残業の多い業種、少ない業種ランキング – もっとも多いのは「運輸業、郵便業」の月25.4時間

残業の多い業種、少ない業種ランキング - もっとも多いのは「運輸業、郵便業」の月25.4時間

日本の就業者一人あたり労働時間は先進国の中でも長い方だと言われている。自分が働いている業種、これから働こうとしている業種は残業が多いのか、少ないのか。これはぜひ知っておきたい情報だ。

今から20年以上前のバブル時代には「24時間戦えますか」などの勇ましいCMもあったが、この低成長時代においては、仕事も家庭も趣味も両立させたいという人も増えている。

ここでは厚生労働省「労働統計要覧(平成26年度)」をもとに、どの業種が一番、所定外労働(残業や休日出勤などの実労働時間)が多いのかを紹介してみたい。対象は30人以上の事業所。

最初に全産業の平成26年度の所定外労働の平均を出してみると月12.8時間だった。
さらにここ数年の推移をみると、平成25年度は12.4時間、平成24年度は12.2時間、平成23年度は11.9時間と実は少しずつ増えている。

所定外労働時間は、景気と密接にリンクしており、「景気がよくなる」→「受注が増える」→「既存の社員で対応」→「残業や休日出勤が増える」→「社員を増やす」という風に流れていく。アベノミクス効果なのだろうか。所定外労働時間の平均時間が増えるというのは、少しずつ景気が良くなっていることの現れでもあるので、一概に悪いとも言えないところもあるのだ。

では次に業種別で見ていこう。

残業が一番多い業種は「運輸業、郵便業」

調査の結果、月間の所定外労働が一番多いのは「運輸業、郵便業」の25.4時間だった。
もともと慢性的な人手不足がちな業界の上に、オンラインショッピング経由で買い物をする人の増加、活発になって来た企業間物流の増加で、取扱の荷物が飛躍的に増えていることが想像できる。残業時間が長い「運輸業、郵便業」では、賃金の1割以上を残業代が占めている。

次いで残業が多いのが「情報通信業」の月間20.2時間。通信、情報サービス、インターネット附随サービス、放送などからなる「情報通信業」の中でも、情報サービス業は企業のIT活用、クラウドの成長、企業のグローバル化によって需要が急増、複数のエンジニアがプロジェクト・チームで仕事を進めるため、所定外労働時間が多くなりがちな傾向にあるようだ。

3番目、4番目は景気の動向と関係の深い「建設業」の月間18.4時間、「製造業」の17.5時間と続く。

産業別 1ヶ月の所定外労働時間数

資料:厚生労働省「平成26年度 毎月勤労統計調査」 単位:時間
産業別 1ヶ月の所定外労働 時間数

もっとも残業が少ない業界は「医療、福祉」「教育、学習支援業」

反対に全業種の中でもっとも残業の少ない業界を見ると、一番は「医療、福祉」の月間5.8時間だった。その次に少ないのが「教育、学習支援業」の6.3時間となっている。

「医療、福祉」は、医師は週間就業時間60時間以上の人も多く長時間労働が慢性化しているが、全体で見るとシフト制が進んでいるからなのか、月間5.8時間ともっとも少ない結果となった。

残業の多い業種ランキング

業種 月間残業時間
1位 運輸業、郵便業 25.4
2位 情報通信業 20.2
3位 建設業 18.4
4位 製造業 17.5
5位 学術研究、専門・技術サービス業 16.0
6位 電気・ガス・熱供給・水道業 15.7
7位 鉱業、採石業、砂利採取業 14.9
8位 金融・保険業 13.4
9位 不動産業、物品賃貸業 11.5
10位 サービス業(他に分類なし) 11.4
11位 複合サービス事業 8.1
12位 卸売業、小売業 8.0
13位 生活関連サービス業、娯楽業 7.2
14位 宿泊業、飲食サービス業 6.6
15位 教育、学習支援業 6.3
16位 医療、福祉 5.8
調査産業計 12.8

転職にあたっての考え方

ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を意識しよう。適切な労働時間で働き、休暇を取得することは、仕事に対する意識やモチベーションが高まると同時に、業務効率の向上にプラスの効果が期待される。一方、長時間労働や休暇が取れない生活が続くと、メンタルヘルスに影響を及ぼす可能性が高くなり、生産性も低下する。

特に20代~30代は、所定外労働(残業や休日出勤などの実労働時間)が多くなる傾向がはっきりと出ている。これは「若いから無理がきく」「年下だから残業を頼みやすい」「独身の人が多いから」「現場に近いから」など、さまざまな理由が想像されるが、効率的に働いてしっかり休むことを意識しよう。

転職にあたっても、仕事と生活、仕事と趣味をはっきり分けたい人、大事に考えたい人は、希望業界が現在の業界と比べて、残業が多いのか、少ないのかを調べる。多くなるようであれば、その業界の中でも長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得に前向きに取り組んでいる企業を探そう。「経営者が長時間労働を当然と考えている」、「社員が時間外労働の上限を把握していない」、「取引先との関係が長時間労働を前提としている」などは、もっとも注意すべき点だ。

出店:厚生労働省「労働統計要覧(平成26年度)」の 「D労働時間 – 産業別月間実労働時間数」を参照

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