世界に誇る森林王国日本!「林業」はどんな仕事なの?転職希望者向け [業界研究]

「林業」はどんな仕事なの?概要と特徴、転職アドバイス [業界研究]

「林業」はどんな仕事なの?概要と特徴、転職アドバイス [業界研究]

安価な輸入木材に押されて停滞気味だった日本の「林業」が少しずつ元気を取り戻してきています。15年ほど前には18%にまで落ち込んだ木材自給率も最近では30%近くまで上昇、またエコロジーなどの環境意識やアウトドア指向の高まりを受けて、新卒やUターンなど若者の求人募集も目立つようになりました。自然が好きな人、地球環境に興味のある人は「林業」への転職もおすすめです。ここでは林業の成り立ちから、近年の動向、そして転職希望者へのアドバイスをまとめました。

「林業」は日本が世界に誇る森林を生かした産業

日本の国土面積の67%を占める森林。先進国21カ国の中で森林の割合が60%を超えるのは日本とスウェーデン、フィンランドの3カ国だけというから驚きです。「屋久島の照葉樹林」や「白神山地のブナ原生林」などの世界遺産も存在する日本の森林は世界に誇る財産なのです。
また森林資源に恵まれた日本では、産業としての「林業」は重要な産業のひとつです。木の伐採だけでなく、素材としての木を育てることから始まり、苗木育成から植栽、枝打ちや間伐、そして主伐(伐採)まで、何年、ときには何十年単位での長期的視野を必要とする仕事なのです。「林業」にはこうした林木からの素材生産や森林保護のほかにも、薪及び木炭の製造、松やにや漆に代表されるような樹脂や樹皮などの林産物の採集、漁師が食用や毛皮用に行う野生動物の狩猟、さらには昆虫・へび等の採捕業も含まれます。

さまざまな取り組みにより少しずつ盛り返してきた国産木材

農林業は厳しいといわれて久しく、働き手の高齢化、慢性的な人手不足は喫緊の課題です。昭和30年代には94.5%あった木材自給率ですが、木材輸入の自由化とともに安価な外材に押され、平成12年にはなんと18.2%まで落ち込み、林業は著しく衰退(林野庁「木材需給表」より)しました。林業を活性化させるには国産材需要の掘り起こしが必須であり、品質の確かな原木や木材を安価に安定して供給できるシステム作りが急務と考えた林野庁では、約10年程前から曲がり材や間伐材等を利用して、集成材や合板を低コストで安定供給できる「新流通・加工システム」の取り組みをスタート。その結果、曲がり材・間伐材の使用量は3倍近くに増え、国産材利用の流れを作ることに成功しています。また林業と木材産業が連携した「新生産システム」を実施したことで、モデル地域では、地域で流通する木材の利用量が5年間で132万㎥から180万㎥に増加。製材工場における国産材利用料も着実にアップしています。一般の国産志向の高まりも追い風となり、近年の木材自給率は30%に迫る勢いとなり、国産の良質な木材への理解・関心は業界を元気づける原動力となっています。

ここ最近の求人状況を見てみると、農林・鉱業全体で約6000人、うち正社員の募集は約2000人(平成27年 厚生労働省 労働市場分析レポートより)。農林業全体での就業者数については季節変動はあるものの、210万人~230万人といったところ。平均給与では290万円(国税庁「民間給与実態統計調査」より)と「宿泊業・飲食サービス業」に次いで低い水準となっています。

いま「林業」が熱い!転職を希望する人へ

放置されて荒れ果てた森林が問題となっている今、治山・治水効果、山村の景観維持など公益的機能を併せ持つ林業に就く意義は大きいでしょう。昨今では、環境意識やアウトドア指向の高まりを受けて、従来の「林業」のほかにも、森林レンジャーや樹木医など森林や樹木と触れあう仕事も生まれています。地球温暖化対策にも欠かせない森林を、健全に守り育てていくことは自分の仕事に対して大きなプライドを持たせてくれるはずです。
人材の募集も積極的です。林業就労者の高齢化、減少によって人手不足を危惧した全国に約1,400ある森林組合や民間の林業事業体では、新卒やUターンで次代の林業を担う人材を募集しているほか、各都道府県では林業労働者の募集や林業就業促進資金の貸付などをおこなう「林業労働力確保支援センター」を開設し、未経験者向けに基本知識、林業体験、職場見学などの「林業就業支援講習」も開催しています。
文化的側面からも林業に興味を持つ若者が増えています。たとえば木炭作りや漆の採取などは日本の伝統文化の存続にとっても重要なことであり、製品化されたものは「クールジャパン」を手軽に楽しめるアイテムとして外国人観光客からも人気が高いため、今後需要が伸びていく可能性も期待できます。

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