今回登場するのは短期間のうちに数回の転職を経験することになった大阪府のH.Kさん(男性)。法曹への憧れと生活のための仕事のはざまで迷いながらの転職活動でした。紆余曲折の上、結果的に決まった仕事はどのような業種だったのでしょうか。当時の気持ちを率直に語っていただきました。
転職前の業界と転職を考えた理由
私は短期間に3回もの転職を経験しました。今回はその2度目の転職についてお話しようと思います。
元々、個人事業主の経験が長かった私は、最初に入った会社を短期で退職してしまいました。次こそは腰を落ち着けなければと思って入った二つ目の会社でも、スタッフの指導方針で社長と大ゲンカをして辞めてしまう始末。会社勤めなんか自分には向いてないのではないかと私が自己診断するのも無理からぬことでしょう。
しかも、当時の私は法曹への漠然とした憧れがあり、法科大学院を受験して人生をやり直すのもいいかと考えていたほどでした。そんな浮ついた人生設計のもと、ひとまずは生活のために仕事をしなければ仕方がないということで、腰掛け程度の仕事を探すことにしたのです。つまり、この時の私はハッキリ言って世の中をナメきっていたわけですね。
転職エージェントを利用して活動を開始
転職活動にあたり、1度目の時にも使っていた転職サイトの「リクナビNEXT」と「マイナビ転職」、そしてリクルートの転職エージェントを利用することにしました。結論を先に述べると、私はリクナビNEXTを通じて自力で応募した企業に就職することになります。しかし、この時の転職活動を通じて私の心の支えになっていたのは「リクルートエージェント」の存在でした。
1~2年程度の腰掛けのつもりだということは応募先企業には口が裂けても言えませんが、転職エージェントにはそのことも含めて転職動機を全て打ち明けていました。その時点で難しい転職にはなるのですが、エージェントは私の希望に叶う正社員求人を精力的に紹介してくれ、また書類選考や面接のたびに電話やメールで私を激励してくれました。それがあったからこそ、特に焦ったり挫けたりすることもなく転職活動を続けられたのです。
コンサルティング関係のベンチャー企業に転職
私が出会った転職先は、コンサルティング関係のベンチャー企業でした。私にとっては初挑戦となる業界ですが、これまでの仕事の知識を活かせる部分もあったため、それほど気後れを感じることはありませんでした。
小規模な会社なので、社長以下全員の距離が近かったのですが、なんといっても親しみやすい人ばかりで人間関係にストレスを感じなかったのが幸いでした。入社前は腰掛け程度と考えていましたが、次第にこの会社での仕事に充実して取り組むようになり、法科大学院に行き直すという現実離れした考えもいつしか過去のものになっていきました。
ただ、人間関係には恵まれていたものの、残業代や有給取得の仕組みが全く整備されていないことや、営業ノルマの達成を執拗に求められる社風が私には結局合わず、この会社も一年で退職することになってしまいます。
転職希望者へのアドバイス、注意点
転職は決して後ろめたいことではありません。少しでも現職に不満を覚えていたり、もっと自分に合った仕事がしたいと考えているならば、思い切って転職活動をしてみるのは良いことだと思います。
ただ、この時の私のように転職動機がフラフラしていたり、腰を落ち着けて働くつもりがなかったりすると、一人で転職活動を続けていくのは心が折れるかもしれません。そうした場合には自分をサポートしてくれる転職エージェントなどのサービスを利用するのもいいでしょう。たとえエージェント経由の応募が内定に結びつかなくても、自分の転職を応援してくれる人がいるというのは心強いものですし、職務経歴書の書き方や面接の話し方について実践的なアドバイスをもらうこともできます。私が転職できたのも、元を辿ればエージェントの助けがあったからだと思います。
少しでも多くの情報を吸収し、自分のものにして、良い転職ができるといいですね。頑張って下さい。
文:大阪府のH.Kさん(男性)
「転職グッド」編集部が考える転職ポイント
数回の転職を経て、いまは幸せに生活をしている大阪府のH.Kさん。法律の仕事をやってみたいという希望もあり、夢を取るか、現実を取るか、心が揺れ動く中での転職活動でした。文中でH.Kさんも言っていますが、自分が何をやってみたいのかいまいちわからない、でも相談する人がまわりにはいないという場合は、転職エージェントなどサービスを考えてみるのもいいですね。彼らの手元には膨大な求人企業データがストックされており、自分の合う仕事をマッチングしてくれるはずです。でも転職エージェントが何でもかんでもやってくれるわけではありません。最終的にはやっぱり自分の意志と行動力が成功の決め手となります。