業界ならではの魅力も存在します。その辺りも含めて説明していきます。

 寿司や蕎麦といった一部を除き、日本における飲食店の歴史は1657年(和暦にして明暦3年)以降といわれています。江戸時代の中期に位置する時代で、この時期はポルトガルから入国した宣教師が当時の日本にはない料理を紹介していったと伝えられます。それらは天ぷらやカステラなど、現在では日本の代表的な食品となっています。
 それから時代の移り変わりとともに、飲食店の業態も多様化が進んでいきました。例えば、一流のレストランがホテルの中で営業するようになったのは第二次世界大戦後、いわゆる高度成長期の時代です。
 現在の飲食店は、ジャンルだけでも和食を含め各国の専門店があります。地域を絞って、その地方の代表的な料理などを味わえる店もあります。また、特定の料理を専門とする飲食店もあります。料理を通して世界の様々な食文化を知ったり、珍しい料理に出会ってその食べ方やマナーなどを覚えたり、新たな味覚の発見があったりと、多くの魅力が詰まっています。

「飲食業(外食産業)」が抱える課題

 飲食業を営む方々にとって、経費の高騰は頭の痛い問題です。食の安全に高い関心が集まるようになり、中国産などの安価な食材を使ってコストダウンを図る施策はもはや通用しなくなっています。飲食店は社会的信用が経営に直結しますから、世間から懐疑的な目で見られている食材を安易に使用することはできません。実害がなくても風評被害のような形で撤退に追い込まれるケースもあります。 
 人件費についても毎年のように上昇する最低賃金の影響と、優秀な人材を確保するための賃金体制を整えることが、経営を圧迫する要因となっています。かつて「水商売」と呼ばれていた頃とは違い、現在の飲食業は社会保障の適用や雇用条件の改善なども徐々に浸透してきています。それでも、少子高齢化時代に突入した日本では外食産業に対する需要に変化が発生していて、それが業界の構造をも変革させる引き金となっています。
 現代人は毎日、波のように押し寄せる情報とともに生活しています。それは飲食店に、より多様なニーズと、これまでにない変化のスピードを求める結果となりました。飲食店側としては、時代が求めているものをより早く察知して表現していく必要があり、経費の高騰に対する施策と合わせて難題を克服するための企業努力が問われています。

「飲食業(外食産業)」への転職を考えている人へ

飲食業全体が抱えている課題の数々もあって、転職を合わせた就職者は近年減少傾向にありますが、この業界でしか経験できない魅力もあります。
 その一つは接客業全般にいえることですが、消費者と直接向き合って仕事をすることで得られる喜びです。お客さんが笑顔になってくれた、感謝の言葉をいただいた、「また来るね」と言ってくれた、といった直接的なコミュニケーションは、仕事をする上での最高のモチベーションになります。店舗という、いわばライブな場で、生の声や表情と接することで人間的な成長も実感できるようになります。
 自由な発想が企画へと昇華させやすい、という点も働く上で魅力といえます。普段お客さんの立場で飲食店を利用した時に感じたことを、自分の働く店舗に活かすことができるので様々な発想が生まれ、それを提案したり実行に移すことで「店を作っていく」という面白さを発見できるはずです。また自分の体験以外でも、友人の体験談やネットの口コミなどを調べることで得られる情報もあります。
 職場となる飲食店がどんなジャンルの商品(メニュー)を扱っているのかを学ぶことで、国内外の食文化に触れる機会につながります。これも魅力のひとつといえます。探求心は食文化だけにとどまらず、経済や歴史、地理、宗教にまで及んでいきます。
 ここに掲げたような魅力を感じながら飲食業の仕事に就くためには、人との触れ合いが好きであることと、観察力にも通じる探求心(好奇心)を持って臨むことが大切です。これらに適性を感じている方は、ぜひ飲食業への挑戦を実現させてみて下さい。
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